森のかけら | 大五木材


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昨日、『シャリンバイ(車輪梅)』の事を運命的な出会いのようなテンションで書かせていただきましたが、以前から気になっている木があって、たまたまその名前がテレビやSNSで目や耳に入ったり、新聞や雑誌でそれに関する記事などと出会ったりすると強く脳に刻まれ、それが風化されないうちに再びその名前に出会ったりすると、これってもしや運命の赤いとで結ばれていたのでは~!なんて風に受け止めてしまうおめでたい人間なので、日々至る所で「運命の出会い」に感激するのに忙しいのです。この『ハナノキ』だってその1つ。

それまで名前すら知らなかったその木に初めて出会ったのは、昨年の6月の事。日本木材青壮年団体連合会(木青連)の全国会員福井大会の際に、先行して北陸入りして待望の『兼六園』+『金沢城』を観光中に、『金沢城公園』で初めてハナノキに巡り合ったのです。その時の様子については、ブログをご覧いただくとして、それからおよそ1年後に今度は三重で薄い板に挽かれたハナノキに遭遇。すると私の中の記憶はこの2つのたまたまの出会いを運命的なつながりだったかのように強く錯覚してしまうのです。

カエデ科カエデ属の落葉高木で、春先なると紅色の花が咲いて遠くから見ると、赤い花飾りのように見えるところからこの名前がつけられた木なのですが、ハナノキは日本の固有種で、長野、岐阜、愛知のみに自生しているとされています。愛知県では県木にも指定されていますが、この材もそちら方面からの仕入れだったか、ちょっと記憶が曖昧・・・。産地はともかく、板になってしまうとカエデの仲間なので、見た目の印象は「カエデ一族」。材としての特徴云々ではなく、そのネーミングだけで欲しくなってしまう木のひとつ

まあそう言ってしまうと身も蓋もないのですが、国産の硬質で白っぽい木ってどうしても印象が似たり寄ったりになってしまうのは仕方のないところ。材としてきわっだった特徴の無い場合は、名前から入るべし、というのが弊社の方針。なので、ハナノキはその名前だけで弊社の在庫に名前を連ねる資格があるのです。ただ、ビーバーハウスでは少し薄めに挽かれる傾向があるので、それに合わせた『出口』を早めに確立させる必要があります。これで二度目、三度出会ったらその時は有無を言わずに買うしかないっ!




ところで、これも『引き寄せの法則』なのかもしれませんが、その後思わぬところでシャリンバイに遭遇することになりました。それは、道後で日用品・台所用品・雑貨などを販売している『BRIDGE さんに行った時の事。店主の大塚加奈子さんは『えひめのあるくらし』のメンバーであり、人気商品『丸いまな板』をコラボしています。それを納品に行った際に思わずシャリンバイと遭遇!それがこちらのシャリンバイのドライフラワー・リースです。この美しいリースを制作されたのは二名良日(ふたなよしひ)さん。

このドライフラワーのリースは、『草輪 Wreath』という作品で、シャリンバイの他にもネコヤナギやロウバイ、タケ、モミなどが展示されていました。初めて拝見したのですが、その造形美に体全身に電気が走ったような衝撃を受けました。これは・・・素晴らしい!いろいろな小枝と葉と実で作られているのですが、これも『森の出』の1つのカタチ。今まで200種類を超える材を扱ってきたものの、その対象は幹であり、その先にある小枝や葉、実については、興味はあったもののモノづくりの対象とは考えていませんでした。

正直やられた~という気持ちと、発想の面白さから軽い嫉妬を覚えながらジックリと拝見させていただきました。その後、二名さんのホームページを拝見すると、四季ごとの美しい草輪がズラリと並んでいました。嗚呼、ダメなんです。こういうワンスペックの多品種にもの凄く弱いんです。BRIDGEさんに伺った時には、入荷した結構時間が経過していたらしく、いい感じのドライフラワーになっていて枯れた味がでていたのですが、入荷時はまだ葉も瑞々しくて美しい緑色、実も青かったようでその経年変化の様子も素晴らしい!

ビーバー隊長と出会ったから私の中のストライクゾーンも徐々に広がってきました。それまで反応もしなかった(私にとってのボールコース)にも体がピクッと動くようになり、時々手が出るようになりました。まだなかなかヒットゾーンには運べないものの、打てる球が増えたことは素直に嬉しいし、こちらの打ち方も進化しているような気がします。たぶんビーバーハウスでシャリンバイの木を見ていなかったら、BRIDGEさんで草輪のリースを見てもここまでの感動はなかったはず。見えなかったものが見えてくるって楽しい~!




★今日のかけら番外篇・E031シャリンバイ/車輪梅】 バラ科シャリンバイ属・広葉樹・三重産

Rhaphiolepis indica var. umbellata

ビーバー隊長の素晴らしいところは沢山ありますが、その中のひとつにストライクゾーンの広さがあります!それは恐ろしいほどに広くて、広葉樹中心に針葉樹、街路樹、低木、灌木何でも来いです。ビーバーメンバーの『熊鷹』こと柳田国男さんと日々材の捜索には余念がありません。『木に貴賤なし』がモットーのお二人は様々な木を『救出』されるのですが、中にはこういう木もあります。バラ科の『シャリンバイ(車輪梅』。私の中では製材する木という認識すらありませんでしたが、まさかこういう形で巡り合うとは!


名前こそ知っていたものの枝をまじまじと見るのは初めて。誤解を恐れずに言うならば、この木にどれほどの特徴があるのかというのはビーバーにとってはあまり意味がありません。シャリンバイという種類の木が今ここにあるということこそが肝心なのです。一体全国でどれだけの人間がシャリンバイの木を探してきて製材しようと思っているのか。日本植物学の父・牧野富太郎博士によると、「梅のような花が咲き、枝葉が密集して輪生状に(車輪のスポークのように)出るからである」と、その名前の由来を説明されています。

分布域は東北南部より以南ということで愛媛県にも分布しています。日本一細長い半島で知られる愛媛の佐田岬周辺では、『ハマモッコク』の名前でも親しまれているそうです。これは先に『モッコク(木斛』という木の説明をしておくべきなのですが、それは項を改めるとして、浜辺の山に生えるモッコクという意味です。どちらも常緑で、葉が厚くて表面に光沢があり、その特徴がモッコクに似ていることが名前の由来だそうですが、材質はどうなのでしょうか。まだ挽かれていなかったので、その中身が気になるところです。

乾燥や大気汚染にも強く、よく刈り込みに堪えることから道路脇の分離帯や街路樹にも植林されているそうですが、幹や根にはタンニンが含まれていて染色用の染料にも利用されます葉には消炎作用があり、潰瘍の腫を煎汁で洗浄する他、打撲傷に用いられたりもします。なるほど低木ながらいろいろ利用価値のある木のようですが、材としての用途については硬いので木槌に使われるというぐらいで、他にはほとんど記述が見当たりませんでした。やはりそうなると、【新・森のかけら】の1つに加えねばなりますまい!




ビーバーハウスは昔からビーバーハウスであったわけではありません。ごく普通のまっとうな製材所時代もあったそうです。隊長(武田誠さん)から訊いたところ、昔は水力を動力源とした水車製材所だったそうで、その当時の貴重な写真を見せていただきました。当然今はその設備はありませんが、武田製材さんが昔からこの土地で木の仕事に関わられた事が伺えます。昭和の初め頃まではこの水車を使って製材していたということでしたので、隊長の先代か、先々代の時代でしょうか。

武田製材がビーバーハウスと呼ばれるようになったのは、現社長の隊長(武田誠さん)の時代からではあるものの、隊長とて最初からビーバーだったわけではありません。逆に驚いたのですが、ビーバーになったのは今から7、8年前の事で、それまではスギなどの針葉樹で梱包材を挽かれる『時間と競争する納期厳守』の製材工場だったそうなのです。今の状況からは想像もできないのですが、驚かされたのはその事よりもわずか7、8年でここまでになったビーバーの破壊力!?

1年365日のうち正月を含んだわずか数日だけが心休まる日々で、毎日が迫りくる納期との争いで、5,6人の社員の方々と一緒に梱包材を挽かれていたそうです。やがてその反動から、ビーバーへと生まれ変わっていかれるのですが、その当時の土場を写した写真を見ると、そこには梱包用のスギの丸太が並べられ倉庫にも整然と梱包材が積み上げられていて、現状とのあまりの変貌ぶりに笑いそうになってしまいます。人間、やる気になれば短期間でここまで変われるものか!?

ビーバーハウスの土場や倉庫では挽かれた材に、小さな木の板が打ち付けられ木の名前や挽いた日付などが書かれています。挽く材がかなりマニアックなものが多いのと、その数も100種を超えているので、さすがに名前を付けておかねば分からなくなってしまうためですが、これすべて隊長が自ら行われていて、その仕事ぶりは実に几帳面。何の端材だったかすぐに分からなくしてしまう雑な私には到底真似ができません。本来ビーバーはこうでなければなりません。それにしてもそれらの名前を目で追うだけでも食指が動く~!




日本の広葉樹に魅せられたビーバー隊長こと武田誠さんは、変わった木を見つけたら挽かずにはいられなくなる『ビーバー症候群』に患われていて、まるで挽くことが目的になってしまったかのように次々と珍しい木々を鋸にかけています。挽かれた薄板は所狭しと工場の内外に積み上げられています。そんな光景を見て、私の心はドキドキ!こんな場所に長居していたら、すべて欲しくなってこの材がそのまま松山に移動してしまうそうになりそうで怖い・・・当然ながら私も長年ビーバー症候群を患っている者です。

恐らくここを訪れた多くの方が隊長に以下の言葉を投げかけられることでしょう、「こんなに挽いてどうするんですか?どうかお願いですからもうその質問は止めてあげてください。本能的に木を集めてしまう(隊長の場合は集めて挽いてしまう症状)ビーバー症候群を発症しているのです、病気なんです!どう評価されようとも気にしないので、どうかわたしたちの事はそっとしておいて下さい。そして静かに見守っていて下さい。どこまで本気なの?いやいやどこまでも本気なんです。それが分かる人は軽いビーバー病?!

何事も極めれば芸というか、それなりの評価を受けることになります。周囲から何と言われようともわき目もふらずに日々鬼神のごとく木を挽き続けた隊長のそれは、もはや地域の「観光事業」に指定されてもいいのではないかと思うほど。それほどにこの地には多くのビーバー症候群の潜在的感染者が全国各地からやって来るのです。それは「お客さん」というよりも信者による「巡礼」に近い感覚なのかもしれません。まさにここは聖地!何事もやるからには突き抜けなければ意味がないということをここは示唆してくれるのです

私も【森のかけら】を作り始めた時に、当初は周囲から相当に白い目で見られましたが、その種類が200を超えるようになって、全国から注文が舞い込むようになり、その販売数が500セットを超える頃から周囲の反応はガラリと変わりました。その志は当初から何も変わっていないのに、変わったのは周囲の反応。隊長もきっと同じような体験をされているはず。最新機械の大型工場で大量に挽くことを目指す住宅資材向けの製材業とは別次元の、ある種の人々から求められる製材業の「あるカタチ」がここにはあります




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