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昨日に続いて、『日本酒で楽しむ和食』の会の続きです。本会からは少し話が脱線しますが、純米酒の料理に添えられた『柊(ヒイラギ)』について。節分の魔除けとして玄関や門口に飾られる『ヒイラギに鰯の頭』の由来は以前に『今日のかけら』の項でご紹介しましたが、鰯の頭のようなつまらないものでも、信仰次第では尊いものに転じることから、皮肉を込めて使われています。葉一枚でもこうして物事が繋がってくると嬉しいものです。
さて、木を語る上での私の信条は、『肉を買う時は肉の事が好きで好きでたまらない肉屋から、魚を買う時は魚の事が好きで好きでたまらない魚屋から買いたいと思う。だったらひとも木を買う人も木の事が好きで好きでたまらない材木屋から買いたいのではなかろうか、という思いから目をキラキラさせながら夢中で木の事を語る』というもので、そんな思いは暑苦しいとか重たいと言われてもそのスタイルを変えるつもりはありません。
山川社長も久保田料理長もきっと同じ思いだと思われますが、ただその思いは熱くとも語り口が上品で、上から目線の教えてやる感も押しつけがまさも一切ありません。プロフェッショナルとしての酒造りと食への火傷しそうな熱い情熱は底の方に沈殿し濾過され、口当たりのいい言葉で素人にも分かりやすく楽しませるお話には学ぶところが非常に多く、不特定多数の人を相手にする御商売のお手本としてその腕前を堪能させていただきました。
また当日いただいた資料の中に「梅錦おすすめカレンダー」というのがあって、季節や節季の行事に合わせた梅錦山川さんのお酒の紹介がされていました。例えば母の日にお薦めなのは『四季香麗水』とか、お月見には秋季限定の『ひやおろし』とか、バレンタインには本醸美酒『ずっと好きでいてください』などと。お酒の風味や特徴と季節の行事を絡めていらっしゃいます。いまさらながらの話ではありますがモノを売るための動機づけとしての物語性の構築の重要性はいかなる職種にとっても必須命題。個人的な嗜好からも、何とかこういう場面で日本酒に添えて使っていただけるような木の器の商品を作りたいところです。勿論物語性たっぷりと盛り付けて!
先日は天皇陛下がお泊りになる事で有名な創業380余年の老舗旅館『ふなや』で開かれた『日本酒で楽しむ和食』というイベントに参加させていただきました。このイベントは、フジと愛媛新聞の主催で開催されている『愛媛エプロン教室』の一環で、愛媛を代表する酒造会社・梅錦山川㈱の山川浩一郎社長とふなやの久保田昌司料理長を講師にお招きして、こだわりのお酒に合う料理を楽しみながら、おふたりのプロからお話をお聞きするというもの。
私は今回初参加でしたが、いつも人気のある企画だという事で、今回も定員70名に対してなんと300名を超える応募があったらしく4倍を超える競争倍率を勝ち抜いての参加でした。その幸運のチケットを手に入れてくれたのは大学時代からの悪友である岡慎治君。格式ある老舗旅館の金屏風が飾られた間に、選ばれし見知らぬ大人たちが集まりました。梅錦山川㈱さんは、明治5年に創業し、5代も続く愛媛でもっとも大きな酒蔵です。
第一部はその山川社長が、「日本酒の楽しみ方」と題して日本酒の造り方やその種類についてお話しいただきました。山川社長はお酒に対する卓越した知識をお持ちで、日本酒業界でも有名なお方です。私はお会いしたのは初めてでしたが、その穏やかな語り口から温厚な人柄と、お酒造りが好きで好きでたまらないという熱い思いが伝わってきます。限られた時間には到底収まらない酒への強い思いが次から次から溢れだし言葉が尽きません。
それは久保田料理長も同様で、第二部では当日用意された3種類のタイプの違うそれぞれの日本酒(大吟醸、生原酒、純米酒)に合わせた料理を作られその解説を丁寧にしてくださったのですが、そのこだわりぷりはさすが老舗旅館。味は勿論のことですが、目で楽しませることにも徹しておられて、生原酒に合わせた料理の更には季節感を演出する『柊(ヒイラギ)』の葉が添えてある憎い演出。ヒイラギに鰯の頭は節分の魔除けです。
ギフトショーに出展する木材関係者はかなり多いのですが、そのほとんどは木工クラフトなどを製作したり取り扱っている企業です。弊社とて木のモノは展示しているものの、素材としての木材そのものを展示しているわけではありません。そんな中にあって 真正面から正攻法でギフトショーに木材をぶち込んでくる恐れ知らずの無謀な、いや勇敢な材木屋がいます。それこそが加賀百万石、石川県金沢市に事務所を構える㈱ムラモト!
㈱ムラモトを率いる村本喜義社長は今までにも何度か拙ブログにも登場していただきました。年齢は村本さんが少し上で、お互い日本木青連に所属していたものの現役時代の交流はありません。木青連を通じての直接的なつながりというよりは、卒業後に風の便りに聞いた噂を元に知人からの紹介を通じてのつながりで、今や私の兄貴分です。年齢や住んでいるところは違えども、材木屋としての本懐を究めようという思いは共通なのです。
村本さんは地元石川の『能登ヒバ』に強い愛着と情熱をもっておられて、全国的に知名度の低い能登ヒバを使った内装材や木製品などに啓蒙と販路拡大に邁進されています。その一方で、石川県において決して利用頻度の高くなかったアフリカや中南米などの外材の一枚板や耳付き材を広める事にも精力的で、全国の市場などを巡って集材に日々励まれています。『能登ヒバ』についての詳細は、日を改めてご紹介させていただきます。
以前に岐阜の銘木市場でもご一緒したのですが、メールなどではしょっちゅうやり取りしているものの直接お会いする機会は多くないため、今回も夜の食事でご一緒させていただく事になりました。ムラモトさんは、今回このギフトショーだけでなく、パシフィコ横浜の方で開催されているテクニカルショーにもブース出展されるという豪気ぶりで、ギフトショーにも社長はじめスタッフ3名の方が来られて対応にあたられました。
上の写真がムラモト軍団!右端より村本喜義社長、営業の酒井博規さん、水野斉さん、そして右端が村本さんの息子の村本大君。その4人と私の5人で、ホテル内の居酒屋にて延々と口角泡を飛ばしながらの熱い熱い木材トーク。普通の方とでは呆れられるようなマニアックでディープな木材話もここでは全開全力で話せるのが何よりも嬉しいところ。愛媛と石川の木材大好き大馬鹿野郎たちの東京の歓喜の夜はこうして更けていったのです。
ギフトショーの第三話。『えひめのあるくらし』ブースには沢山の方がお越しいただきました。企業4社が前半部隊と後半部隊に分かれて会場に常駐して説明する事になり、私は後半の5、6日を担当させていただきました。ブースには国内のいろいろな所から様々な職種の方が一堂に集まって来るので、そういう方とお会いできるのだけでも楽しみです。オーストラリアからのご一行様ともフランクに言葉を交わせるのは『おとな』だから!
『えひめのあるくらし』としては2年目の出展ですが、嬉しいのは昨年お越しいただいて話をさせていただいた方々が今年も訪ねて来て下さったこと。取引のあるバイヤーとしてなら当然の事でしょうが、自分が愛媛出身であるとか、身内が愛媛とつながりがあるからというだけの理由でお越しいただいて楽しく話をさせていただいたのですが、わざわざ今年もブースを探して訪ねてくださったりと「えひめ」の強い結びつきに感謝!
それも、冠に『えひめ』という地域名を掲げた事によるもので、yatcoさんのポンカンの橙色とディフェーザーから香るエッセンシャルオイルの香りに引き寄せられて、故郷あるいは馴染みのあるえひめの看板のもとに、沢山の愛媛出身者の方々がお集まりいただきました。これはやはり命名者たる井上さんのお手柄!さすがでございます。更に今年もチーム郡上八幡㊨の皆さんもご来店、今年こそは交流戦の実行を硬く誓い合いました。
全体のコンセプトを説明させていただいた後は、それぞれの企業が自社商品の事を詳しくお話させていただくスタイルです。出展しておきながら言うのもなんですが、卸取引の開拓を重視していない弊社にとって、ストライクゾーンは極めて小さいのですが、今回は『誕生木』という設定に興味を寄せていただく企業が続出で、今後の展開次第では面白い事になりそうです。やはりこれからは『物語性』を付加する事が最大のポイント。
そういう意味で、日本全国知らない人はいないと思われるほど絶大な認知度を持つ物語性付加値のお手本のような企業のブースに見学に。そこは、かの無敵のヒーロー・ウルトラマンを生み出した円谷プロダクション。一体何の展示かと思ったら、鉄板のネームバリューを使ったコラボ商品やキャラクターリンクなど商品化権のPR。嗚呼、これぞ夢のコラボ!『かけら』怪獣と戦くうウルトラマン、いやウルトラのかけら、そしてそして・・・
『えひめのあるくらし』のコラボ商品『茶器セット』は、愛媛県産山桜の木箱の中に、砥部焼の茶器が収まり、リネンガーゼの風呂敷で包んで持ち運んで、外でお茶を楽しめます。その日の気分に合わせて、甘夏や伊予柑の果皮・果汁に、化学精製のなされていない粗糖・洗双糖を加えて作ったマーマレードもいかがでしょう。白石さんのお眼鏡にもかなったようで、白石さんの部屋を彩るアイテムの1つに加えていただきました。
この取り組みはただコラボ商品を開発するというだけではなく、『白石さん』を通じて愛媛にあるいいもの、面白いものを暮らしに中に取り入れてみませんかというライフスタイルの提案であり、愛媛の方には地元にあるモノ、地元から生まれるモノを見直していただこう。県外の方には知っていただこうというもの。 その茶器セットの実演編の撮影は先にメンバーが集まって行われたのですが、それはまるでコントのような空間の中で始まりました。
リアル白石さんこと井上女史の指導のもと、改良が加えられコントから次第にテレビのCMの撮影風景にまで昇華。実際に使っていただく事で、『おとな』たちが作り上げたモノに物語が加わりました。おとなの部活動は、個性的な異業種の面々が絶妙なバランスで成り立っているのですが、その根っこにあるのはそれぞれの仕事に対する尊敬と配慮。一家言のあるメンバーですが、それぞれの得意分野に対しては絶対に領空侵犯しません。
撮影中もあれこれ外野からヤジは飛ぶものの、最後はきちっと収まるのもそういう線引きがしっかりしているから。そこは「おとなのたしなみ」、遊ぶ時は遊ぶが任された仕事はきっちりと仕上げます。そうして茶器セットとそれを使った『えひめのあるくらし』の撮影も無事終了。ただ各企業の商品を持ち寄った寄せ鍋商品から一歩足を踏み出すことができた気分です。コラボ商品が生まれるのも嬉しいのですが、それ以上に通常であればつながる事の無かった異業種の方々とこうして交わり、語り、もうそれだけで楽しくて面白くてたまりません。
異業種の取り組みとしては目に見える形(結果)を出すこと以上に、自分の仕事ぶりや考え方に共感したり共鳴してもらう理解者(特に同じものづくりの立場の)に出会えることのプラス効果は絶大。それがただのなかよしサロンになってしまっても仕方がありませんが、私の場合は異業種の中で水平展開する事で樹という素材の可能性に触れて、毎回大きなヒントや出口の鍵をいただいているところなのです。「おとな」に栄光あれ!
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