森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

造作に国産の『クリ(栗』を使いたいというご要望があり、北海道産のクリの耳付板を仕入れました。今までクリといえば、主に東北からいただいていたので、北海道産のクリは久し振りでした。私の中では、若い頃に出会った福島会津栗(クリ材でフローリングが作れるのかという衝撃)、岩手で見た圧倒的スケールのクリの丸太(カメラのファインダーに収まりきらない膨大な量に対するたじろぎ)、整然と管理され極めて製品精度の高い角館クリ(ものづくりの姿勢に対する尊敬)のイメージが強くありました。

北海道産のクリは昔、一枚板の板材などで仕入れていましたがそこまで印象は強くありませんでした。実物が入荷して見てみると、想像以上に大きなモノもあり大満足。木取りに苦労する事もありませんでした。そのクリから、特厚のフローリングをはじめいろいろなモノを作らせてもらったのですが、それはいずれご紹介させていただくとして、今回は北海道のクリという事で、以前から気になっていた話について。入荷したクリは北海道は函館産のものでしたが、函館のクリというと、その隣町にある『七飯町の一本栗』が有名。

存在は知っていてもまだ行ったことはないのですが、パワースポットや都市伝説好きな人には有名な不思議な巨木伝説が残っています。七飯町(ななえちょう)は函館市に隣接する人口3万人足らずの小さな町です。明治3年にプロシア(現ドイツ)人、R.ガルトネルが 洋種農作物の栽培を行ったことが、当町農業の契機となり、日本における洋式農法を基盤とした近代農業発祥の歴史を持つ町なのですが、その町に一本栗地主神社という神社があり、その境内に生えている巨木の御神木こそが七飯町の一本栗

樹高約15m、胸高直径1.5mあまりの巨木。クリとしてはかなりの巨木、のようですが実はこれ2本の木が支え合うように絡み合っていて、もう1本の木はハリギリ(センノキ:栓)。専門家の鑑定によるとクリの樹齢は1000年(!?)だそうですが、数年前に枯れてしまったそうです。果たしてクリの木が1000年も育つものなのか分かりませんが。ちなみに記録によると、山形県の西川町にある『大井沢の大栗』が樹高15m、目通り幹囲8.5m、推定樹齢800年で日本一のクリの巨木とされています。七飯町のクリは北海道の中では最大と言われています。明日に続く・・・




今年も自宅の傍らに植えた桜桃が薄紅の可愛らしい花を咲かせました。春には花を愛でて、初夏になるとたわわに実ったサクランボを採って食するのも家族のささやかな楽しみでした。カラスや鳥たちに食べられる前に収穫しなければならないのですが、タイミングが早いとまだ酸っぱくて、朝学校に向かう子供たちも収穫のタイミングを逸しないように注意を払っていました。残念ながらその桜桃の花を愛でるのも今年が最後となりました。

私の自宅のある敷地と地つながりの土地を資材置き場として長年借りていたのですが、3月末でその土地を返すことにしました。昔はここに梁や桁などの構造材や野縁、ラス板、胴縁などの羽柄材を積み上げていましたが、この10年で弊社の取扱品目もかなり変わりました。梁や桁などの構造材は在庫していませんし、野縁などの乾燥材はすべて表の差し掛けの倉庫に移動。今は天然乾燥させている下地板をわずかに置いている程度。

耳付きの板材などの取扱量が飛躍的に増えたのですが、雨ざらしで保管できるものが少なくなった(昔は構造材も羽柄材も普通に屋外で保管していた)という事情もあり、ここ数年は弊社でイベントをする時の駐車場として主に使っていたのですが、折角の土地を使いきれていない現状を鑑みてお返しすることに。地主さんが松山に居ないということもあって、土地は住宅会社に売られて分譲地として整備されることになりました。

早速測量が行われ、杭が打たれ重機がやって来て地面が掘り起こされていきます。私が会社に入って直後からおよそ四半世紀も見慣れていた光景が一変。それで境界際に植えていた桜桃の木も伐らなければならなくなりました。弊社がある県道から西は、30年前は畑が広がるばかりで人家はありませんでしたが、ここにも6件の家が建つそうで来年の今頃は全然違う光景になっていると思われます。そんな感傷にも浸る52歳の春の日。




本日は倉庫整理。倉庫の奥の方には普段出にくい木材を入れているのですが、滅多に声のかかることの無い木は奥へ奥へと詰め込んでしまうので、年に数回ぐらいは強制的に「撹拌」させないと、どんどん積み重なってしまいます。自分の中では、強い台風がやって来て海中が撹拌され、海底の冷たい水と水面の温かい水が混じり合っていいバランスになるというイメージ。今回も数年前から倉庫の奥深くに埋没していた『ホンジュラス・ローズ』が数年ぶりにその神々しいお姿でお出ましになられました。

ギターなどの楽器にも珍重されるホンジュラス・ローズですが、私が持っているのはそこまで木柄の整ったものではありません。あくまでも『世界中のすべての木を見たい、触ってみたい』という私の心の声、材木屋信条に従って買ったまでの事。木柄云々よりも実物を手にしてみたかったというのが本心で、それをどうやって売ろうかなどとは考えてもいませんでした。それでも、日本中には自分と同じような樹種フェチ、他樹種愛好家もいるはずだとの無謀な確信があったので、いつかは必ず売れると思っていました

仕入れたのはホンジュラス・ローズの丸太で、それを板に賃挽きしてもらったのですが、それから既に10年以上もの月日が流れていきました。その間、ホンジュラス・ローズにご指名がかかったのは10回程度。やはり世の中には似たような嗜好の人間もいるようで、大体年に1回ぐらいは『ホンジュラス・ローズってありますか?」とお声がかかります。しかしだからといってそれが必ずしも商売に結び付くわけではなくて、サイズをはじめ木柄、価格の問題等で取引に至らないケースも多かったりするのです。

現在もオンラインショップで数枚アップしているものの、なかなか売れません。もっと安かったら買いたいという方は多いものの、ホンジュラス・ローズの丸太って凸凹が多いだけでなく、ねじれ曲がったりしているうえに辺材のダメージも多く、無節で赤身の張った大トロ部分なんて、そんなに取れるものではないのです。もっといい丸太を買えばいいのかもしれませんが、自分の好奇心を満たすためだけに無謀なチャレンジは出来ません。手持ちの材で、なるべく使いやすいように形を整えていたらどうしても価格もそれなりになってしまいます。

それでもいい、と言っていただくお客さまとの巡り合いを辛抱強く待つしかありません。幸いにもネットのお陰で手持ちの材の紹介は簡単に海外にまで出来る時代ですから、昔に比べればフェチの分母は飛躍的に増加しています。きっと「こんなホンジュラス・ローズを探していました~!」なんて出会いもきっとあるはずと信じて、滅茶苦茶重たいホンジュラス・ローズに鋸を入れていい具合にカットして形を整えています。しかしその際に発するバラ科特有の強い匂いは、強烈な香水のようで匂いに酔ってしまいそうになる

ホンジュラス・ローズはオンラインショップで販売中!




一時は置き場所に頭を悩ませていた例の『モミジバフウ』ですが、一年の天然乾燥を経ていろいろな所へ旅立っていきました。小さめのカウンターから花台、飲食店のプレート、まな板、木工クラフト等々、いろいろな用途でいろいろな場所で使っていただき、ようやく残りが1/3ぐらいになりました。そうなったらそうなったで、全部売り切ってしまうのが惜しくなるという『モッタイナイ病』が顔を覗かせてきそうになるのが怖いところです。あってもなくても結局心配・・・

ところで、このモミジバフウはたまたま丸太の状態で入手したので、丸太をすべて板に挽いてもらいました。ですので必然的に芯を含んだ板もあるわけです。一般的に芯を含んだ板は、そのままだとねじれたり暴れたり芯から大きく割れてしまうので使い物になりません。しかし必ず木には芯があるので、どうしても芯が含まれます。柱の場合は強度のある芯を生かして使いますが、その際には背割りを入れるなど割れにくい工夫が施されています。

板ものの場合は、芯を外して木取りしたり、最初から芯部分のロスを計算して製材するなどそれぞれに対応されていますが、小さなモノも作っている弊社としては、ねじれ曲がろうが大きく割れてしまおうが、割り返して小さくすれば使える『小さきモノのための出口』が揃っていますので、芯持ちの板材でも問題ありません。例えばこれぐらい反っていたら、通常は「使えない木」の烙印を押されてしまいますが、弊社では許容範囲内。

昔であれば「使えない木」が山のように溜まっていましたが、今はこれらの木も数日後には小さく加工され、商品としてパッケージに入れられてパリッとした姿で商品棚に並んでいたりします。今はほとんど捨てる部分が無くなっているわけですが、もしそういう出口がなかったらと思うとゾッとします。しかしそれならこういう丸太も仕入れていないわけで、必要は発明の母というか因果因縁。世の中に「使えない木」なんて1本も無い




しかしそれはウェンジには何も罪もないわけで、私の中で勝手にウェンジの評価を落としたのはお門違いも甚だしい事なのでした。その数年後にたまたまウェンジの原木を買うことになってウェンジに対する誤った認識は一掃されました。それまで唐木の製品となった「タガヤサンもどきのウェンジ」しか見たことがなかったので、本来のウェンジがそういうものなのかということを知りませんでした。それがウェンジの丸太を買って、板に挽いて在庫として持つようになって、初めてウェンジの素晴らしさに気づいたのです。

それがどれだけ重たい木なのかという事(気乾比重0.8~0.95)、どれほど色が黒いのかという事、乾燥するのにどれほど時間がかかるのかという事、はたまたどれほど「そげら」が手に刺さると痛いのかという事、そしてどれほど縞柄が美しいのかという事。木に関して言えば、どれほどその木の専門書や辞典を読み漁ろうが、どれほど人からその木の説明や情報を得ようが、実際にその木に触れてみなければ本当の事は分からないことばかり。まだ『出口』を確立出来ていなかった当時の私にとって大きな買い物は重荷でしたが、多くを学びました。

周囲にアフリカ材や中南米材などの異国の木や広葉樹について見識のある方がいなかったため、それらの木を識るためには、自分で買ってみるしかなかったのです。幸いまだバブルの余韻があったのと、大きな貸し倒れが無く(その後取引先がバタバタと倒産し、痛い目を見ることになるのですがそれはまた後日)、倉庫にもスペースの余裕があった事から、さまざまな国のいろいろな木に手を出していくのです。それが後々の【森のかけら】を生み出す契機となるのですが、それはまだまだ先の話。当時はとにかく好奇心先行でした。

ウェンジの『名誉回復』後は、タガヤサンの代替材としてではなく、堂々と『ウェンジ』として仕入れ、『ウェンジ』として販売してきました。この木、見かけによらず(失礼)曲げに対して非常に強くて、ベルト織りのための手作りシャトル やスキーの板、運動器具や曲げ椅子などにも利用されています。弊社でも『モザイクボード』など複数の木が混在する商品の中では貴重な黒色で強いアクセントを放っています。その大鋸屑も十分に魅力的なので、加工するときにはきっちり収集して『森の砂』にも彩りを添えてもらうつもり。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2026年1月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
Scroll Up