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これも少し前の話になるのですが、昨日の『森のかけらギフトカード』と同じく、地域の小さなものづくりに対していつも温かいご理解とご声援をかけていただく地域の皆さんとの話。弊社があるのは、松山市平田町といって、旧松山市で言えば北部の端の方です。このブログでも何度も登場してきた『オレンジ会』は、そのふた隣町にある堀江町を基点とした二代目、三代目の異業種交流会です。弊社は堀江町内ではありませんが、いろいろな経緯があり会の創立より名を連ねさせていただいております。
その『オレンジ会』のメンバーは20~50代前半ですが、その親世代が作られているゴルフコンペが『掘江会』です。2つの会を掛け持ちされている方もいらっしゃいますが、いずれも地元・堀江地区の経営者の方が主なメンバーです。その「掘江会」は歴史も古く、この夏で500回を迎える事になりました。そこで500回を記念して、メンバー全員で何か記念品を作ろうという事になり、なるべくなら身近な人が作っているモノをという事になり弊社にお声をかけていただいた次第。ありがたい事です。こういう地域や地元とのつながりがものづくりに活気を与えてくれます。特に身近な人から、その仕事を認めてもらい注文をいただくという事は殊更嬉しいものです。
「面白いモノ作っているね」と声をかけていただく事と、実際にご注文をいただく事の間は天地ほどの隔たりがあります。それは商売として成り立つかどうかの分水嶺でもあります。声をかけていただいたい応援していただく事も当然ありがたい事なのですが、実際にお金を払って購入していただく事で初めて商売が成立します。商品を見て感じる「いいね」感が、購買意欲にまで達した時に、モノづくりの思いは結実するのです。「いいもの、面白いモノを作っていたのにね」で語られてしまうものづくりでは、決して存続はありません。ファンを増やす事の目標の先には、「沢山のファンに喜んで楽しんで買っていただくモノを作る」というゴールがあってこそ。なので、今回身近な方から大切な記念の品として弊社にお声をかけていただいた事はとても嬉しく感慨深いものとなったのです。それで選んでいただいたのがこちらのネームプレート。
ブラック・チェリーの『円い森』に穴を開けて、500回記念の日付とメンバーそれぞれの名前をレーザーで彫らせていただきました。ゴルフのキャリーバッグに付けるネームプレートです。文字は深めに三度彫りし、チェリーの赤身にレーザーの焦げ目が一段と映えます。屋外での耐候性を考え前面ウレタン塗装しています。ブラック・チェリーは日本のサクラにあたりますが、サクラの木言葉は『微笑』。生憎私はゴルフはしませんが、この中でどなたが栄冠の微笑を手にされる事でしょうか。
実は以前からゴルフ関連でも『木のモノ』を取り込めないものかと思慮しておりましが、自身がゴルフをしないのでリアルな発想が湧いてきませんでした。それが今回の件で少し道が見えたような気持ちです。仕上げ磨きはいつもの「清風園」さんにしていただいていますが、地域の方のちょっとした心遣いが根っこでいろいろな人の仕事や暮らしに結びついています。。折角買うなら地元で、どうせなら知っている人から、そんな温かい眼差しが我々零細企業に生きる道を開いてくれるのです。
※ 『円い森』のオリジナル仕様は別途加工賃が必要となります。
今月は無垢のフローリング(無塗装品に弊社で植物性油で塗装)に沢山ご注文をいただき、社員総出で日々塗装に追われております。次第に暑さが増して、汗っかきの私としては、大粒の汗が無塗装のフローリングに落ちはしまいかと心配の種が尽きません!塩分の多い汗が垂れると「染み」の原因になってしまいます。その上からオイルを塗っても「斑(ぶち)」になってしまうので、細心の注意が必要です。しかし、塗装が熱を帯びるほどに汗が額に滲み、汗が滴り落ちた場合は速攻でサンディグ!
磨き直して対処できるものならいいのですが、中には継ぎ目に欠損があったり、サネに不良が発生する事も皆無ではありません。誰も不良品を作ろうと思って作るわけではありませんが、悲しい「現実」があります。門前の小僧習わぬ経を読むではありませんが、ちょっとの傷や欠損であれば私が修復・補修します。過去20数年の間に何千、何万坪ものフローリングに触れてきましたが、「理屈よりも実践は強し!」です。使えるものは手を加えて使う、無駄は作らない、その発想が結実したのがこちら・・・
補修不可能なほどにダメージの発生したフローリングはそのまま焼却炉行き・・・なんて事には絶対しません。幅90㎜のフローリングから切り出したのがこちらの円形のモノ。手前の円形には途中で筋が入っていますが、これは背景のフローリングについている筋が取り込まれたもの。両手の指先をかみ合わせたような形で縦方向に繋がれた形状のフローリングをユニFJ(フィンガージョイント)仕様と呼びますが、2mの通直な材が揃いにくい広葉樹などはこの形状がほとんどです。その位置で円形に切り抜くとこういう筋が残ります。
これが何になるのかというと、前面を綺麗に磨いて植物性油を塗ってレーザー彫刻すると、こいうい形状の『円い森』(まるいもり)が完成します。これで直径が80㎜、左の商品の厚みは10㎜ですが、今はもっと薄く加工も出来ます。樹種にもよりますが、厚みは5㎜でも可能。それでこれは何か?と問われますが、コースターに使われても、樹種を当てる木育でも、インテリアでも席次札に使われてもいいんですが、用途を限定する事がそれほど重要だと思ってないので自由に使っていただければと思います。こちらの商品について詳しくは、こちらをどうぞ。
この時期になるともう毎年慌てて同じ事の繰り返しで、結局間に合わないのですが、もうすぐ『母の日』・・・。折角、そういう記念日を想定して作ったものなのに、『出し方』があまりに拙くて相乗効果がまったく発揮できていません。ですのでこのネタも毎年恒例となっておりますが、「お約束」ですから一応アップさせていただきます。そうです、母の日に贈るグッズといえばこれ、【栂】の木を使った『木言葉書/栂(つが)』。テーマは、「親愛なる母の木に捧ぐ」です。
vol.3 『親愛なる母の木に捧ぐ』 ツガはマツ科ツガ属の針葉樹 ツガの木言葉は「堅固」 日本固有の種 かつて城や武家屋敷にも使われた栂は、粘りがあり趣きのある木目が美しい。上品さの中にもどこか懐かしい温もりが詰まっている。養分を含んだ樹液が多いことが木+母の語源とされる栂は深い愛情で私を包み込んでくれる母のような存在。いつもは照れくさいけれど、そんなあなたに感謝を込めて。
それぞれの木の特徴や木言葉、花言葉、エピソードなどの物語をレーザーで彫ってあります。上部の余白に贈る方の名前を、裏面にメッセージを添えて贈ってください。なお、葉書としてご利用になる場合は、郵便番号をお書きの上、90円切手を貼ってお使い下さい。
145X95X3.5㎜ ツガ 無塗装
1枚400円(消費税込み420円)+送料80円
この【栂】の木ですが、一般的に流通しているのは栂は栂でも『米栂(べいつが)』です。正確には、学名Tsuga heterophyllaというマツ科ツガ属の木で、国産の栂に雰囲気が似ていることから「アメリカのツガ」という意味で「米栂」といい名称で呼ばれていますが、国産の栂との差は経年変化で歴然。時間が経つほどにややくすんだ褐色になる米栂に比べて、時とともに艶と褐色が生まれるのが日本の栂です。かつて武家屋敷や築城に使われた日本固有種も、いまや幻となりつつあります。貴重な国産の栂の製品として、【土佐栂フローリング】などを扱わせていただいていますが、その端材も大切にしたいという思いで作られた『木言葉書/親愛なる母の木に捧ぐ』、どうか「母の日」に限らず感謝の気持ちをしたためられてみてはいかがでしょうか。
★ご注文は、【お問い合わせ】または、こちらから→
このホームページの開設以来、毎年この時期に後悔と反省のブログをアップしているように思うのですが、結局今年も実現しなった企画・・・そう、『バレンタインデーの通い箱』プランです。以前から「Loop to」でお世話になっている有高扇山堂の有高姐さんにアドバイスをいただき、そのアイデアだけでガッツポーズをしたのはもう数年前の話・・・。『円(まる)き箱』に、高級チョコレートを1かけら入れて、メッセージを添えて彼氏に贈ると、彼がホワイトデーに指輪を入れて贈り返すという恋人たちのセレモニー。
伝説のまま寝かす事3年、いい加減にしないとチョコも溶けてしまいます。毎年バレンタインデーが目の前に迫ると「あっ!」となるもの仕掛けが間に合わず。その日が過ぎてしまえば、喉もと過ぎれば熱さを忘れるように、この企画は忘却の彼方に・・・。今年も同じ轍を踏む事となったので・・・いや、今年は違います!もう1年待ってまた忘れるなんて愚は繰り返しません。そうです、バレンタインデーが駄目ならホワイトデーに賭けます!男がこういうものを買って女の子に贈るか?そんな事やってみなきゃ分からないじゃありませんか。 今の若い男性は、我々の世代とは比べ物にならないぐらいライフスタイルも洗練されていて、当然日々のセレモニーに対しても敏感。時代は変われど、ホワイトでーには何らかのお返しをするという習慣は変わらないわけで、世の中に一人ぐらいは・・・。
バレンタインデーにしろホワイトデーにしろ、最後は男性が女性に渡すという流れなのですから、どこからスタートするかの違いです(己に言い聞かせるように)。どうせチョコを入れるには小さかったかもしれないし、お返しの指輪とか可愛いジュエリーとかの方がそもそも似合っているのかもしれません・・・。まあ、そのような作り手のもろもろの思いも込めまして、ホワイトデーのお返しに困っている諸兄に贈る『ホワイトデー・お返しスペシャル円き箱』いかがでしょうか!勿論、中身は空となっておりますのであなたの思いを詰め込んで下さい。
弊社が作らせていただいている【森のかけら】などは、その用途についてはほとんど説明をしておりません。僭越ながら『感性商品』だという自負を持っておりますので(自分で思わねば誰が思ってくれようか!)、その用途をつらつらと書き綴る事に、私の中では少なからず抵抗があります。むしろその用途や使い方、遊び方を考える事も購入された方の「特権」だと考えていますので、そこまで提案してしまうのは余計なお世話にはなるまいかと・・・。ですから、ホワイトデーの用途で閃かれた方はどうぞ、誰にも言わずにこっそりと楽しんで下さい。
各¥1,575/個(本体¥1,500+消費税¥75・送料別) ご注文はこちらから→
先日、愛媛新聞の「ザ・うれすじ」コーナーにて『木言葉書(きことのはがき)』を取り上げていただきました。「うれすじ」という言葉はあまりに恐れ多いのですが、こういう時は恥も照れもかなぐり捨てるのです。目だってなんぼの商売です。葉書として決して安くない商品(はっきり言えば数倍!1枚420/税込)ですが、それでも販売開始以来延べ1000枚以上の木言葉書が私の手元から巣立っていきました。もしも商品化していなければ、その材がどこかの誰かの手元に届く事はなかったはずです。
【森のかけら】の製作以後、もう少し薄い端材の出口についていろいろ考えていましたが、どうにかこれで『ひとつの小さな小さな出口』は開けられたのではないかという思いです。かつて外材全盛の時代があり、国産材復興が虚しく叫ばれていましたが、それも遥か昔の話。今や国や行政が一丸となって「国内の森林資源の新たな活用」の道を模索されています。しかし闇の中に突如大きな高速道路が現われるわけではありません。獣道がやがて大きな道の導きになるのだと思います。
最初は獣が発見した命をつなぐ小さな小さな獣道でも、そこを多くの動物達が通っているうちに草は踏みしめられ、少しずつ道幅は大きくなり、いつかそこを人が歩きます。やがてそこは拓かれ、草は刈られ整備され多くの人が歩を進める道となるのです。誰もが相手にもしなかった獣道がいつか交通の基盤となり、多くの人や物を運ぶのです。最初から大きな道は無く、どこかでだれかが草をかき分け枝を払い、闇の中に小さな灯りをともすのだと思うのです。
『木言葉書』は、吹けば飛ぶようなか弱い灯りですが、闇夜の中でも蛍の灯りですらも頼もしく映るものです。建築・住宅以外の分野で、わずかでも木の魅力を発信する事、それこそが『森のかけら屋』に課せられた使命だと考えています。例えそれは小さな自己満足でも、遠くまで届く光になりたいと思っています。現在10種類の『木言葉書』ですが、今後更に種類を増やしていくつもりです。といってもすべての木が葉書に適しているわけでもありません。新聞の記事にも書いていただきましたが、製作にあたって幾つかの条件があります。まず文字を書くのにある程度の堅さと、薄い板材に加工した時に反りやねじれの出にくい素材である事、更に木言葉や木の物語との組み合わせ、そして一番重要なのはその「端材」を有している事。幾つかの条件をどうつなげて仕上げるか、まだまだ隠れた獣の足跡を探し出さねばなりません。
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