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あまり知られていない事かもしれませんが、愛媛県の県獣は『ニホンカワウソ』です(1969年に指定)。ちなみに県木は『マツ』(アカマツやクロマツの分類はなく、大義でマツ)、県花は勿論『ミカンの花』、県鳥は『コマドリ』、県魚は日本一の漁獲高を誇る『マダイ』です。かつて日本全土の河川や海岸近くに多く生育していたニホンカワウソは、明治時代に入ると密漁や生育場所となる河川の工事などで、次第に棲むべき環境が失われその数は激減。
それから以降は、わずかに四国の南西部で発見が報告される程度となり、遂に愛媛県では1975年に宇和島市の久島で保護されたのが最後となりました。さらに1979年に高知県須崎市で確認された固体が最後の動くニホンカワウソの姿となってしまいました。それから30年以上、生きたニホンカワウソの姿は目撃される事がありませんでした。そしてとうとう8月28日に、ニホンカワウソはそれまでの絶滅危惧種から「絶滅種」に指定されました。これは、昭和まで生存していた哺乳類が絶滅種にされた初めての例だということです。
ここ松山市では、現在のとべ動物園の前身である道後動物園時代(道後温泉の近くの湯月城跡地に1987年まで存在していました。今では考えられない立地条件ですが・・・)、1956年から1969年の12年の間に6頭も飼育されていました。道後動物園には私も幼少の頃、何度か連れて行ってもらいましたが、当時は地味なニホンカワウソには目が向かなかったのでしょう。残念ながらその存在は記憶の断片にも残っておりません・・・。 道後動物園の記憶は乗り物券か何か(?)を紛失して大泣きした記憶がモノクロでぼんやり残るばかり。白黒カメラの写真の影響でしょうか。
今このときにも世界のどこかでいくつもの種が絶滅危惧種に追い込まれているのでしょうが、自分の住む県の県獣に指定されている動物が、もはやこの地上には生きていないと結論づけられたというのはショックな出来事でした。その存在が長らく確認されていない事は知っていたものの、こうして公式発表されてしまうと罪の深さを痛感します。ニホンカワウソについては、この日本において「中型の哺乳類が30年もの間、人目に触れずに生育しているとは考えにくい」という判断から絶滅種に指定変更されたようです。
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