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弊社が関わらせていただいている春先の恒例イベントといえば、異業種交流会・オレンジ会主催の『ほりえ港青空市』があり、今年で第9回を迎えます。5月16日(土)に開催されるのですが、残念ながら今回は父の法事と日程が重なってしまい、弊社は参加することができません。8年間も続けてきて、地元でも認知され根づいてきたイベントで、毎回弊社の『木の玉プール』や木の雑貨などを楽しみに来ていただく常連さんもいらっしゃる中で、非常に心苦しいのですが・・・告知だけでもさせていただきます。
かつては土、日の2日間開催しておりましたが数年前から1日のみの開催となっておりますのでお間違えのないように。午前9時から午後5時まで、小雨決行(開催が困難なような雨天の場合は、5月17日(日)に順延)。このイベントはそもそも会のメンバーの大濱タオルさんが単独で行っていた年に一度のタオルの廉価販売会に、オレンジ会が地元を盛り上げるためにそれぞれの企業の得意なものを持ち寄って相乗りさせていただいたのが事の発端ですので、メインは大濱タオルさんの『タオル詰め放題』!
朝の開始時間の随分前から、待ちきれなくなったお客さんが行列を作るというのも毎年見慣れた光景です。その光景を見ながら、リピートのある生活消耗品を羨ましく感じたものです。生産量日本一の今治タオルの恩恵を受ける愛媛県人にとって、タオルとミカンは買うものではなく貰うものという認識がありますが、この袋詰め放題を何度もされている方は、ご自宅用とは別にご近所ご友人に配られる用を分けてお買いになっているようです。まあそれぐらいお安くて人気があるという事。
そしてもうひとつの目玉は、㈱スリーキューブさん(旧中藤産業さん)の『家庭用品均一大奉仕』。洗濯、調理、台所用品などが50円~500円でお安くお買い求めできます。こちらもタオルに負けず劣らず大人気で、大きな鍋やら簾などを両手いっぱいに抱えたお客さんが行き交うの光景ももはや風物詩。地元の人間による地元が盛り上がる地域密着型イベントなので、参加できないのは本当に残念なのですが、是非沢山の方にお越しいただいて楽しんでいただきたいところです。
少し前の話ですが、『おとなの部活動』でいつもお世話になっているスギウラ工房さんの工房に所用でお邪魔させていただきました。一年以上も一緒に活動しているにも関わらず工房にお邪魔するのは初めて。松山、砥部、大洲、宇和、明浜とメンバーが広域にわたっている『おとな』では、各地域で会を開催しておりますが、集合しやすい場所、駐車場、参加人数の関係などもあって必ずしも各企業のオフィスで行っているわけではありません。砥部で会議は工房とは別の場所で行っていたので、以前から工房を覗いてみたかったのです。
所用の目的はいずれ改めてご紹介します。工房には杉浦夫妻が揃っていたのですが、そこには『おとなの部活動』ではついぞ見たことの無いほど真剣な表情で陶器の制作に取り組まれるWスギウラの姿が~!!かなり個性的なキャラクターが集う『おとな』では、それぞれの作る作品よりも、それを作る人間の方が圧倒的に際立ってしまい、本来重要視されなければならない作品がなかなか表に浮き上って来ない事もあって(まあ、それぐらいにキャラが立ってオモシロイという事)互いの作品を冷静に見る機会が多くありませんでした。
まあ我々のような零細企業にとっては、作り手のキャラクターこそがもっとも売るべきネタでありますので、それはそれでいいと思っているのではありますが、シンプルに砥部焼作りに興味もありましたので、忙しそうな中恐縮ながらも少しだけお話を伺いました。スギウラ工房では、「あやや」こと綾さんと「ふみふみ」こと史典氏それぞれ別のコンセプトで作品を作られているのですが、その日は急ぎの仕事が入っていたようでふみふみも健気にあややの作品作りのお手伝いをされていました。なるほどこいうやって作っていのか・・・
土と木という違いこそあれ、決して同じものが出来ない自然素材という共通の根っこを持つモノを原料とする者同士、相通ずるものはあります。ただ私の場合は、ものづくりといっても集材管理とアイデアを出して職人さんなどに作ってもらいストーリーを盛っていくというプロデューサー的な仕事なので、実質的なものづくりとは少し違うので、今まさに自らの手で無から形が生み出されていく瞬間を支配できるというのは相当に羨ましい作業なのです。ものづくりの神が降臨して憑依した時の恍惚の表情は何とも素晴らしいものです。
杉浦さんの工房には様々な作品がところ狭しと並べてあったのですが、その中でも私の好奇心を鷲掴みにしたのが、こちらの『雲を吹く謎の男』。正式な作品名は失念してしまいましたが、厚い唇を尖らせて無表情で一心不乱に息を吹きだしている姿は、雲を吹いているとしか思えません。こちらはふみふみの作品。それまでふみふみの作品は不思議な人形しか知らなかったため、てっきりあの路線1本を貫くストイックな作家なのかと思っていたら、こんな私好みの素敵な作品も手掛けられていらっしゃるではありませんか!雲をも動かす肺活量、この筋肉質の逞しいボディー、そして裸にトランクス一丁という姿に私は確信しました。戦いの前に控室で精神統一して心の中の敵を雲に見立てて吹き飛ばしている男の姿だと!そう、これは間違いなく『雲を吹く孤高のプロレスラー』なのだ!欲しぃ~!!!
サカエドラムさんのドラムは世界中のミュージシャンが愛用されてい て、世界でどういうミュージシャンが使われているかご紹介していただいたのですが、当日参加したメンバーの多くがそういう世界の音楽シーンとは無縁の者ばかり。海外でも販売が主流だったのが、最近日本でも販売するようになったという事で、我々のために分かりやすく日本で愛用されているミュージシャンもご紹介していただきました。ONE OK ROCK(ワンオクロック)、シシド・カフカ・・・残念ながらそれすらも分からない面々・・・え、分からないの私だけ~?!
ONE OK ROCKというバンドでは森進一と森昌子夫妻の長男がボーカルをしているそうですが、息子がいたとかミュージシャンだったとかすら初耳・・・。後日高校生の長女に話すと、知らないという事の方を驚かれましたが、もう少し視野も広げておかねば木の出口も広がらないと強く実感した次第。それまでドラムに使う木と言えば、メープルなどの広葉樹が主流でしたが、今回スギやヒノキなどの針葉樹を使う事になったのは、中田社長が井部健太郎君の考える『黄金の森プロジェクト』の考え方に強く共感共鳴したためです。
折角長い時間手間暇かけて育てた木が、安価な値段でしか販売されず、継続的な森林循環がおぼつかなくなる中で、材に付加価値を与え、誰にも無理や負担やストレスのない皆がHAPPYになれる出口を探そうというW3の構想にご理解をいただき、愛媛の木を使ったドラムが実現。今後安定的な生産を続けるに際しては、まだ改良しなければならない課題はあるようですが、当日飾られたドラムは実に誇らしく見えました。理念は理解できても、本来柔らかい針葉樹が果たして楽器の用材として使えるのかどうか?
音に関する専門的な知識は皆無ですが、楽器部材として木の収縮は正しい音を出すための致命的な欠陥になる事ぐらいは分かります。そのため収縮を抑え、材の強度をるための圧縮加工を行います。これはスギ、ヒノキのフローリングなどにも行われている技術です。まずはこの前提条件があって針葉樹がドラムの部材に使えるようになったのですが、敢えて手間のかかる加工を経てもなお、愛媛の木、W3の考え方を支持しようとしていただく中田社長にはただただ頭が下がるばかり。我々は敬愛の念を込め「師匠」と呼ぶことに・・・
この会議はただ単に楽器という出口を考えるというものではなく、こういう機会を通じて森の事や木の事、そして人のつながりの事などを考えていく、話し合いことこそが理解者、協力者を増やし、それぞれの中にそれぞれの黄金の森の構想を抱かせることにつながっていくのではないかと思うのです。世代が近いという事もあって初対面にも関わらず、師匠には夜遅くまで懇親会にもお付き合いいただき、非常に親密にお話をさせていただき感謝、感謝。師匠のお言葉は私の琴線も激しく揺らし、考えていた木の楽器造りにも火が点いたのです。
昨日の話の続きで、木や森を『経済価値』だけで考えるのではなく、『生命価値』の観点から考えると、途端に森が無限の可能性を持つとんでもない大きな資源であることに改めて気づかされるのです。それは緑のダムであり、美しい花が咲き競う舞台であり、どんぐりなどの収穫場であり、虫や鳥や獣の終の棲家、大気の巨大な循環装置、暮らしの様々な道具を与えてくれるドラえもんのポケット等々、それぞれの関わり方によってその恩恵は計り知れません。今更改めて言うような話ではありませんが、材木屋としては欠けていた視点。
今までの大木至上主義(主にスギ、ヒノキなどの建築用材向けの針葉樹)が崩壊し、新たな建築資材が台頭してくる中、先人たちが苦労して植えられた木に対して不平不満を言っても仕方がないので、考えるべきは新たな視点、物差しで森を考える事だと思うのです。大変前置きが長くなってしまいましたが、そういう観点で森や木をどう活かしていくか、いやどう使わせていただくかを考えようとしたのが今回開催された『音と森との交流会』。従来とは別の切り口で愛媛の木が楽器の部材として関わっていくことができないものか?
そのためにお招きした楽器の専門家がゲストスピーカーの㈱サカエリズム楽器の中田栄蔵社長。サカエリズムさんは1925年創業の老舗で、世界のトップ10に入るドラムメーカー。多くのドラムメーカーが海外に生産拠点を移す中で、MADE IN JAPAN にこだわり、80年以上の継承されて職人が作るドラムは世界中のミュージシャンに愛されています。井部君からは半年ほど前に、久万の木を楽器に使えるかもしれないので協力をという話をもらっていて、それから試行錯誤を重ねてようやく目途が立ち、そのドラムを携えて中田社長降臨!
井部君の呼びかけに集まった気に携わる仕事をする十数人の男女。その多くが愛媛木材青年協議会の現役会員とOBでしたが、その昔は建築素材にあらずんば木にあらずとまで言えばオーバーですが、建築部材こそが木の王道という時代があり、畑違いともいえる楽器用材にこれだけ関心を持つメンバーが増えたことも嬉しく思う一方、現状の深刻な事態が透けて見えます。さて司会進行は、W3の事務局を務める才媛・竹森まりえさん。井部君の挨拶の後、満を持して中田社長からまずはドラムについて、楽器と木についてのお話。この話更に更に明日へ・・・
昨日紹介した『W3-C』で開催された『音と森との交流会』。井部健太郎君とは数年前から一緒に木材の新しい出口を探してきました。【森のかけら】などを通じて、従来の建築材・家具材以外の新しい森の出口を作って行こうと試行錯誤していた私と、従来の林業経営に疑問を抱き、自分らしい、久万の山らしい持続可能な林業が出来ないものかと模索していた井部君の方向性が重なり、幾度となく話をしてお互いの出口を確認したりアドバイスし合ったりしてきました。長い時間をかけて構築されたのが『黄金の森プロジェクト』。
それは単に林業とか自分の所有する山の事を考えるのではなく、山を取りまく自然環境全体、ひいては町やひとなどコミニュティ全体の事を考えて、自分がする事が全体のプラスになる方向に向かう事。数十年という長い時間をかけて行われる林業は、カイワレ大根のような即席栽培とは違い、数十年の間に激変するであろう経済事情やライフスタイルにすら耐えていかねばならない宿命にあります。しかしそれは翻れば流行に流されない絶対的な普遍価値を持ち、万人に受け入れられる素晴らしい資源でもあるという事です。
その森が成長する長い年月、それを見守るひとはどう成長してきたのか?戦後植林された木は70年という歳月を経て、立派な大木に成長して今まさに実りの収穫を迎えようとしています。しかし現状は、植林した先人達の願いとは少し違う状況にあります。立派な大木を育てれば付加価値がついて高価な値段で取引されるという暗黙のルールは、人口減少による住宅着工数の激減、CLT(Cross Laminated Timber)などの技術開発により必ずしも大型物件に大木が必要とされなくなりつつ中で、大木至上主義は崩壊しつつあります。
『大きな木は小さく加工できるが、小さな木は大きくできない』というのが大木至上主義の根幹をなすものでしたが、それはあくまでも大木が必要とされ、そこに価値が見出されていることが前提でした。そこには供給と需要のバランスがあり、希少な広葉樹においては今でも広葉樹では大木至上主義は生きています。大木だけでなく、かつて永遠に継続されると思っていた住宅分野における木の価値観(特に構造部材)は大きく変わりつつあります。その中で材木屋が木に対する価値をどういう風に作っていくかという事が大切になります。
私は木の価値には2つあると考えています。上述したのが『経済価値』と考えるならば、時代や経済状況いかにが変化しようとも決してぶれるこのとないのが生命に対するピュアな『生命価値』。数十年も生きた生命に対する敬愛の念であり、大きなる物に対する畏怖の念、それは貨幣価値ではなく地道に時間を重ねた日々の中で生まれてくる感情。それは時代が変わろうとも決して変わる事のないひとの生き方、付き合い方、繋がり方とも共有するものです。その物差しで森を考える事は生き方そのものを考える事に繋がっていきます。更に明日へ・・・
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