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過日、いつもお世話になっているもみじ建築さんの上棟式があり、私もお招きいただき出席させていただきました。建前当日ではなく、ある程度現場が進んで、現場で落ち着いて祭祀が行われるようになってから行われます。上棟式には協力業者も参加させていただき、工事の無事を祈願しますが、現場工事が絡む施工業者の皆さんは当然でしょうが、弊社のような納品業者はなかなか出席させていただくのははばかられるのですが、施主様から是非にとお声がけいただき出席させていただきました。
祭祀は越智棟梁のうやうやしい祝詞で始まり一堂で工事の安全を祈願。その後は施主様のご厚意で宴席を用意され、馳走をいただくことに。オフィスイシムラトモコ建築設計の石村智子女史による、自発的に盛り上がれて、笑いを誘える業者という厳しい選択肢をかいくぐって集まったメンバーだけに、すぐに現場には大声が響き渡ることに!施主様への自己紹介も、仕事の内容はほどほどに途中からはいかに笑いをとれるかということに目的がすり替わり、互いのネタを警戒しあう事態に!
付き合いが長く気心知れた業者同士とはいえ、ボケ役、突っ込み役もコロコロ入れ替わりながら、笑いが取れないことを悔しがったり、サービス過剰になったりと、まあ本当にひと癖もふた癖もある芸達者(勿論仕事も達者)な仲間ばかり。当日は残念ながら、その後会社にお客様がご来店される予約が入っていたため、折角お施主さんが振る舞っていただいた美味しい(はずの)日本酒を飲むことも出来ずじまいでした。宴席で皆が酔っていく様子を冷静に見ることのいかに辛いことか・・・
木の仕事をしていながら恥ずかしいのですが、20年前に自宅を建てた時には意識が低くて、祭祀の事など何も一切覚えていません。餅撒くをしたことをわずかに覚えているばかりですが、もしその時にこんな面白い、いや楽しい上棟式をしていただいていれば今でもきっと心の底に残っていることだったと思います。納品業者としては、施主さんと顔を合わす機会もほとんど無いため、お会いできる貴重な機会にいかにインパクトを残せられるか、どれだけ大きい笑いをとれるかが至上命題?!
昨日の続きで、井部健太郎君の会社・久万造林の事務所の2階の物置から見つかった古い台帳について。大きめの段ボール箱一杯に、詰め込まれた古い台帳などが広げてありましたが、それが今から200年以上も昔の寛政年間の頃のものもあったのです。寛政時代といえば、11代将軍徳川家斉の時代で、学校で覚えた『寛政の改革』が思い浮かぶぐらい歴史の中の言葉ですが、その時代のものが目の前にあるというのは不思議な感覚。
さて、それだけ歴史ある古書だけに、シミの被害も結構なことになっていて、その時代時代の紙質によるところもあるのでしょうが、中にはすっかりシミの餌食となって、幾何学的な模様を刻まれているもののありました。久万の町史的にも貴重な資料なのかもしれないので、保管先も検討せねばということでしたが、個人的にはここにイチョウの栞を挟んでこれ以上シミの被害が広がらないかどうかを実験してみたいところ。

それらの資料の中に、古い山林地図もあったのですが、山主ごとに綺麗に色分けされてありました。それがどこのあたりを指示しているのか、久万の地理に疎い私にはさっぱりですが、見る人が見れば分かるようで、かなり小さな部分にも番地が割り当てられしっかり管理されていたことが伺えます。時代がいつ頃のものなのかよく分かりませんでしたが、当時はこの山がいずれ子孫たちにとって宝の山となると願っていたことでしょう。
残念ながら今のところ、先人達のその願いは結実したとは言えないような状況ですが、山の価値観が当時よりも低くなったというよりは、偏重しすぎた『森の出口』のつけがきていると言うべきかも。特に久万の場合は、スギ・ヒノキに偏った林業政策に舵を切ったことで、昔ながらの出口しか持たない者にとっては苦難の時代ですが、人の人生山あり谷あり。それよりもっと長生きの山の樹生にも苦あれば楽あり、先は長い。
㈱ムラモトの水野君は前職も大手の某材木屋勤めで、そこでは全国を駆け回るバリバリの営業マンでしたが、彼の加入は㈱ムラモトにとって相当な戦力アップ!村本さん自身も、木については相当なこだわりの持ち主ですが、水野君のそれはまた突き抜けた別種の変態性的嗜好。夜は共に酒を酌み交わすことになったのですが、その席でその変態ぶりが爆発!互いが持てる限りの木のフェチっぷりを披露しあうという、村本さんが呆れるほどのその道のマニア垂涎の展開となったのです。
全国のひと癖もふた癖もある老舗の材木屋の親父連中と真剣勝負を繰り広げてきた水野君のマニアックでディープな木材裏話などに相槌を打ちながらも、こうして同じ理念を共有でき、共に汗をかきながら同じ方向にオールを漕げる仲間が社内にいるという事がとても羨ましく感じるのでした。村本さんとは互いの環境について折に触れて何度も話してきて、互いに同じような境遇であったと理解しているのですが、その後それそれが下してきた決断には大きな違いがありました。
理念を共有できる仲間をひとり、またひとりと社内に増やしてきた村本さんに対して、私はその仲間を社外に求めたため、様々な職種にわたるバラエティ豊かなブレーンを得た半面、社内で理念を共有できる仲間を育てられませんでした。ひとの話を聞かずに、自分だけで単身突き進む、最終的な局面を他人に任しきれないという性格も災いし、自分よりもひと回り以上も歳の離れた社員とのジェネレーションギャップもあって、新しい営業スタイルと理念を共有することができませんでした。
まあ世の中にはいろいろな業態の材木屋がいてもいいわけで、自分はそれで四半世紀も突き進んできたわけで、実はそれほど後悔も反省もしていなかったのですが、50歳を目前に控え、さすがに若い頃に比べると体力的な衰えを感じるようになって、(あくまでも男性で営業活動や現場作業等が実践出来るという意味においての)いざという時の身近な理解者の必要性を感じるようになりました。そういう意味でも村本さんの右腕としての水野君の存在が非常に羨ましく感じられる夜でした。

昨日の話の続きですが、数年前にお引き受けした松山市内の某材木倉庫の片付けの話。10トン車で積むこと5、6台。とりあえずフォークリフトで運べるものだけお引き受けしました。それでも小さな弊社の倉庫では収まりきらないので、しばらくの間、別のところで保管しておくことに。最終的には弊社に移動させたのですが、社員からは大ブーイングの嵐!私自身は、今では手に入らないであろう貴重な広葉樹の幅広の乾燥材ということで勝機はあったものの肩身は狭い・・・。
その事例に限らず、欲しい材はいくらであるもののやはり保管する場所の事を考えると、キャパシティのリアルな限界が物欲の歯止めになります。結果的はその時引き受けた材が、いろいろな場面で大活躍してくれて、大きな利益をもたらしてくらることになったのですが、当時は倉庫に詰め込むだけ詰め込んだので、奥の材を引っ張り出すだけでも大変な労力で、スタッフの負担も大変なものでした。それから何年もかかり、ようやくその時の材の大半は片付きました。
その経験があるだけに、その数十倍もある製材所の後始末を引き受けられた村本さんの英断には感服。なにしろ大型重機を使ってスクラップにしてしまう解体作業ではなく、埃とと汚れで一体何の木なのかすら分からないような木1つ1つを手作業で移動させ、それが何の木で、まだ使える木なのかどうかを判断し、仕分けして少しづつスペースを広げながら奥へ奥へと進んでいくという途方もない作業。そこから出る膨大な埃やゴミなどを考えると私など足がすくんでしまいます。
村本さんに後から聞いた話では、村本さん自身もそれだけの規模の後始末は初めて経験だったので、怖いもの知らずで引き受けた部分もあったのどと仰っていました。それでもその時の経験は貴重で、その後同様の話が舞い込むこととなった時にも経験が大いに役立ったとも。その時、高知には村本さんご本人はじめスタッフが数日間ごとに入れ替わり立ち代わり泊まりこんで作業にあたったということでしたが、その体験を聞いて感じたのは、理念を共有できる人間の数の力!
先日、石川県の至宝『能登ひば』をご紹介しましたが、年も押し迫ったこの日、その石川県から刺客(?!)が弊社にご来店。いつもお世話になっている㈱ムラモトの村本喜義社長と水野斉君のお二人です。お二人は弊社とは関係のない別のある木の仕事で愛媛にやって来られたのですが、折角愛媛に来られたのに素通りというわけにはいくまいという事で、わざわざ弊社にまで足をお運びいただきました。愛媛から遠く離れた石川県の材木屋さんでありながら、実は四国とは深いご縁がおあり。
昨年、高知県で廃業される老舗の製材所の後始末を手掛けられたのですが、その規模が圧倒的!その顛末については村本社長のブログに詳しいので、そちらをご覧いただきたいのですが、スタッフ数名が高知に連日泊りがけで倉庫の整理・片付け。倉庫整理と言っても、数十年にわたって放置されてきた材木倉庫の奥の方は、一体どうやって詰め込んだのか見当もつかないような形で大きな材が折り重なり合い、何がどうなっているのかもわからないような木材ジャングル状態!
実はこの話、村本さんに辿り着く以前に弊社にも声がかかったのですが、写真で倉庫の様子をひと目見ただけで速攻でお断りさせていただきました。その製材所の事はよく知っていて、昔間接的にお取引もさせていただいたこともあるところで、持っておられる材については興味もあったものの、それを自分で動かすという事を想像したときに、その膨大すぎる作業量にあえなく断念しました。ここまでの規模ではありませんが、数年前に松山市内でも似たような話がありお引き受けしました。
その時は巨大な階建ての材木倉庫すべての材を片付けて欲しいという依頼でした。樹種こそ限定されていたものの、10数年以上(中には20数年以上)も倉庫で寝かされていたような完全乾燥材を前に胸が高鳴ったものの、とても人間ひとりやふたりの手ではどうにもならない圧倒的なボリュームの前に腰も引け、一時はお断りしようともしたのですが、フォークリフトで移動の出きる1階部分の材については、運送会社が作業と運搬を引き受けてくれることになったので実行。
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