当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。
家を建てる材料の中に、天井と壁の取り合いに用いられる部材に『廻縁(まわりぶち)』と呼ばれる造作材があります。言葉で説明するよりも実物の写真を見れば、「ああ、あれか」と理解されると思います。私がこの業界に入った頃は、松山においては廻縁といえば圧倒的にヒノキが主流で、借家などだとスギ、あるいは米栂(ウエスタン・ヘムロック)でした。そしてそれは1軒の家には必ず使われるモノであって、私たち材木屋にとっても廻縁は重要なマストアイテムの1つでした。
全国的にどうなのかは分かりませんが、私などは材木製品市場においてもセリの始まり、つまりセリの露払いは廻縁という認識でいたほど、なければならない部材で、当然弊社でも毎回市場では仕入れて在庫を買い足さなければならず、それなりに在庫も抱えておりました。サイズでいうと、松山周辺で多かったのは45✕45㎜、あるいは40✕50㎜、大きくて立派な家だと45✕55㎜か60✕60㎜なども使ったもので、それぞれに3m、4mがあるわけなので結構な数になります。
更にその品質においては、丸身が無い「特一(等)」あるいは「テッキリ」、少し丸身の付いている「上一(等)」あるいは「ちょい丸(身)」、大きな丸身のある「二等」あるいは「オオマルミ(大丸身)」など、マストアイテムゆえにその仕様も多岐にわたり、わずかな形状の差によって価格差がつけられていました。セリを見ていても、A材木屋は高くてもいつもテッキリ狙い、B材木店は安い二等狙いなどと、仕入れる廻縁によってそれぞれの材木屋の個性が見えてくるほどでした。
仕入れてきても常に動いていた廻縁ですが、徐々にその立ち位置にも変化が見られるようになりました。弊社においては、まず最初の変化は、無垢材から集成材への移行でした。狂わない、反らない、そして加工の必要がないという特徴(実際には仕様によっては反りなども出るのですが、ここでは割愛)を備えた集成材が、タフな外来種がデリケートな在来種を駆逐するがごとき勢いで勢力を拡大し、あっという間に市民権を獲得。無垢から集成材になれど廻縁のマストアイテムの座は揺るがず。しかし・・・続く。
以前にも触れていましたが、最近テーブルやカウンターなどに一枚板を使いたいという方が増えて、弊社にご来店される方が増えています。一枚板となると、特にその木目や表情、形状、耳の具合な非常に重要な選択要素となるため、ご自分の目でご確認して納得していただくようにしています。ただし小さな倉庫しか持っていない材木屋なものですから、アポイントも無しに突然ご来店いただいても、そういう一枚板をすぐにお見せできるわけではないので、必ず事前のご予約をお願いしています。
最近ご注文が増えてきたとはいっても、一枚板の耳付きのテーブルや4mを越すような店舗のカウンターなどの大物が毎日飛ぶように売れるというわけではありません。ですので、足が早いとはとは言えない大物につきましては、保管スペースの事情からも、倉庫の奥の方へ詰め込まざるを得ません。それで、実物を見てみたいというご予約が入れば、ご来店いただく日時を決めてそれまでに倉庫の奥から引っ張り出して、該当するようなサイズ、樹種の木を何枚か並べてご覧いただく事になります。
それで先日も倉庫の奥から引っ張り出すのですが、なにせ小さな倉庫ゆえにその前に積み上げられた材の数も半端ではなくて、古いものだと軽く10年を越え牢名主のような材もあったりして、まずは台帳でその存在が確認できた材の捜査から始まります。埃をン払い、懐中電灯で照らし、よいうやく発見に至った暁には、本格的な「救出」開始。前方に気まぐれに積まれた材をどかしてどかしてスペースを切り開いていくのですが、全体が狭いので出した材ですぐに土場が溢れ返ります。
でも大きな土場があればなんて考えません。こんな私の場合、どうせ大きな土場があってもそれなりに使ってしまうので結局木材ジャングルの規模が大きくなるだけだからとの自覚がありますので。それでどうにかこうにか目的の材を引っ張り出して、何年ぶりかに「再会」したりして感慨にふけったりするですが、えてしてそういう材は最終的に候補から落ちてしまうもの。でも空振りに終わってもいいんです。時々こういう作業を通じて、材の存在とコンディションを確認することも大事。
そして、お前の事を忘れてなんかないぞ!と、(自分自身にも)強く言い聞かせて、『飾るために仕入れたのではなく、売るために仕入れたのだ!』という事を、体と心に言い聞かせ自覚させるのです。忘れっぽい私はこのような「儀式」を常に繰り返し行っていないと、同じサイズの同じ木をまた買ってしまう。金額が金額なので、今週発売の週刊誌を2回買ってしまったというわけにはいきませんので。嗚呼、なんのかんのと理由をつけながら結局自分が楽しんでいるだけなのです・・・。
今年の連休も西日本最高峰の霊山・石鎚山に行くことになりました。信仰心があるとかそういうわけではなくて、石鎚山ロープウェイ(株)さんからのご依頼で、昨年に引き続き成就社ロープウェイ乗り場での木育イベントを開催させていただくのです。なので石鎚山に行くといっても、ロープウェイで上り下りするだけでお参りに行くとかいうわけではないのですが、50歳近くになるまで一度も行ったこともない信仰心薄き者であったのに、この数年の頻度といったら異常なほど。
たぶんこれで5度か6度目になると思うのですが、いろいろな季節の石鎚を(登山口の雰囲気だけでも)感じられるのはありがたいこと。材木屋といっても日々の仕事は、会社の倉庫での作業が中心ですので、山に入ることは決して多くはありません。一般の方の中には、奥深い山の中に入って木を伐っていると誤解されている方がいらっしゃいますが、木の仕事も材分化されており、山で木を植えたり伐ったりの作業をする人、伐られた原木を市場で売買する人、原木を製材する人、
製材された木を小売りする人(←弊社はここ)など、ひと口に『木の仕事』と言ってもさまざま。ですので材木屋といってもいつも山で立ち木を見ているわけではないので、こういう機会でもないと、仕入れ以外で山に行くことも少ないのです(あくまでも私の場合)。私にとってはイベントのお手伝いというだけではなく、格好の木の撮影のチャンス。特に石鎚山のような標高の高い山(標高1982m)だと登山口にも近場の山では撮影できにくい木もあって非常にありがたいのです。
今までのイベントの際にも合間の時間でいろいろと高山植物なども撮影してきたのですが、まとめ上げる時間がなくてアップ出来ていなかったのですが、『森のかけら・日本の120種リスト』に含まれてない木で、それまで立木を見たことがなかった木にもいくつか出会えました。広葉樹後進県の愛媛にいおいては、それらの木は原木市場に出材されたとしても、ひとくくりにして『雑木(ざつぼく、ぞうき )』という名前にされてしまうことも多く、ネームプレートで識別できるのが嬉しい事。
本日は、実際にサーモアッシュ材を外壁にお使いいただいた建築工房OZ合同会社(小澤健作代表)さんの新築現場のお話し。昨日も書きましたがこちらの建物自体は鉄骨造ですが、外壁の一部には木を貼りたいという事で、小澤さんといろいろ材を検討。ウッドデッキにおいては、非常に高い耐朽性を誇るブラジル産のマニルカラ(別名アマゾンジャラ)をお薦めしていますが、壁材としてはあまりにも重くて堅いため、もう少し軽量で施工性のいい材はないかと以前から探していました。
そんな中、運命的に(!?)にサーモウッドと出会うことになるのですが、初めて扱ったのは北米産のイエローポプラをサーモ処理した『サーモポプラ』でした。しかしそれまでこの辺りではサーモウッドにほとんど馴染みがなかったこともあり、ことあるごとに工務店さんや設計士さんに説明して回ったものの、興味はあるが差し迫って外壁に使う材で困っているわけではないので、そういう場面になったら考えるとのつれない返事ばかりで、なかなか出番がやって来ませんでした。
その後、ポツポツとご注文が舞い込むようになって、実例が出来ると「じゃあ、使ってみようか」と保守的で新しい商品に腰が重い愛媛の工務店さんもやっと動き出していただきました。そんな中において、建築工房OZさんは当初から新しい素材にも興味を示していただいていて、早い段階から採択を予定していただいていました。しかし皮肉なもので、そうなった頃にサーモポプラの在庫が品薄となってしまったのですが、丁度丁い度いタイミングでサーモアッシュが入荷することに。
強度や耐久性を考えればむしろサーモアッシュの方が歓迎でした。早速目透かし相じゃくり加工して納品。外壁の角の収まりは、小澤さんのこだわりで熟練の大工さんの技術が光ります。ところどころ外壁が濡れ色になっているのは雨の影響ですが、これで完成ではなく、これから長い時間をかけて徐々に経年変化でロマンスグレーに染まっていって完成となります。相手は自然素材ですので雨風の影響を受けてメンテナンスも発生するでしょうが、それとて木を使う者の「権利」のひとつ。
昨日に続いて、『適材適所』の文章から、サーモアッシュについてのアプローチ。『水と熱によるエコロジカルな処理によって生み出される効果として表面硬度が増し、防腐性、防虫性、防カビ性が増すということの他にも、形状変化がしにくくなること、吸収性が低いため水に濡れても乾きやすい、ヤニが出にくいなどの特徴があります。加工性がよいことから、アイアイウッドでは難しかった、壁材などへの加工も容易で、今回も外部の壁板や板塀などにサーモアッシュをご利用いただきました。
特徴的であるサーモアッシュの茶褐色な表情も、経年変化では紫外線の影響を受けていずれは灰銀色(ロマンスグレーとも言いますが!)に変化(成長)していきます。また安定性が増したとはいえ、あくまで自然素材ですので雨風に晒されると、表面に小割れが発生したりします。サーモしているからと過信せずに、木という素材の持ち味をご堪能ください。防腐剤の必要はないとはいっても、メンテナンスのために塗装することは可能。むしろ塗装の吸い込みはよくなったように感じます。
ところで、四国でのサーモアッシュの活用はまだまだ始まったばかりで、弊社としても経験が浅く、今後さまざまな問題が現れるかもしれませんが、及び腰にならずに木の可能性を広げるための新たな取り組みには積極的に関わって、その特徴を学び実践でノウハウを確立させ普及させていきたいと考えています。』というのが、以前に『適材適所』で書いたサーモアッシュに対する私の説明。それでは実際にどういう風に使っていただいたのかについて、具体的な施行例を交えてご紹介。
こちらは、いつも弊社のお得意様の建築工房OZ合同会社(小澤健作代表)さんが施工された現場でサーモアッシュを外壁にお使いいただいた建物です。鉄骨造の社屋なのですが、外壁には是非無垢材を使いたいというありがたいご要望で、外壁の一部に厚み10mmのサーモアッシュを目透かし相じゃくりに加工してお使いただきました。写真は施工直後のものなので、色は黒っぽいですが、いずれ経年変化でロマンスグレーに育っていきます。それも無垢材の愉しみのひとつ。続く・・・
Category
- 1. 今日のかけら
- 2. 木のはなし・森のはなし
- 3. 木の仕事
- 4. 草と虫と鳥と獣と人と
- 5. 木と映画と舞台とテレビ
- 6. ひと・人
- 7. イベント・講演会
- 8. 気になるお店
- 9. ちょこっと端材
- WOODENTAG& 日本百樹札
- 「森のかけら」舞台裏
- えひめイズム
- おとなの部活動
- お酒にまつわる話
- かけら世界紀行
- かけら日本紀行
- アート&デザインのかけら
- オフセット・クレジット
- オンラインショップ
- キッズデザイン&ウッドデザイン
- スポーツと木
- ハードウッドとウッドデッキ
- パプアニューギニアL.M.H
- フルーツウッド
- メディアあれこれ
- モクコレ WOOD COLLECTION
- モザイクタイル
- モザイクボード
- 一枚板を見せていこう!
- 円い森・円き箱・木言葉書
- 媛すぎ・媛ひのき
- 愛媛のこと
- 愛媛木青協のこと
- 木と本
- 木のものあれこれ
- 木のものづくり+α
- 木のもの屋・森羅
- 木の家具
- 木の玉プール
- 木育のこと
- 未分類
- 森と生きものたちの記録
- 森のかけら玉
- 森のかけら36・森のかけら100
- 森のこだま/森のたまご
- 森のしるし
- 森のめぐみ
- 森のりんご
- 森の出口
- 森の砂・森の粉・森の羽
- 森の5かけら
- 無垢の家具
- 異業種&産官学
- 端材のこと
- 誕生木・12の樹の物語
- 道後温泉とかけら屋
- 都市林業とビーバー雑木隊
- Loopto in Ehime
Archive
Calendar
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | |


