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食品には賞味期限というものがありますが、木にも賞味期限があります。樹皮のついた原木ならまだしも、板や角材に挽いた半製品やフローリングやパネリングなどに加工した製品であれば、すぐに腐ったりするわけじゃないから、賞味期限なんかないだろう?と思われるかもしれませんが、賞味期限という言葉の定義から考えれば、木にも賞味期限があると言っても決して間違いではないと思っていただけるのではないかと思います。農林水産省によると、消費期限の定義とは、
『開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、おいしく食べられる期限』という事。ただし、賞味期限を過ぎても食べられなくなるとは限りません。その意味から考えれば、木にも「美味しく使ってもらえる期限」というものがあります。長期保存における劣化という事も多少はあるでしょうが、根本的には商品としての『旬』が過ぎてしまうという意味での賞味期限。要は市場に飽きられるということ。特にフローリングなどの製品の方がより深刻です。
無垢の板や角材の場合は、最後の調理方法によって、ずれた時代性を多少は埋めることは可能です。例えば最近ではほとんど需要のなくなった絞り丸太でも、割り返して付加価値の高いクラフト商品にするとか。ただ売れればいいというだけでなく、当初想定していた価格に近い値段で売れるという事が前提となるわけで、そうでなければ意味がありません。なのでずれた時代性を完全に埋めるというのはなかなか難しいことではあるのですが、うまくいけば大化けする可能性もあります。
しかしフローリングなどのように最終商品に加工されているものについては、ひとたびその流れが終わってしまうと、その間に仕様変更や収縮等が発生してしまうリスクもあって、『生きている素材』にとっていつか再来する流行を待つのは酷。この辺りだと、ブラック・ウォールナットやチークのような濃い目の木が好まれる時代があり、その後メープルなどの白系で堅牢な木が流行りました。床材に使える樹種なんて決まっているので、いずれまたそれらが求められる日も来るはずですが。続く・・・
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