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埋没林や恐竜の化石などはあくまでも私の趣味・嗜好なのですが、不思議なものでそういう事を考えていたりすると不思議にそういうところと繋がったりするものです。数か月前の事ですが、公益財団法人石川県埋蔵文化財センターさんから【森のかけら】にお問い合わせをいただきました。石川県埋蔵文化財センターは、地元の歴史と文化を伝える埋蔵文化財の発掘調査をして、古代の暮らしなどの体験学習が出来たり、県民が郷土の歴史を学ぶことが出来る開放型の施設です。
最近、【森のかけら】はこういう自然や環境を研究したり管理するような全国の公共機関や施設などからご注文をいただく機会が増えています。別にこちらから商品案内のダイレクトメールを出したりしているわけでもないのですが、ネットなどを通じてありがたいご縁が生まれています。100種類を超える立体型の木材標本って、どこにでもあるようで実はなかなかどこにでもあるわけではないのです。制作にあたって特別ノウハウが要るというものではありませんが、樹種の多さが弊社の強み。
こういう施設でご購入していただく目的は、標本として展示していただくケースと、実際に子どもたちに触ったりしてもらって体感してもらうケースの2通り。こちらでは後者の体験型で、写真のように0.1gから測定できる重りを利用して、それぞれの「かけら」の重さを計測してもらったり、40倍の顕微鏡を使ってかけらの小口の細胞組織を観察出来るような形でお使いいただいています。こどもだけでなく、おとなの方にも喜んでいただけているそうで本当にありがたい事です。
かけらを検品する際には、樹種が混乱しないように細心の注意を払って作業しています。それでも似たような特徴のかけらが混じって、見分けがつきにくい場合はルーペで確認しているのですが、小口の細胞観察は識別の見分け作業としてしか考えていませんでした。それが最近小口画像の魅力にはまってしまい、今頃になって何ですが、(私にとって)新たな木の愉しみ方を満喫しているところです。そのうち顕微鏡を買ってしまうかもしれない自分が怖くもあるのですが・・・
当センターは石川県金沢市にあるのですが、ちょうどその時期に金沢市から、私の兄貴分にあたる村本喜義社長・㈱ムラモトさんが弊社にいらしていたり、その少し前に東京のビッグサイトで開催されたギフトショーで、『えひめのあるくらし』のブースを訪ねてきていただいた金沢市在住のピールアーティスト・才田春光さんを村本さんにご紹介させていただいたりと、妙に金沢づいていたので、ますます不思議なご縁を感じてしまったのです。これはどうあっても金沢に行かねばなりますまい!
昨日に続いて神代木の話ですが、滅多に神代木指定の注文など舞い込みませんので、先日は仕方なく板をカットして欠品していた『神代のかけら』を補充しました。なので今のところは5種の神代木シリーズすべて揃っております。かけらの在庫状況からしばらくの間販売を中止していた『神代木の5かけら』(ジンダイスギ、ジンダイタモ、ジンダイケヤキ、ジンダイナラ、ジンダイニレ)も発売を再開していますのでマニアの方是非この機会にどうぞ!価格は¥3,000(税込¥3,240)です。
ところで運がいいのか悪いのか、埋没後出土することなく永遠に地中深くに閉じ込められてそのまま本当に化石になってしまった木たちは、やがて石炭になるわけですが、それはおよそ3億年前のベルム紀、石炭紀の時代に地上で隆盛を誇った『シギラリア(Tietea singularis)』などのシダ植物の木だそうです。そのシギラリアをはじめいろいろな太古の植物や生物の化石とかがネットで売買されています。非常に興味があるのですがこれは目の毒、ドンドン深みにはまってしまいそう~!
そのシギラリアは高さ30mに達するほどの巨木であったそうで、その頃の鬱蒼とした大森林を構成する巨大生物の1つであったと考えられているそうです。どうやってそれが分かるのかも分かりませんが、梢が二股に分かれているユニークな樹形をしていたらしく、いかにも太古の樹らしい姿です。幹の表面に六角形の模様が並んでいて、それが文書などを閉じる時に使われていた封印に似ている事から、『封印木(フウインボク)』の別名もあります。こういうエピソードにも惹きつけられる~!
この時代の大森林を形成していたのは、シギラリアの他には同じシダ植物の仲間である『レピドデンドロン(Lepidodendron )』や『カラミテス(Calamites)』といった樹があるのですが、レピデンドロンは高さ40m、直径2mにも達する巨木で、幹の表面に魚の鱗に似た菱形の表面構造が埋まっていることから『鱗木(リンボク)』、カラミテスは高さ10mにまで成長する巨大なトクサ(スギナ)の仲間で、巨大な節があり『蘆木(ロボク)』とも呼ばれています。恐竜やマンモスのDNA復元は常に話題になりますが、古代樹のそれに興奮を覚えるマニアも世に中には結構いるはず!
| 『生きている化石』という事で『メタセコイア』の事を紹介してきましたが、文字通り化石化してしまう手前で地上に現れた木が『神代木(じんだいぼく)』です。神の御代(みよ)の時代から土の中で眠り続けた木という意味で、神の時代の木として敬意を込めて『神代』の冠が与えられるのですが、その目安は500年とも1000年とも言われます。本来は、時間の長さだけでなくコンディションや杢目、色あいなど総合的に判断して銘木的な価値のあるものだけに付けられる由緒ある名称なのです。 | ![]() |
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専門的な銘木の世界ではそのように定義づけされるべき神代木ですが、【森のかけら】においてはその浪漫溢れる呼称や、土埋木という存在などをもっと知っていただきたいとの思いから、不遜ながら土埋木全般に対してその呼称を使わせていただいております。その性質上、欠品すればいつでも簡単に補充が効くといういうものでもありません。生えている木を伐り倒すというわけではなくて、地下に眠っている木を掘り起こすのですが、その多くは道路工事や河川の改修工事の副産物です。 |
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とはいえ一般的な感覚からするとかなり高額なものになるため通常は目にする事は少ない存在だと思われます。弊社にも旭川や秋田などで出土したナラやケヤキ、スギなどの土埋木があり、その一部を加工して『神代のかけら』にしています。板として在庫していても、何らかの需要があってカット落ちでも発生しなければ、大きな板を切ってかけらを作る事になってしまうため痛し痒しなのですが、弊社のようなゲテモノ系の材木屋でさえ神代木指定でのご注文にはなかなか巡り合えません。 |
木フェチの殿堂【森のかけら】ですが、消耗品というわけではないので一度購入されると、続けて後何セットという方は、ごく一部のマニアックな例外を除けばほとんどありません。最近はその例外が増えてきてはいますが・・・。基本はおひとり1セット(あるいは日本+世界セット)なので、ご注文いただく方の多くは『初めて購入する』ということになります。ずっとこればかりしているこちらとしてはどうしても慣れが出来てしまい、お取引の流れやお支払方法も分かってもらっているという思いこんでしまっている事があります。
まずこの【森のかけら】の開発コンセプトは『端材を捨てるのがモッタイナイというケチ根性と、世界中のあらゆる木を見てみたいという好奇心』です。端材を何とかもっと面白く素敵なものに変身させれないかというのが、この商品を作ろうと思ったきっかけで、基本は当社で発生した端材をベースとしているため、240種のかけらが常に全量揃っているわけではありません。端材が出た時仕上がりの催促無しというのが暗黙のルールとして、240もの選択肢の幅を拡げました。
その在庫状況を日々更新しなけらばならないのですが、それがすっかり遅れたり怠けたりして(なんせその状況は日々コロコロ変わっていくものですから)、「最新の在庫状況を教えてください」とご依頼されて最新リストを送らせていただいている始末。欠品を選ばれて、再度選び直していただいたら、それも欠品していたなんて手違いもあって申し訳ないと思いながらも、そういうやりとりの1つ1つが実は嫌いではなくて、見ず知らずのどこかの他人様と、【森のかけら】とい共通の話題で『会話』出来るのって楽しい!
昔は工務店さんとのルーティンワークで、決まったものをいつどこに持って行くのかという流れ作業のような仕事が主流でしたが、【森のかけら】ではどうしてこれを購入しようと思ったのかとか、私って今こんなものを購入しようとしているんですけど大丈夫なのでしょうか?なんてご自身の木フェチぶりを嬉しそうにご披露していただいたりと、ワンクリックでは買う事の出来ない面倒な購入のための手続きが、かけらや木材への愛を聞き出すことの出来る『往復書簡』のようなやりとりとして私の密かな愉しみとなっているのです。この男に反省の色なし!
昨日、【森のかけら】は香りよりも色彩に重心をかけているというような話をアップしましたが、それにはモノづくりの裏事情もありまして・・・。何のヒントも無い240種の無塗装の『かけら』を見分けるのは至難の技、いやほぼ不可能とまだ言いましたが、オイルを塗ったものであればもしかしたら世の中には見分けられる『かけら達人』がいるかもしれません。恥ずかしながら生みの親でありながら私にはそのような特殊能力が備わっておりません。ではどうやって240種もの木を見分けているのかという事ですが・・・
そもそも一度に240種の木を加工するわけではありません。長い時間の積み重ねで、それぞれの樹種を少しずつ加工してストックしています。在庫の少なくなった樹種を幾つかずつ加工していくのですが、荒加工する際は5~600㎜程度の板を割って40~45㎜角の棒状のものにするので、さすがに樹種は判別できます。材の判別は、全体の雰囲気、木目、質感、重さ、匂い等々少しでも「情報」が多ければ多いほど正確性が増します。問題は、その時いくつか樹種をまとめて加工に出すのですが似かよった材は一緒にしないという事。
荒材の段階では雰囲気が随分違って見えても、削ってしまうと判別できないようなケースも多々あるので、なるべく特徴や色合いの違う木をまとめるようにしているのですが、240種もあると欠品等の具合でどうしても似たような木が混じってしまう事があります。そんな時は判別も困難を極めます。まずは木目や質感、重さ、匂いなどを手掛かりにザックリ分けて、次にルーペで小口の細胞を観察。細胞から240種を識別するというわけではなく、裸眼で見分けのつきにくい2,3種の似かよった材の見極めをするため。
材木屋でもルーペや顕微鏡で小口を覗いた経験のある人って案外少ないのではないでしょうか。私は「かけら」の識別でしょっちゅうルーペを覗いていますが、専門の勉強をしているわけではないので、見分けるための記号的な意味合いで観察していますが、実際に観てみると思っている異常に個体差がハッキリと現れます。私は15倍のルーペを使っていますが、それでも充分細胞を堪能できます。カメラを通しても写せるか試してみたら、接写に強いGR(リコー)がその実力をまざまざと発揮してくれました!こちらは『カシワ』。
今まで自分の目を通して確認してきただけでしたが、写真で撮ってみると画としてもそれなり木の個性が現われていて結構面白そうなので、『今日のかけら』あたりでそれぞれの小口の写真も貼り付けてみようかなどと考えています。これをアカデミックに解説するだけの知識もありませんが、ちょっと深みにはまってしまいそうになるほど魅力があります。『かけら』を識別するための1つの手法からまた商品が生み出され・・・ミイラ取りがミイラになるとはこの事。まあ、そういう事をしながら今日もコツコツ『かけら』を仕分けしているのです。
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