森のかけら | 大五木材


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街路樹や公園、学校、庭木、神社木など町の中に存在する木が、大きくなって伐期を迎え、これから全国的にみるとかなりの量の木が伐採される事が見込まれています。既に各地でそういった『町の中で伐られた木』を有効に使えないかという事でざまざまな取り組みがされています。いわゆる『都市林業』です。大五木材としては、結構前から『町の中の木』との関わりがあるのですが、結果的にたまたまそうなったというだけで、先見の明があったとか高邁な理念があってというわけではありません。それでも早めに関わり始めたということで、試行錯誤の末どうにかその出口も定まってきました。

そのひとつが【森のかけら】や『モザイクボード』、『森のりんご』などの自社のクラフト商品の原料という事です。通常の山から出材される木と比べると、まったく違うタイプの樹種(灌木なども含めて)が手に入るという点では、多樹種を扱う弊社としては大歓迎なのです。しかし実際に町の木を扱おうと思うと結構いろいろな問題もあります。『町の木』と『山の木』との大きな違いは、伐採から出材→原木市場→競り→製材所で製材といった一連の流れが確立されている山の木に対して、町の木の場合はそういう流れがほとんど確立されていないという点。

つまり「町の木が欲しい」と言ったところで、原木市場のようにサイズできっちり選別して、市日があって、そこに行けば好きな木が買えて、車に積み込みしてくれて、といった機関があるわけではないので、自分で探し出さねばならないのです。巡りあったとしても、市場のようにサイスごとに整然と選別されているわけではありません。こちらが欲しいサイスと必要ないサイズとの見極め、それを誰がいかに行い、どうやって運び出すか、それを人通りのある町の中で行わねばならないケースもあります。ストックヤードなどがあれば最高ですが、状況は常に流動的。


伐採された木を見ていると全部どうにかしてあげたいと思うものの、物理的に無理なので欲しいサイズだけを選別していましたが、最近は『森の砂』や『小枝の輪切り』にも少しずつ需要が出て来たので、今までは控えていた小さな枝などにも手を出し始めました。こんなものまで引き取り始めたらとんでもないことになるぞ、と自分に言い聞かせつつも、目の前にこんな枝があったらほったらかしにすることなど到底出来ない。ということで、形や色合いの面白い小枝なども、『町の変木』とてして扱う事にしたのです。

『町の木』の面白いところは、そういう小枝から葉っぱまで素材がまるまる手に入るという事。山の木の場合は、市場や製材所を経る間に余計なモノが削ぎ落とされて、材のみになります。普通であれば、処分しなければならない余計なモノが無くなって手間が省けると思われるのでしょうが、普段そういうモノとの縁が薄い流通業の材木屋としてはそれが新鮮だったりするし、誰もが見向きもしないところにこそ商売のヒントがある。山の木と同じ事をしたって仕方がないわけで、都市林業ならではの出口を作ってこそ、われらビーバーがそこに介在する必要性と意義が出てくるはず!

 




手に入った丸太は速やかに「解体作業」します。寒伐りなのでこの時期だと少々ほったらかしておいても大丈夫なんですが、水分が抜けると製材しにくくなるので、なるべく水分が多くて刃が通りやすいうちに製材するようにしています。というのも油断していると次から次に丸太が入って来て、狭い土場だとどれがいつ頃伐った何の木なのか分からなくなってしまうから。という事で、今回も『サカキ』をチェーンソーで短めにカットしてから、手押しで少しだけ面を取ってから芯でザックリと割っていきます。少々節は絡んでいても十分な大きさ!

以前は、何を作るか決めてなくて、とりあえず芯を外してなるべく長いままで精一杯大きなモノを取っておこうという考えで製材していました。しかしそれだと結局出口も定まらずいつまでもそのままで、やがてねじれたりして使い物にならなくなった事もあったので、今は【森のかけら】用とか、少し大きなモノは『森のりんご』用、薄いモノは『ストラップ』用などと具体的な出口を設定して短めにカットしてねじれのリスクも軽減させながら製材するようにしています。木の質や杢を見て瞬時に何にするか判断しながら製材。自分で挽くからこそ思い通りのサイズに挽けます。

そして角材、板材いろいろなサイズに挽いた後は、急速な乾燥による割れを避けるために小口にボンドを塗って、桟を入れて風通しのいい日陰で天然乾燥させます。後日ボンドが乾いたところで、忘れないうちに小口に伐採した日付と樹種名、伐採場所などをマジックで書き込みます。この時、小口がザラついているとマジックで書きにくいので、両小口ともスライド丸鋸で切断しています。数があると結構面倒な作業なのですが、これが大事。ここまでしておけば混乱することもないし、なにより粗末に扱えなくなります

材の方はここまでやれば、後はじっくりと乾燥するのを待つばかり。目安としては1年ぐらい先に使えればいいなと考えているので気の長い話。その頃にはどこでどうやって手に入れたのか記憶が曖昧になるので、こうしてブログに書き残しておくのも大事なことなのです。今回はサカキという事もあったので、枝葉もいくらか残ったままもらってきました。枝葉は捨てることなく事務所の神棚に。市場とかで仕入れれば枝葉などありませんので、こういうのはビーバー救出隊ならでは。お陰で最近は葉っぱにも目がいくようになってきました。

長さをカットするときに発生するおが屑だって無駄にはしません。今までも大量に発生したおが屑ですが、モッタイナイと思いながらも活用方法を見出せず結局廃棄してきましたが、今では『森の砂』という大義名分が出来ましたので、堂々と採集することも出来ます!特にサカキのおが屑は匂いに特徴があるので、染色材としてだけでなく、香料として使えそう。小枝も輪切り丸太にして名札やコースターにする(その際のおが屑も)と、ほぼ捨てるところなく使うことが出来ます。折角ご縁のあった神様に近い木、しっかりと骨までしゃぶり尽くして使わせていただかねば不謹慎!

 




どんな木でも掘り下げてみると実は思いがけないところとつながっていたり、こんなところとも関わりがあるのかと驚かされることがよくあります。それぐらいわれわれの日常生活において木は切っても切れない密接な関係にあるということの証明でもあります。近所からいただいたオリーブですが、伐採して欲しいという話は昨年の年末からあって、こちらの都合で年明けとなったのですが、その頃からオリーブの事が少し気になっていました。縞柄の木自体が好きなので以前からオリーブは好きな木のひとつだったので、伐採させてもらったらまたブログで取り上げよう程度の漠然とした気持ちでした。

引き寄せの法則』というものがありまして、その事について強く念じ思い続けていると、それに関わるひと・ものが引き寄せられるように出会ったり、集まってくるというものです私の場合は、特定の樹種というより、木のモノ全般について何か面白い話はなかろうかと、「そのあたりに落ちている話」も拾うように心がけているのですが、最近は引き寄せられる事が多くなってきているように感じます。先日まで引っ張っていてラ・コリーナさんでもオリーブを見つけていて、独り勝手にゾクッとしたりしていたのです。このタイミングで出会うってもしや・・・?!なんて。

それがこちらの『オリーブ大福』。グルメブログではないので商品説明をする気はありません。樹になったのは、和菓子にオリーブという組み合わせです。その時はレジもお客さんが一杯いたのと、ダイエットの最中でもあったので手は出さなかったので、実は味は知らないのですが(笑)、後で読んだ山本社長の著書でその背景を知りました。数年前に知人とイタリアに行かれた際にあるワイナリーで、環境への負荷を考えながら経営をされているオーナーに出会われます。「自然に学ぶ」というその考えに共感した山本社長がとった行動が凄い。

そのワイナリーではワインの他にオリーブオイルも作っていたのですが、そのオリーブオイルが絶品だったそうで、「こういう人と長く商売がしたいと思った山本社長は、つい発作的に「ここにあるオリーブオイル全部買います!」と言ってしまったのです。結果的に20フィートコンテナで1台分のオリーブオイルを仕入れられました(個人で飲むと10年かかる量!)。しかもその時にはそれをどう使うか明確なプランはなかったというのです。その点は、市場で面白い木を見つけたら後先考えずに衝動的に買ってしまうので気持ちはよく分かりますがスケールが違いすぎる。

それでも本当にいいものは必ず売れるという信念のもと、和菓子にオリーブという奇抜な発想の『オリーブ大福』を商品化して大ヒット。コンテナ1台分のオリーブオイルは半年もたたずになくなったというのです。たまたま偶然そういう結果になったという話ではなく、常に感覚を研ぎ澄ましておけばこういう出会いがあって(会っても気づかない事が多い)、日々の修練に裏打ちされたモノが作れるという事。なるべくしてなった、会うべくして会った、と言えるまでにどれほどの時間が費やされてきたことか。ものづくりの深淵を垣間見た思いです。今回はたまたまオリーブでしたが、木はいろいろな事を示唆してくれます。日々発見、日々勉強。知らない事ばかり。驕るなかれ、臆するなかれ。だから木は面白い!

 




やり方はいろいろあるんでしょうが、私は曲がりのある小枝は片手で強く固定してスライド丸鋸で送り出しながらカットしています。そうすると当山大量のが屑(う~ん、やはり屑という言葉にはもの凄く抵抗あるので、この後は〔おが〕にします)が発生します。普通であれば集めて捨てるのでしょうが、折角のオリーブなのでおがとて無駄にはしたくない。オリーブの実は食用(塩漬け、大好物!)やオリーブオイルの原料にもなるし、葉は工作などにも利用できますが、おがを使うという話はあまり聞いたことがありません。

以前に、オリーブの葉と枝を煮出して草木染に使ったことがあるという話を聞いていたのですが、おがはどうなのかしら?どういう形で利用できるか分かりませんが、『森の砂』という出口も作ったことださし、ちょっと黄色味を帯びた触り心地のいいおがを捨てるなんて出来ない。という事でしっかり採集しました。しかし生材から発生したおがなので、これをこのまま瓶などに入れて密閉しておくとカビてしまうので、段ボールの上に薄く広げて天日で干して乾燥させることにしました。1週間も乾かせるとかなりサラサラした状態になってきました。

以前に採集したホルトノキのおがにまだ水分が残っていて、折角採集したおががカビてしまい台無しにしてしまった経験があるので、今回は念には念を入れてしっかり乾かせます。完全に水気が抜けたら瓶に詰めて『森の砂・オリーブ』として販売するつもりです。匂いはほとんど感じません。これが草木染に使えるのかどうかは分かりませんが、『森の砂』としてサンドアートならぬ、ソウダストアート(SawdustArt)という使い道だってあるはず。出口は常に自分の身近なところにあるとは限らない。それは、世界の裏側にあるかもしれないのです!!

まあそういう事で、幹、小枝に続いておがも捨てるとこなく『出口』の末席のほうに並ぶこととなりました。小枝をカットしていくのですが、最後の方は弾けて危ないので、どうしてもこれぐらいの身近なとこが残ってしまいます。怪我をしてしまっては元も子もないので無理はしませんが、残ったからといってこれを捨ててしまうのも忍びない。まだ彼らにも相応の出口はあります。何に使うの?と思われるでしょうが、家内がやっている子供たちの木工では、こういう個性のかたまりこそが人気で、子どもたちは上手に作品に仕上げてくれるのです。

という事で、ほとんど余すとことなくオリーブは活用させていただく目途が立ったのですが、まだ細い枝と葉が大量に残っています。これこそ煮出して草木染に使いたいのですが、さすがにそこまで時間がありません。利用できる方がいれば使っていただきたい。『森の砂』の方は、まだまだ安定していませんが、少しずつ草木染に使いたいという話を伺うようになりました。熱しやすく冷めやすい私としては、『森の砂』で染めた数10種のTシャツを日ごと着分けしてみたいと思ったりもするのですが、道はまだまだ遠い・・・。輪切りのオリーブも少しずつ乾いてきました。

 




さて今回伐採させていただいた『オリーブ』の主たる出口は勿論【森のかけら】と『森のりんご』(あと現在企画中の小物)ですが、幹だけでなく小さな枝葉までまるまるいただきましたので、そちらも手早く調理しちゃいます!これぐらい鮮度がいい時で、しかも寒い季節であれば皮付きでもかなりいい状態のものが取れます。【森のかけら】だと、芯を外して最低でも荒サイズで40~45㎜角は必要になってきます(乾燥中の収縮やねじれなども考慮するとこれぐらいは最低必要)。

芯を外して45㎜というと、直径でいうと最低でも150㎜以上は必要になります。灌木だとその条件を満たすのはせいぜい根元の方のごく一部。このオリーブも結構大きな木でしたが、曲がりなどもあって、【森のかけら】に使えるのは全体のほんの数%。まあ、それで十分なのですが、残りをどう生かすかが肝心。それで今回は残った小さな枝部分はすべて薄い輪切りにすることにしました。手元に注意しながら小さな枝までスライド丸鋸でカットしていきます。かなりの量が取れました♪

今までにもこういう小枝の輪切りはいくつも作って来ましたが、しばらく置いていた小枝を使ったりしていたので樹皮が剥げたり汚れていたり、あるいは時期が悪くて虫が入っていたりして、こんな感じに皮の状態がいいものはなかなか作れていませんでした。輪切りの小枝ってやはり綺麗な樹皮がついているものが求められるので、オリーブの小枝は理想的。ただし生材なのでこれをちゃんと乾かさないとカビてしまい台無しになるので、同じ轍を踏まないように全部広げて乾かせます。

こうして並べてみると大きさも形もさまざま。枝が曲がっているので固定できないので感覚でカットするため、厚みも不揃いですがこれでいいんです。以前なら厚みも揃ってないとおかしいとか、お客さんはそういうものを求めているみたいな頭でしたが、自分でもそのあたりは随分やわらかく考えられるようになりました。無理せず自分の出来る範囲でもったいないをなくす。ハードルを上げてコストをかけて高いモノを無理して作って在庫になるぐらいなら、売りやすい価格で作れるモノを全部売り尽くすほうが、もったいなくない。そう考えるようになってきました。

だからといって手間をかけないという意味ではなくて、外注に出して加工賃をかけてまで作らなければならないか自社でで切る範囲のものづくりにするかの見極めをするという事です。なのでこのオリーブの輪切りも、この後何度もひっくり返して乾燥させていったり、乾燥後はサンダーで磨いて、植物性オイルを塗ったりして、自社の中で出来る手間をかけて仕上げるつもりです。よく見てみるとその中に、偶然小さな芽がついているものがありました。独りで妙ににやけてしまうのです、何かいいことありそう!

 




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