森のかけら | 大五木材


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弊社は製材所ではないので、製材用の台車はありませんが、小割用のバンドソーが1台あります。先週はそのバンドソーが大活躍で、数日間は板の割り返しばかりやっていました。中でも『サーモアッシュ』と『マニルカラ(アマゾンジャラ』という、弊社の手持ちの材の中では1,2を争う強者(つわもの)を相手にしていましたので、スタッフにも皆全身オガまみれで、加工場はまさに『赤と黒のエクスタシー』状態!ちなみにサーモアッシュが黒でマニルカラが赤。

古くて分からないと言われそうなので一応解説しておきますと、川中島で幾度も刃を交えて名勝負を繰り返した越後の上杉謙信と甲斐の武田信玄の川中島の戦いを描いた映画天と地と』で使われたキャッチコピーです。赤備えの武田軍を赤、黒い甲冑の上杉軍を黒で統一して、赤と黒が戦うという、天からの俯瞰で捉えた名コピーだと思っています。かの角川春樹氏が監督を務めています。映画の内容そのものよりも、謙信役であった渡辺謙が撮影中に急性骨髄性白血病に倒れ降板した事の方が話題になりました。

映画の公開が1990年ですから、もう27年も前のこと・・・話を元に戻します。『サーモアッシュ』については以前にもご説明しましたが、北米産の『ホワイトアッシュ』をサーモ処理したものです(水蒸気式高熱処理)。サーモ処理によって硬度が増し、耐朽性や防虫性は飛躍的に向上します。ただし物事には一長一短がつきもので、サーモ処理によって木の糖分が変化して酸性になっているので、鉄の釘を使うと錆びてしまうためステンレスの釘を使う必要があります

また、実際に扱ってみると木の持つしなやかさというか弾力性や粘りについては少し失われているように感じます。私としては防腐薬剤処理などをしなくても外部で使えるものとして考えているので、そこは用途次第だと思っています。ただしいくらサーモ処理しているとはいえ、もとは自然の木材なのですから外部に使っても半永久的にもつ、とかいうものではありません。紫外線の影響を受けて経年変化でロマンスグレーにはなるし、収縮や割れなどとも決して無縁ではありません

重要視しているのは、薬剤処理などを施さずとも、木の風合いを残したまま風雪や酷暑の中でいかに長持ちさせられるかということ。サーモ処理していない材に比べると、はるかに強くなっていて私的には、設計士さんや工務店さんのご理解が得られればこちらをお薦めしたいところ。それで外部仕様の壁材なども作っているのですが、それがなかなか大変でして、硬度が増しているため厚みを割るのも容易ではなく、切り粉が非常に細かくて肌に付着すると痛い!粉塵は砂のようにサラサラで周辺は大変なことに・・・




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