
当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。
| しかし人間の皮膚感覚はたいしたもので、日々仕事をこなしているうちに硬い木は硬いなりに、軟らかい木は軟らかいなりに力の加減が調整できるようになり、今では50種近い樹種でスタンドを作らせてもらっています。多樹種を扱っている(量はそれぞれ恥ずかしいぐらいちょっぴりなのですが)とはいっても、日替わりでそれらすべての木を加工したり販売しているわけではありません。【森のかけら】という出口があるお陰でいろいろな種類の木を扱う必要がある、という錦の御旗を掲げられるもののその出口は驚くほど小さいのです。 |
 |
 |
一度加工すればそれだけで数か月は触ることがないし、そのすべての工程を自社で行っているわけではないので、加工してみたらこの木はこういう感じだったとか、思ったより軟らかくて削りやすかった、交錯木理で大変だった、匂いが刺激的だった等の皮膚感覚に基づく話が出来ないのが悲しいところ。私自身が特別な技術を持ち合わせていないので仕方のないところですが、やはり実体験が伴わないと情報に力も説得力もありません。現場で体験した生きた言葉で木を語る事こそが材木屋の使命。 |
| そういう観点からも、小さなものでも大量に特定の樹種に触れる(加工する)機会のあるこのスタンド製作の仕事はありがたいのです。こういう仕事がなければ、タタジュバやバスラローカス、ダリナなんて業界ですらほとんど知られていない木を何時間も何日も、それも何度も何度も削ったり磨いたりする事もなかったと思います。素材で売ってしまうと、その木の特徴すら実体験する事がないので、ケチ根性の塊の私としたらそれは非常にモッタイナイ話なのです。やはり扱う以上は骨までしゃぶり尽したい! |
 |
 |
カレンダーをスリットに差し込んだ時に、スタンドが軽すぎて傾いてしまうようではいけないものの、ある程度の重さがあれば樹種は任すという条件にしていただいたので、家具や造作の用途ではなかなか声のかかりにくい木たちの大切な『出口』となったのです。大きな用途では数が揃い切らない材や、サイズ的に使いにくい木たち絶好のチャンスとなったのです。卓上カレンダーをご注文いただくと、これら50種を越える樹種の中からランダムに1個が選ばれてカレンダーに同封されて送られてくるシステム。明日に続く・・・ |
| 『TOLOT』さんの話の続き・・・弊社での作業工程としては、板材を加工して斜めのスリットを入れて短くカット。それから面を取って、その面を綺麗に仕上げ磨きして、最後に植物性オイルで塗装までさせていただいています。この中でもっとも手数がいるのが、仕上げの磨き作業です。その部分を近くの授産所施設などにお願いしてお手伝いしてもらっています。当初は2,3の施設でやってもらっていたのですが、注文数が増加するにつれてその数も徐々に拡大していき、今では10を越える施設に参加してもらっています。 |
 |
 |
授産施設さんとのお付き合いは長くて、まだ私が愛媛木材青年協議会に所属していた頃、絵本の『どうぞのいす』を作って幼稚園や小学校などに配ろうという企画があり、その製作をお願いして以来のお付き合いです。その後は、『円い森』や『森のしるし』などの仕上げ作業も手伝ってもらいました。しかしどれもが短期間の限定的な仕事でした。授産所施設側としては、出来れば長期的に継続する仕事(年間通じて)がある方がいいのだと思うのですが、そういう仕事を作り出せれていませんでした。 |
| そういう意味でもこの磨き作業はうってつけの仕事となりました。口コミなども通じて受けていただく施設が増えてくると、今度はこちらから渡す品が足りなくなり、それを間に合わせるためにまたこちらも生産量を上げる方法を作り出しました。やはり必要は発明の母!人間追い込まれないといい知恵は浮かんできません。機械を改良したり、工程を見直したりして、当初は達成することなど不可能と思われていた数字をクリア出来るようになっていったのです。人間本気でやればできない事は無い! |
 |
 |
ところでその樹種についてですが、当初はナラやメープル、ホワイトアッシュといった弊社で発生しやすい端材が中心でした。手作業の工程が多いため、あまり頻繁に樹種が変わると硬さや重さが変わるため、微妙な力加減に狂いが出たりしないかという心配があったからです。弊社では200種を越える樹種を扱っていますので、一日のうちに10種類近い材を加工するなんてことも珍しくありません。それらが混ざり合った『モザイクボード』などでも、多樹種混合加工のノウハウは多少はあるつもりです。明日に続く・・・ |
| さてそのTOLOTさんですが、スマートフォンで撮影した写真を専用のアプリケーションを使ってA6文庫本サイズの64ページのフォトブックを作られているのですが、それがなんと全部込みで1冊500円!独自のノウハウでこの驚異の価格を実現させて、その会員数は2015年時点で150万人を超えていたという事なのでなんとも凄まじい!フォトブックをはじめいろいろな商品を作られていらっしゃいますが、その中に卓上カレンダーがあります。その卓上カレンダー用のスタンドを弊社にご注文いただきました。 |
 |
 |
カレンダーが倒れない程度の重さがあれば樹種は問わないという事でしたので、小さく加工しても木の質感が伝わりやすい広葉樹で作らせていただくことにしました。それまでは紙のスタンドでしたが、全面的に木製に切り替えていただくことになりました。それがこちら。最初お話をいただいた時に軽い気持ちで受けてみたものの、実際作ってみたらこれが意外と大変!それまでそういった細かな作業を年間通じて計画的に作るなんて仕事を受けたことがなかったので、どれぐらいのペースでどう作るか試行錯誤。 |
| こういう新しい仕事はとりあえず受けてみて、やってみながら考えていこうという主義なので、端材の有効利用にもなると思ったのですが、とにかく人の手が関わる工程が多くて、ひとつの作業が終わると次の作業にうまく引き継げず、そこでモノが溜まってしまい流れが停滞。どういう流れで誰がどの工程を受け持つとスムーズなのかを見つけるのだけでも数か月かかってしまいました。当然専用の器具があるわけではないので、それぞれの工程でそれぞれが自己流で工夫を加えて少しずつ流れが改善。 |
 |
 |
ほぼ半年以上かかって、大まかな流れが確立。それでも工程が定まっただけで、まだまだ目標の量をこなせる状況ではありませんでした。社員全員で誰がどの工程を受け持つのかパートを分担。私は途中の面取りの工程を担当したのですが、そこが常に「溜まり場」となってしまっていたので、専用の器具を製作。他の工程でも「使える機械」との巡りあいもあったりして、飛躍的に生産量がアップ。最初の半年ぐらいは目標数にまったく達しなかったものの徐々に量が増えていきました。作るって楽しい~!明日に続く・・・ |
| 昨年ご縁をいただいて現在も取り組まさせていただいているのがこちら。名刺の半分ぐらいの小さな四角い木片。片面には斜めのスリットが入っています。これが何かというと、卓上カレンダーを立てかけるためのスタンドです。東京都江東区に本社を置く株式会社TOLOTさんが制作されている卓上カレンダーの付属品で、昨年よりご注文をいただき弊社で制作させていただいています。期間限定の商品でないので、年間通じてずっと作らせていただいていて、『端材の王国』としては実にありがたいご縁なのです! |
 |
 |
株式会社TOLOTさんは、東京都江東区に本社を置く、写真印刷サービス、ソフトウェア開発を行う会社ですが、2011年からはスマホで撮影した写真を専用のアプリケーションを使ってフォトブックの印刷・製本サービス『TOLOT』を提供されています。もともとは社長のお名前(末松亜斗夢社長)を冠した「株式会社アトム」という企業名でしたが、現在は株式会社TOLOTに社名変更されています。このお話をいただいた際に末松社長もわざわざ弊社にまで足を運んでいただきました。その時お会いしてビックリ! |
| お会いする前に会社のホームページで社長の名前を拝見していて、手塚治虫先生がだいすきな私は、てっきり『鉄腕アトム』から名前をもらって『亜斗夢』という名前をつけられた、私よりもずっとお若い世代(父親がアトム世代かと)の社長だと思い込んでいたのです。自分の名前が変わっているのでついついいただいた名刺の名前がとても気になるのでいろいろ詮索してしまう癖。お会いしたら私よりも年上で!?初対面で失礼かなと思いながらも気になっていたので、お名前の由来をお聞きしてみました。 |
 |
 |
そしたら漫画の鉄腕アトムではなく、日本で初めて原子力発電が行われた年にお生まれ(だったかその関連だったか記憶曖昧ですが)になったので、原子を意味するアトム (atom)に由来するという事で、名前の由来に漫画を持ち出した私は大恥をかいてしまいました。よくそんな事を尋ねられるのかもしれませんが、末松社長は優しく笑い飛ばしてくださいました。そこでついでにもうひとつ気になっていた社名についても、どういう意味なのかお尋ねしました。株式会社TOLOT(トロット)。 |
| 聞いてみたくなるのも仕方ないでしょう。私も商品名をつける時には無い知恵を必死に絞り出して考えますが、名前ってすべてがそこに集約されると思っているので、命名の由来や背景などを知ることで、そこに込められた思いやメッセージなども類推する事が出来ると考えています。なので仕事をさせていただく前段階で是非聞いておきたかったのです。答えはシンプルでした。末松社長の出身地の九州の方言「~っと」にちなんで、「写真を撮ろうっと」→「撮ろっと」→「トロット」→「TOLOT」。名は体を現す!続く・・・ |
 |
| さて話を『サイカチ』に戻します。 ZUCCHEROさんがの千舟町に移転されたのが2016年ということなので、早いものでもうあれから3年。お店には植物に囲まれたテラスがあって、そこに置く一枚板を探しに大川 聡司社長とスタッフの皆さんが来られました。料理にもこだわれているだけあって、店に置くテーブルにもこだわりがあって、あれこれ悩んだ結果選ばれたのがこの二股のサイカチでした。ご要望でしたので、変形の二股の形に合わせて別注で足を製作。耳の形を豪快に生かした仕上げとさせていただきました。 |
 |
| 今回もテーブルを加工してくれたのは、お馴染みの『ZEN FURNITURE』の善家雅智君。実はこのテーブルのご注文をいただいた時に家具の仕事がかなり混み合っていて、納期がギリギリだったのですが、そこをどうにか間に合わせてくれるのが善家マジック!絶大な信頼を置いています。無事納品もさせていただき、仕上がりも気に入っていただきました。早速お約束の機縁写真。たまたまですが、ZUCCHEROさんのシェフの角藤正輝君(写真奥)は、同郷の高校の後輩(西予市野村町)で、数珠つなぎにご縁がつながっています。 |
 |
 |
ご縁といえば、後日お客さんとしてお店にお邪魔した時に、山田さんとの仕事の絡みで来県されていた、世界を股にかけて活躍されているチェンソーアート作家の城所ケイジさんご夫婦もお店に来られて久しぶりにお会いしました。相変わらずエネルギッシュで精力的に各地で活動されています。城所さんの作品も松山でもいくつか見ることが出来ます。一緒にお食事したのは数年前の事、あれから城所さんのホームグランドである和歌山県田辺市の龍神村に行こう行こうと思っているのですが未だ叶わず。 |
| という事で一枚の板にもいろいろなご縁が結びついていますが、小さなご縁も大事にしてないと縁が遠ざかっていってしまいます。大切に小さなご縁を育てていかねばならないと思っています。別の飲食店などでも、オーナーがこういう変形の耳の形に惚れられて、かなり形が個性的な面白い一枚板のテーブルを作らせていただいたことがあります。見た目の面白さを優先しすぎて、お客さんが座って食事するには使いにくいのではなんて、やり過ぎ感をちょっと後悔されたりする事もあったりしましたが、実際は変わったところに座るお客さんが多くて心配は杞憂に終わります。結局変わったテーブルに惹かれるお客さんは、その変わり具合が好きなのであって、実用性よりも好奇心が勝ってしまうのだと思います。個性的な店には個性的なテーブルがあって、個性的なお客さんがやって来るというのが私の結論。 |
 |
Restaurante BAR Zucchero(ズッケロ)
愛媛県松山市千舟町4-5-3 上田ビル 1F北側
営業時間 18時00分~0時00分