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本日も『ホオ(朴)』の木の話。ホオの英語名は、ジャパニーズ・アンブレラツリー、あるいはジャパニーズ・キューカンバー・ツリー、ビッグリーフ・マグノリアなどと表すそうです。思うに、朴の木のどの部分に注目するかによって名前が変わっているように思われます。例えば図鑑などで比較的よく目にするジャパニーズ・キュウカンバー・ツリー(japanese cucumber tree)の表記。キューカンバーというのは言わずとしれたキュウリの事ですが、まさにこの果実の形から。
アンブレラツリーというのは、文字通り大きな葉が垂れ下がって茂る様子から。まさにその形は「森の傘」!そして、この大きな葉の形から付いたのがビッグリーフ・マグノリア(モクレン科の大きな葉の意)。マグノリアというのはモクレンの事ですので、ホオをはじめ、オガタマやコブシ、ハクモクレン、タイサンボクなどモクレン科の木の英語名に付く事が多いようです。果実の形で見るか、葉の形で見るかによってその表現も変わってくるのは洋の東西を問わないようで。
マグノリアといえば、昔(1989年)、『マグノリアの花たち(Steel Magnolias)』という映画がありました。『グッバイガール』の名匠ハーバート・ロス監督の作品。アメリカ南部の町ルイジアナを舞台に、固い友情で結ばれる女性たちの群像劇で、興味はあったものの、サリー・フィールド、ドリー・パートン、シャーリー・マクレーン、ダリル・ハンナ、オリンピア・デュカキス、ジュリア・ロバーツというひと癖もふた癖もある女優陣の顔ぶれにすっかり腰が引けてしまい、結局観ずじまいだったのですが、そのタイトルだけが頭に残っていました。タイトルのマグノリアは、映画の舞台でもある南部を代表する木に由来しています。ここで言うマグノリアは、ホウの事ではなく、同じモクレン科のタイサンボクの事を示しています。それからおよそ10年後、再び『マグノリア』の名前を冠する映画が公開されました。その名もずばり『マグノリア』!
こちらは、ロサンゼルス郊外のマグノリア・ストリートに住む12人の人々に起こる出来事。町の小さな美容室に集まる男女6人の出来事を描いた群像劇で、出演者もトム・クルーズ、ジュリアン・ムーア、フィリップ・シーモア・ホフマン、ウィリアム・H・メイシーなど渋い主演役者が揃っているのですが、何せ上演時間が3時間超え・・・!こちらも結局未見に終わっています。このタイトルのマグノリアは、舞台となるサン・フェルナンド・バレーの「マグノリア・ストリート」に由来しているそうで、特別に深い意味があるわけではないそうですが、どうもマグノリアのタイトルの映画とは縁が無いようです。特別な意味が込められているわけではなくとも、それぞれ群像劇をマグノリアの早熟な花が葉の前に現れる姿に見立てたのでしょうか。ちなみにミシシッピ州は、州内にタイサンボクが多いことから、タイサンボクの州 (Magnolia State) という愛称があり、ミシシッピ州の州の木であります。
本日は9月の誕生木『ホオ(朴)』の木の名前の由来などについて。昨日、地域によっては『ホオガシワ』とも呼ばれていると書きましたが、そのあたりにこの名前のルーツがあるようです。万葉集においては『ホホガシハ』の名前で詠まれています。それによると、既にその頃からホオの葉を酒の杯としていたという習慣があったようです。古来より、食物を盛るための器として使われた大ぶりの葉の事を総称して、カシキハ(炊葉)と呼んでいたようで、これが転じてカシハになったのだとか。
つまり、古来カシハを名乗る植物の大部分が、その葉で食物を盛るのに用いられたのではないかという説。では、ホオの語源はどこにあるのか?昔から日本ではホオガシワの漢名として『和厚朴』という名前が使われていました。ホオの樹皮は薬剤の原料とされますが、中国におけるホオ(厚朴) に対して、日本の固有のものを示す和がつけられ和厚朴とされていたらしいのですが、この厚朴の漢音hou-poから転じてホウとなったという説、『あるいは厚朴の音なるやも知れず』。
また音感からではなく、ホウノキの葉がより合わさって物を包む様子を頬懸(ほほがけ)に見立ててホオとなったとか、開花する数ヶ月も前から枝先に冬芽をつけて長い時間過ごすのですが、その状態を形容した古語「ほほまった」から転じたのではなど諸説あるようです。個人的には最後の「ほほむ」説を支持したいところです。全国的にみてもホオの方言名は種類が少なく、せいぜい「ホウガシワ」か「ホウバ」程度ですが、食物を包む習慣は全国的に残っているようです。
ホウの木の葉が使われるだけでなく、その炭は「朴炭(ほうたん)」と呼ばれ、金属や漆器の研磨には非常に重要で珍重され、乾燥した樹皮には芳香性のある油分が含まれる事から薬剤の原料とされています。種子からも油が取れ、アイヌ民族は果実を煎じてのみ、食後の清涼飲料としていたとか。厚みのある花弁は食用ともなり、つぼみは焼酎に漬けてリキュールが作られていたそうですから実に無駄のない木です。材は墨がにじみにくい事から卒塔婆などにも利用されています。さらに明日に続く・・・
以前にもこのブログで紹介させていただきましたが、材木屋から材木以外のモノを買おう(引き出そう)という勇気あるひとりの人との出会いによって新たな展開が生まれました。それが兵庫県明石市で、『自然素材を五感で感じる家作り』を標榜される渡辺喜夫社長その人。渡辺社長は設計士でもあるのですが、木に対する造詣も深く、木材をただのマテリアルとしてではない視点で捉えられていて、互いの木の物語観に大いに共感し、12ヶ月の誕生木を作る事に。
木にまつわる各種のエピソードや逸話は沢山あり、『今日のかけら』でも紹介しています。 そのエピソードを晴れ舞台や結婚、出産、引越しなどのTPOに合わせたものが『木言葉書(きことのはがき)』という商品です。それを12ヶ月の月に合わせて、ご自身やご家族の誕生月にゆかりのある樹が持つ特徴や意味を知って、家造りや家具造りに活かせないというのが狙いです。折角なら「何の木でもいい」じゃなくて、「意味や縁がある木」が楽しいじゃないですか。
12ヶ月の季節感や行事などにちなんだ木をセレクトし、『木言葉』を添えて『誕生木(たんじょうもく)・12の樹の物語』が完成しました。この『誕生木』は、住空間設計Laboさんのホームページでご覧になれます。それぞれの月の木の特徴、木の物語、使用例を書いています。例えば8月に家を建てた方は、その家の誕生木である『ケヤキ』で、床柱や囲炉裏などに使うとか、表札や家具にしてみはいかがでしょう。材の適正を考え、使用例や使用場面を提案しています。
その木を見るたびに、家の生まれた日の事を考えるのではないでしょうか。誰にも誕生日があるように、大きな夢の結晶である家造りにも1軒1軒誕生日があります。そこに誕生木の思いを重ねる事で、家をいたわり、手入れに励もうという気持ちも生まれるのではないかと思います。12の木の選択については異論もあるでしょうが、ただの象徴としてではなく具体的にその木で身近なものに加工できたり、使えるという実用性を重視してセレクトしています。
木は五感で感じることの出来る素材です。ならば尚更手の触れる身近なところで使ってこそのもの。『誕生木の木のもの』を日頃から使える実用的なものにする事で一層、木や家への愛着も湧くのではないかという思いで考えました。こういう形で少しでも木の事に関心を持っていただければありがたい限りです。誕生木にご興味のある方は、是非Laboさんにご相談下さい。また弊社としても誕生木にちなんだ商品開発に取り組んでいるところです。ご期待下さい。
★ 「誕生木・12の樹の物語」は、㈱Laboさんにより商標登録されています。
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