森のかけら | 大五木材


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北陸かけら紀行が予定していたページ数をはるかに超える事態となってしまったため、こんな時期になってアップしていますが、あくまでも2016年6月に開催された日本木青連の全国会員福井大会前後の話です。では、福井県あわら市の駅前でご当地が舞台の競技かるた漫画『ちはやふる』と思わぬ出会いをした後、忙しい中駅までお出迎えにきてもらった圓道忠雄君の車で一路『エンドウ建材』へ移動。以前には弊社にまで来てもらったこともあって、いつかお店にお邪魔させていただかねばと思っていてようやく念願叶いました。

そもそもは普通の建材店だったそうですが、前代亡き後、事業継承した圓道君が一念発起、建材店のルーティンを打ち破り、全国のこだわりある製材所を訪ね歩き、自分が納得した無垢の内装材を直接施主に見せて販売していくための無垢材のショールーム『えんぎや』をオープンさせたのはもう数年前の話。私と圓道君との出会いはそれから遡ること更に数年前。【森のかけら】がご縁となって福井と愛媛が繋がりました。事務所には、『森のかけら36、100』と並んでシリアルナンバー入りの『プレミア36』が鎮座ましましてございます!

オフィスの床面、壁面には所狭しと、圓道君お薦めの無垢のフローリングが、無塗装とオイル塗装の2バージョンで整然と展示されています。圓道君自体は2代目ですが、こういう無垢路線に方向転換したのは圓道君のハンドリングです。それまで各地の製材所とのルートや付き合いもなかった中でここまで種類を揃えるにあたってはかなりの苦労もあったはず。弊社でも20数年前に同じような舵取りをしてこちらの路線に切り換えましたが、まだそういう流れが出来てなくて東奔西走したのを懐かしく思い出します。

その当時に比べると、全国各地の無垢のフローリングを集めるについても随分と理解が進んだとは思うものの、過去の蓄積が無い中でのスタートだったので、誰が作ったどの商品を選ぶかについては相当に頭を悩まされたことと思います。最近では地元のメディアでも取り上げられ、遠方からもお客さんが来られるようになったとかで、早くも撒いた種の刈り取りが出来ているようで、それはひとえに圓道君の地道で熱心な取り組みによるものだと思います。近隣で同じ路線の店が無いということも追い風になったようです。

こういうショールームってお金さえかければ出来るものですが、大切なのはその器の中で誰が何を語るかということ。とかく器さえ完成すれば、勝手にお客さんがやって来ると勘違いする人が多いのですが、そんな打ち出の小槌があるわけなくて、中身が伴わなければ器が泣くというもの。なまじ器が立派であれば、お客さんを憤慨させかねません。最近弊社では、ショールームスペースがドンドン木のおもちゃに占領されつつあるのですが、まだ木の香残るえんぎやショールームで、出来立ての頃の弊社のショールームの姿を懐かしく思い出しました。




漫画『ちはやふる』の話を出しましたが、漫画のタイトルとなっているのは、小倉百人一首の撰歌「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくる」に基づいています。意味は、「世の中には不思議なことが多いものだ、神様が治められていた昔の時代にも、聞いたことがない。紅葉の名所である竜田川では、紅葉を散らして鮮やかな紅色に水を≪くくり染め≫にしているとは。ということらしく、≪くくり染め≫というのは、布を染めるための絞り染めという技法の事。つまり川の水が紅色に染まるほどの紅葉を表現しています。

作者は、非常に美男子で『伊勢物語』の主人公だとされている、『六歌仙』のひとりである在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)。漫画の作者である末次由紀氏は、漫画のタイトルの由来を、「本来は≪勢いが強いさま≫を表す、≪ちはやふる≫の意味を知った主人公が、それをかるた競技の中で体現していく物語なのだ」というような事を仰っています。紅色に染まるその情景を思い浮かべながら材木屋である私が気になったのは、その句の中に『紅葉』と『神代』という2つの木に関係するキーワードが含まれている点。

『紅葉』はさておき、気になるのは『神代』という言葉。在原業平朝臣の句では「かみよもきかず」と、神代を「かみよ」と読ませていますが、材木業界では「じんだい」の方が通ります。意味は同様に「神が治めていたほど悠久の昔の時代」ということで、昔に地中深くに埋もれてしまった土埋木(どまいぼく)の中でも、品質のいいものに冠せられるプレミアな言葉です。今では土埋木全般に対してその呼称が使われるため、いいものも悪いものもごちゃまぜにして神代と称せられて、ややプレミア感が薄れてしまっていますが。

そういう私自身も【森のかけら】では、『神代』を乱発し過ぎで申し訳ないと思っているのですが、一般の方に太古の浪漫を感じてもらうための分かりやすい入口として、あえてインパクトのある『神代』という言葉を使わせていただいています。【森のかけら】では、ケヤキ、スギ、タモ、ナラ、ニレ、ホウの6樹種について神代の冠を付けさせていただいています。その中の5種類を揃えた『神代の5かけら』は、マニアに喜ばれています。『ちはやふる』の話を書いていて、木はどういう形からでも絡んでいける稀有の存在であることを確信




ちはやふる』は、末次由紀による競技かるたが舞台の少女漫画です。2008年から連載が始まり、コミックの累計発行部数は1700万部を越える人気漫画で、後にアニメ化されたり映画化されたりしています。私自身は、少女漫画趣味があるわけではないのですが、高校3年生の長女がこの漫画にどっぽりとはまっていて、自分自身のバイブルのように愛読していまして、絶対面白いから是非読んでと強く勧められていました。それでも少女漫画に抵抗があって拒んでいたものの、しぶしぶ読んでみたらこれがオモシロイ!

少女漫画というと、こぼれ落ちそうなキラキラした瞳の主人公が、ドロドロした三角関係の中で愛だの恋だの語ったり、悶々と独りで悩むというようなイメージしかなかったのですが、『ちはやふる』は競技かるたというマイナーな題材を中心に据えて、そこでクイーンを目指す少女・綾瀬千早が主人公で、小学校時代に協議かるたに目覚めた女1人と男2人の不思議な友情を軸に、成長する彼らの姿が生き生きと描かれています。私は競技かるたについてまったく知識がなかったのですが、これが驚くほどにスポーティ!

千早たちが小学生から高校生に成長していく青春物語であるものの、途中までは愛だの恋だのはほとんど無縁で、ひたすらに競技かるたが激しく躍動的に描かれていきます。団体戦は五人一組で戦うのですが、とても私たちがイメージするかるたとはかけ離れたスポーツ競技!次々と新たな強敵が現れ、多くが対決シーンに割かれ、その戦略や戦術も含め、勝利への執念やチームワークなど、ほとんど梶原一騎の熱血スポーツ漫画の世界。まあ確かにこれは面白い、ついついコミックを読み進めてしまったのです。

千早たちが学校生活を過ごす舞台は東京なのですが、そこに福井県からかるた好きの少年・綿谷がやって来ます。彼に「自分のことでないと夢にしてはいけない」と諭され、千早はかるたに覚醒していくのですが、高校生になると綿谷新は福井に戻ることになり、東京と福井を行き来する話となるのです。そこで綿谷新がバイトをしていたのが、福井県あわら市の駅前の本屋さんということで、もともと協議かるたが盛んであった福井県で一気に『ちはやふる』ブームが沸き起こって、ファンたちが訪れる聖地となったのです。

実際に、福井では全国大会での優勝者や名人を輩出していて、「かるた王国福井」とも呼ばれているそうです。私自身はどっぷりはまっていたわけではないのですが、長女のために何か関連するお土産でも買ってかえってやろうかと思って、その「本屋」にも入ってみたものの、空き店舗を利用して本屋という設定のセットで、以前はアンテナショップとして関連グッズなども販売していたそうですが、その時にはただ漫画や映画の資料等が展示されているのみでした。それにしてもここで、『ちはやふる』との思わぬ邂逅に感激。これもご縁。




さあ、これで長かった石川県の『木と森とアートの旅』も遂にとうかとうとう終了。ここから先は福井県に入ります。改めて書いたブログを振り返ってみれば、ここまで最長の64日を費やしてきましたが、これがなんと驚くなかれ2日間(実質1日半)の内容なのです。いかに石川という地が私にとって魅力に溢れかえっていたのかを思い知らされました。全体の行程からいえば、これで2/3が終わったところで、まだこれから福井県で残りの1/3のエピソードが繰り広げられるわけです。厳密には石川にもう一度戻ってくるのですが・・・

そろそろこの旅が永久に終わらないのではないのかと心配されている方も出て来られているようなので、一応この後の行程を説明しておきますと、ここから電車で福井県あわら市に移動。そこで、エンドウ建材さんに訪問して、近くの美術館を訪ねて、夕方に福井市で開催されている木青連の大会に参加(懇親会に参加が正しい)。そこで恒例の全国の会員との交流があり、翌日朝から恐竜博物館、そしてそこから再び石川に戻って『もく遊りん』に2度目の訪問でファイナルという流れ。

ということで、ようやく福井県に移動。あわら温泉で有名なあわら市は、2004年(平成16年)に芦原町金津市が合併してできた市で、人口は3万足らず。【森のかけら】の福井県大使・エンドウ建材の圓道忠雄君のいる町なので、ファックスやメールのやり取りでその名前はよく知っていたものの、どういう市なのか全然知りませんでした、駅に着くまでは。あわら市に電車が滑り込み、改札を抜けるとそこは愛媛の田舎のような閑散として駅前の風景が広がってて、そこに不似合いとも思えるアニメキャラののぼりが・・・。

実は最初見たとき、今どきの「ちょっと痛い地元起こしのアニメキャラ」ののぼりだと思っていました(失礼)。ところが駅まで出迎えに来てくれた圓道君からその名前を聞いてビックリ。そう、そののぼりに描かれていたのは、人気女性漫画『ちはやふる』のアニメのキャラたち。ここあわら市こそは、漫画の舞台となった場所、ファンにとっての聖地だったのです!いや、私は別にそういう女性漫画を読むという趣味があるわけではなくて、うちの18歳になる長女が大好きで愛読していて、私にも読むようにと強く勧められていたのです。続く・・・




館内にはエッジの立った作品がズラリと揃っていたのですが、撮影禁止のものもあれば、私ごときが取り上げるのも恐れ多いビッグネームの作品もあり、個別に取り上げてコメントまでは致しません。まあ中には、「どうなん?」という作品もありましたが、自分の感覚で素直に楽しめるものだけ楽しませてもらえばいいと、駆け足になったりじっと凝視したり、木のものづくりのヒントもいただいたりと自分なりに楽しませていただきました。ところでアート鑑賞と並んでもうひとつの目的はミュージアムショップ

ミュージアムショップって、美術館や博物館の楽しみのひとつでもあると思うのですが、昔はお土産を選ぶ場所でしたが、【森のかけら】を作ってしばらくしてから、いつかはそこで自社の商品を置いていただくにはどうすればいいのかなんて事を考えるようになりました。そう思い始めたのは、高知県の『高知県立牧野植物園』でミュージアムショップに行った時でしょうか。植物園ということで、花や植物にちなんだ商品も多数並んでいて、自分用にあれもこれもと買い漁っていたら、ここに【森のかけら】あったら売れるんではなかろうかと!自分がそこのあるものどれもこれも欲しいと思うぐらいなんだから、自分と同じような趣味嗜好のひとだって少しはいるのではなかろうかと。でもさすがにその場でいきなり店員さんに売り込むほど野暮ではありません。

こういうものってタイミングがあるのと、細くてもいいから何かわずかなご縁とかにすがるほうがいいかなと思っていたら、ズルズルと時間が流れてしまいました。まあ、その当時はまだ【森のかけら】ぐらいしか商品ラインナップがありませんでしたので、もう少しお手軽に購入できるものが出来てからなどと考えていたら、光陰矢の如し。やはり、そうなりたいとか、そうしたいと日頃から常に強い気持ちで願っていないと願望って実現しないもの。その後、ワンコインで買える商品も少しずつ増えてきました。

そういうこともあって、展示作品以上に気になっていたのがミュージアムショップ。さすがに商品ラインアップも洗練されていて、視察のつもりがすっかりお客さんになってしまい、両手に余る買い物をしてしまいました!私の場合、作った商品については消費者となるべく直接会話をして売りたいという思いが強すぎて、委託販売に馴染まないという根本的な性格的欠陥があって、そもそもが問題なのですが、それって商品に対して過保護、つまり子離れならぬ商品離れができていないということなのかなあと悩み尽きまじ。




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