森のかけら | 大五木材


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さて、年明け早々から真面目にライフワークの『今日のかけら』に取り組んでおりますが、昨日に続いて「クヌギ」の話です。クヌギは、「」、「」、「」、「」、「」など多くの漢字で表されますが、漢名でも「櫟」と記されるこの漢字が一般的によく使われているようです。別名や俗名、またさまざまな漢字の多さは、その木が昔から日本人の生活に広く関わりがあったということの証明でもあるでしょう。そのクヌギという名前そのものの由来も諸説あります。その中の幾つかをご紹介します。

まず歴史的な逸話から、かつて景行天皇が筑紫の道後(みちのしり)の国を訪れた時に、長さ970丈(約300m)もの巨木に出会い、地元の老人からその名が歴木だと聞くと、その巨樹にちなんで、御木国(みけのくに)という国名を授けられた事から、この巨樹を国木と呼ぶようになり、そこから国木(クニギ)が転訛したという説。そしてもっとも有力とされているのが、朝鮮語でクリやクヌギの事をkulというらしいのですが、これが日本に伝わった時に、一方ではこれが「クリ」となり、他方ではこれに日本語の木が加わって「クヌギ」となった説。また、葉の形が栗によく似ている事から「栗似木(クリ二ギ」が転じたという説。ドングリの古名は「ツルバミ:橡」というのですが、これも朝鮮語のkul-bam(bamは堅果の意味)が転じたものだと言われており、この説を有力なものとしているようです。

今ではナラやカシ類の果実の事を総称してドングリとしていますが、そもそもドングリとは、クヌギの果実の事を指していたようで、「丸いクリ」の意味合いがあったとされています。その意味ではクリも広義ではドングリの仲間です。そういえばクリもクヌギも同じような所に生えています。クリもクヌギも食料としてのドングリから、薪炭材や、器具や柄、枕木や染料などに使われてきました。昨年はナラ枯れが深刻な問題となりましたが、クリやクヌギも減っているのでしょうか?

クヌギはあまり手入れをしなくとも、病気にも強く、成長も早い事から生産効率は高いのですが、重厚で乾燥すると割れたり暴れやすいので建築や家具用材としては使いにくい木です。そのため最近では椎茸の榾木か薪炭としての用途が中心となってますが、その需要も年々減少し、木の成長力に追いついていないため、愛媛の森でも大きくなりすぎたクヌギがあちこちで放置されています。大きくなりすぎると榾木としても適さなくなるため、成長しすぎたクヌギの「出口」を見つける事が出来れば、愛媛の森の大きな武器になると思うのですが、これも今年の課題です。

 




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