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先日の地区の文化祭では、昔のこのあたりの写真も展示されていました。こちらは私が生まれた頃の少し前、今から50年ほど前のこの周辺の航空写真だそうです。結構田畑が目立ちますが、今はその多くが住宅地になっています。私自身は松山で生まれ育ったわけではありませんので、懐かしさも思い出もないのですが、私が物心ついた頃から考えてもその暮らしぶりは随分と変貌しました。これから先の事を考えても、短期間でこれほどまでに劇的に暮らしぶりが変わることはないのではないでしょうか。
それが「高度経済成長」というものなのでしょうが、そのスピードについていけずに多くのものが振り落とされていってしまったようです。物事にはすべて功罪の両面があり、短絡的に良い悪いとは判断出来ません。ノスタルジィだけでは暮らしていけないのも事実です。こういう時代になったからこそ、こうやって自分の考えを広くたくさんの方に発信できるわけですし、片方で便利さを甘受し、片方でそれを批判するのは虫が良すぎる話。昔は良かった・・・的な話には相応の脚色があります。
それが悪いわけではありませんが、過去を肯定することで現在を否定的に捉える考え方はどうなのかと思います。木材業界においても、「日本の林業が衰退したのは安い外材が輸入され始めたからだ!あの時輸入しなかったらここまで疲弊する事はなかった」といつまでも言い続けている方もいらっしゃいますが、そのお陰で住宅資材に「木材」が残ったという側面だってあるでしょう。安い外材が大量に輸入され、国産材は価格競争に負けた・・・というロジックは定説でした。
当然それも一理あるでしょうが、その当時価格以外の面で外材と戦おうとした動きが業界にあったのでしょうか?そしてそれは今もあるのでしょうか?価格競争という土俵の上にいる限り、それを否定することは自己否定でもあります。過去に栄光の歴史もあったでしょうが、それにすがりつくことなく、現状を見据えて今しか出来ないことをやらねば、と思うのです。かつてそんな時代があって、ドン・キホーテのような愚かな材木屋もいたと語り継がれるような、ど阿呆な材木屋になりたいのです。
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