森のかけら | 大五木材


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果たしてビーバーと造園屋さんはいかにして巡りあえばいいのか?当時は私もまだ完全にビーバーにはなり切れていなかった(子ビーバー)ので、正直覚悟もありませんでした。覚悟というのは、「それが欲しい」と言って話がまとまってしまった場合に、集まった材をどうするのか?こちらの思惑以上にあれもこれも全部持って行って、と言われてしまったら、こちらから言い出しておきながらそんなに都合よく断れるのか?持って帰ったとして【森のかけら】以外にどう活用するのか?どこに保管するのか?社員はそれを見てどう思うのか?理解を得られるのだろうか?

いろいろ考えていたら、やっぱり止めとこうとなってなかなか手を出せない世界だったのですが、思いがけない形である日突然その垣根は取り外されることになります。造園屋さんの方から声が掛かってきたのです。「〇〇で結構大きめの木を伐るんですが、大五木材さんではこういう木は必要ないですか?」これを僥倖と言わずになんと言おう!その時はすぐに【森のかけら】で必要な木では無かったもののこのご縁を活かさねばと二つ返事で答えて現場に駆けつけました。大きさこそまあまあだったものの量が少なかったのでスムーズに搬出完了。

それで、その時今後もこれこれこれぐらい種類のこういうサイズであればいただきたいとにこちらの要望も伝えると、先方もそれはありがたいという事で簡単に話がまとまりました。更に、それなら同業者にも声をかけてくれると、思わぬ形で造園業界に波及。ただし気をつけないと、必要も無い木の処分場になってしまうので、こちらが求めている樹種やサイズはしっかりとお伝えしました。基本は広葉樹で、変わった木!こういう交渉の際には【森のかけら】という実例が非常に有効です。ああ、こういうモノを作りたいのね、と。

職種は違えど同じ木を扱っている人間同士、話してみればその人も珍しい木を伐ったりすると、このまま捨ててしまうのはモッタイナイと感じていたそうで、使ってやれるのなら木も喜ぶだろうと共感してもらいました。だったらこれぐらいのサイズでこういう風に伐っておくと、話がトントン拍子に進んで、それからは近隣で伐採された『町の木』が急速に集まるようになりました。町の木の神様が導いてくれたとしか思えません。そうして私はすっかり『町のビーバー』と化していったのです。という事で話は地元の神社の木の救出に戻ります。

 




まずは境内へと続く参道脇にある小さめの木から伐採が始まりました。例のサカキはこのあたりにありました。伐採にあたられた地元の門屋造園さんは、地域の消防団活動でも一緒でいつも懇意にさせていただいていて、面白い木を伐採されるといつも分けていただいています。町の中に在る木を活かす『都市林業』は、これから非常に大切になってくると思いますし、その必要性はいろいろなところで叫ばれていますが大切なのは実際にそれを伐採するひととの結びつき。誰かが伐って誰かが運んで誰かが製材して、ようやく流れが出来るのです。イメージするだけでは動きません

高邁な理念もグランドデザインもいいけれど、地を這う我らビーバー隊としては、まずは自分が動けというのが信条。自分は高みの見物で指揮だけして、木を集めないビーバーなんていないでしょう。やっぱビーバーは木に近いところにいないと話になりません。近くにいれば、仲間にも会えるし、そこから話も広がる。私自身、ビーバーになるまで(もはや例えもよく分かりませんが、笑)、地元にこんなに個人で活動されている造園屋さんが沢山いらっしゃるって知りませんでした。これが本当の井の中のビーバー。そういう方たちとの接点もありませんでした。

そもそも材木屋は木材市場か製材所から木を買う者と教わって来たし、事実そうだったので、同じ木を扱う職業とはいえ造園屋さんとは別フィールドだと思っていました。国道などで街路樹を剪定している場面に出くわしても、小さな枝では興味も湧きませんでした。それが廃棄されることに違和感を覚える事も無く。その意識が変化してきたのは、【森のかけら】を作るようになってからです。日本だけでも120種の樹種を集めようと思うと、建築家具用材だけではなかなか難しい。それで意識がいくようになったのが、街路樹や公園や学校などにある木。それを剪定、伐採するのは造園屋さん。

それでいろいろ調べてみると、近くにも造園屋さんは結構あるし、繋がりがなくもないので、話はできそうだったのですが気になる事がありました。剪定作業を見ていると、横付けしたトラックに枝葉を次々に放り込んでいます。そのまま処理場に廃棄するので、面白い形だろうが大きかろうが関係ないわけです。材の形状などで仕分けるという作業が不要というか必要ないのです。そんな中に分け入って、「これとこれと、直径〇O以上の木だけ下さい」なんて言えるだろうか。逆の立場だったら、何言ってんだ!って気持ちになると思うとなかなか声が掛けられませんでした。

伐採になれば、伐った後どうするなんて考えませんからいかに効率よく仕事をするかが最優先で、いちいち形や長さなんて気にしていられません。それこそ横にいて、その場で判断して自分で指示を出すなり積み込みまですればいいのかもしれませんが、本業をほったらかしてそんな事出来ません。自分が最前線にいるからこそ、そこで働く人の気持ちを理解できる。だからといってボランティアをするつもりは無い。あくまで材木屋としての仕事の範疇でやらなければ本末転倒。街路樹を「業」としていかに効率よく手に入れるか?自分で伐らないビーバーの悩み・・・

 




少し前のブログで、近所の神社で伐採されたサカキ(榊)の話をアップしましたが、サカキはあくまで「副産物」で、メインは大きなクスノキ(樟。先日すべての伐採も終わり、境内に置いておいた丸太の搬出も完了しましたので、改めてその神社の木の救出の全貌について書きたいと思います。規模だけでいえば、以前に4tユニック車で20数台分ぐらいの『自分史上最大の救出(木はユリノキとモミジバフウ』を経験しているので、そこまでではないものの、材の大きさだけでいえばそれに匹敵する『町の中の大木』の救出劇となりました。こちらが会社から数分の距離にある地元の阿沼美神社です。

愛媛に住んでいると、神社の木というとクスノキというイメージが強くあります。特に樹齢が2600年とも言われ、国の天然記念物にも指定されている今治市大三島町の「大山祇神社のクスノキ群」は、日本最古の原始林社叢の楠群としても有名です。幹周が11m、樹高が15. 6m。その姿を拝むだけでも神々しさを感じます。四国だとどの神社にいっても大概大きなクスノキが鎮座ましましておられて、神社にクスノキが在るのが当たり前のように思ったりしますが、全国的にみると決してそうではありません。むしろ神社にクスノキが在る方が少ないのでは

常用漢字ではクスノキを「」と書きますが、文字通り南方に多く生えている木という意味から木に南と現わされます。それで九州や四国~関西あたりまでは神社にクスノキが植えられている事が多いのですが、東に行けば神社の御神木と言えばスギ、ヒノキ、マツ、ケヤキなどに取って代わられます。古い樹木や巨木の中には精霊や神様が存在すると信じていた古代の人から連綿と受け継がれてきた樹木への強い信仰心は、その地域で大きく育つ木を「依り代」として崇めました。なので地域の環境に適して巨木となる木が神社に植えられていったのだと思います。

そんな大切な神社の木ですから、お話をいただいた時に躊躇もありましたが、これもクスノキ様のお導きとありがたくいただくことにしました。町の中の街路樹や公園木と同様に神社などで伐採された木も行き場(活用できる引き取り手)、が無ければ、一般廃棄物として処分葉に送られます。すべてが信仰の対象というわけではありませんが、神社の境内にあって地元の人々に親しまれてきた木が、伐採された瞬間に「廃棄物」扱いされてしまうのは違うのでないか。神に近い木を捨てるとは竜神様も畏れぬ暴挙!そういう時のために我らビーバー隊が生かされているのだと、勝手な思い込みで出動~!続く・・・




★今日のかけら番外篇・E045サカキ/榊】 ツバキ科・サカキ属・広葉樹

先日、近くのお宮で境内の木をいくらか伐採することになったのですが、まず手始めに低所にある数本の木を伐採されました。普通のひとにしてみればただのゴミに見えるかもしれませんが、かけら屋にとってはお宝であり、そういう材の救出はビーバー隊の使命でもあります。という事で、まずは『サカキ』を救出。サカキと言えば神様への供え物として欠かせない木ですが、こんな大きさのサカキを手にしたのは初めて。【森のかけら】を取るには十分ですし、これだと『森のりんご』も余裕で作れそう。まさに神からの恵み!

前述した通り、サカキは神事でその枝葉が備えられる神聖な木ですが、実はこれ全国的な事ではないようです。サカキの分布域は、茨城県、石川県以西なので、サカキを神事に使っているのは福井県や静岡県以西。それより東北の寒いところではサカキは育たないので、サカキではなく同じツバキ科の『ヒサカキ』を使っているのだとか。いずれにしろ葉が艶々していて年中緑の葉をつけるサカキの仲間に、昔の人々が神秘性を感じ繁栄を願い神事に利用したのは共通で、古くは日本神話の中にもその名前が登場してきます

サカキという名前の由来もそのあたりにあって、枝葉が年中茂っていることから繁栄を意味する『栄木(サカエギ)』から転じたものだと言われています。このサカキという言葉ですが、古代においては特定の樹種を指すものではなかったらしく、神事に使われる木に対する総称だったようです。それぞれの地域で育つ常緑樹の中から,神への供物として相応しいと思われた木の事をサカキと呼んでいました。その中に現在のサカキやヒサカキ、オガタマノキ、シキミクスノキ、タブノキ、マサキ、ソヨゴなどがありました。

その中で、利用される事の多かったサカキがその名を受け継ぎ今に至っているということです。ちなみにヒサカキ』の由来は、『姫サカキ(サカキに比べて小型である)』が訛ったもの、あるいはサカキの古名の『マ(真)サカキ』に対する『ヒ(非)サカキ』や、果実が密につくことから『ミ(密)サカキ』が転じたなどの説があるようです。そんなサカキですが、いつもはスーパーで枝葉を買ってくるばかりで、こんな大きなサカキが手に入るとは思ってもみませんでした。やはりこれは【続・森のかけら】を早く作れとの神のお告げか!?




先日の話ですが、長女が通っている愛媛調理製菓専門学校の学祭が開催され、家内と家内の両親の4人で行きました。長女は製菓・製パン科の2年生で、今年卒業予定でどうにか神戸のホテルに就職も決まりました。長女はパテシエ志望だったので、授業で作ったケーキやら菓子をよく持って帰って食べさせてくれました。味覚音痴な私でも次第に料理の腕があがっているのが分かるくらいで、お陰でダイエットがしばし中断していましました。私としてはケーキそのものよりも、それを造り出す場所、つまりカフェやパン屋さんなどの商業店舗の方により興味があるのですが。

たまたま家内の弟の次男(甥っ子)も同校の調理師科の1年生としているので、ふたりの料理作品展も見ようという事で、軽い気持ちで出向いたのですがケーキ並みに甘かった・・・。科や学年ごとにテーマがあって、それに沿った作品を作った一堂に展示されていて、来場者の投票によって優秀賞などさまざまな賞が決まります。専門家による採点もあるため、一般来場者の他に生徒、生徒の友達や家族などで長蛇の列。少し前であれば間違いなくその列に並ぶのは断念したであろう行列でしたが、馬齢を重ねて少しは私にも忍耐というものが身についたようです。

それで長い行列に並んで順番に生徒さんが作った作品(製菓製パン科はケーキ、調理師科は和洋中の料理)を見て、よいと思うもの投票するのですが、これだけズラリと並ぶと、中年おやじには何がどうやら一切分からず・・・。木工でもこういう審査はありますが、その場合はしげしげと眺めながらああだこうだと意見を交わしながら評価するのですが、何の知識も無いケーキの審査など、見た目に美味しそう~と思えるかどうかの一点しかない。しかも事前に作品集などがあるわけでもないので初見の数秒で判断していかねばならないのです。

まあもともと身内の作品にしか投票するつもりがない「組織票」みたいなものなので、それでも別に構わないのですが。その中で胸にリボンを付けられた審査員の先生は1つ1つ立ち止まって細かなところまで見ておられました。以前に【森のかけら】や『モザイクボード』などで審査を受けたことを思い出しました。その時は自らプレゼンした後で質疑応答の時間もあって、審査員の先生からさまざまな質問や酷評もいただいて、若かった事もあってブチ切れそうにもなりましたが、今ではいい経験だったと思います。

専門学校や大学の授業などで少しだけ審査員も真似事みたいなこともさせていただきましたが、それはあくまで授業の一環。商品の良し悪しを決めるような審査員などにはなるものじゃないと思いました(まあ、やりたくても呼ばれるわけもないのですが)。審査員という立場上、厳しい事を言ったり酷評するのは理解できるものの、あまりいに居丈高な物言いをされると、「じゃあ、先生が仰る素晴らしい作品を自分で自分で作ってみて下さいよ!」と言いたくなってしまいます。料理の世界であれば圧倒的な差があるようですが、ものづくりにおいては果たしてどうか?

造り手がいて、広め手がいて、それを使う人評価する人がいてこそだというのは勿論承知していますし、青臭い事を言うつもりもありませんが、ものづくりにおいては評価されるひとの顔ぶれを見た時、その道の専門家とは思えない、ネームバリューだけで集められたご老人たちの姿を見ると残念な気持ちになります。果たしてこの年齢の方々が今の若い消費者の求めているものや感覚を理解されているのだろうかと。前時代の物差しでしかはかりきれないのではなかろうかと。料理の審査の長い行列に並んで、ふとそんな事を思い出しました。審査はケーキほど甘いものではない!

 




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