森のかけら | 大五木材


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伐採した我が家の庭のクヌギの断面がこちら。中心部はハッキリ年輪が分からないほどのまだまだ若い木でした。違う場所で芽吹いたならばもっと大きくなれたものを、申し訳ない気持ちを感じつつもそこはひとの暮らしを優先させていただかねばなりません。せめてこの後でその身を有効に活用させていただく事で許していただくことに。これぐらい成長力のあるクヌギなのですが、材としては十分に活用されていません。昔は椎茸のホダ木として使われ、子供の頃山に行くと整然と木組みされた光景をよく見かけたものです。

今はそういう場所に行く機会も減ったのですが、昔のような原木栽培から手軽で場所も取らず効率的な菌床栽培に移行している農家も多いらしく、クヌギにとって大きな出口のひとつであったホダ木が急速に縮小しているとの事。うちの庭の小さなクヌギですら、持った息子が重たがっていましたが、クヌギの原木って見た目の感覚よりもかなり重たくて、初めて持った人は大抵見た目と実際の重さのアンバランスさに驚かれます。今時重たいモノはそれだけで避けられる傾向にあります。

生命力の旺盛で環境汚染にも耐性がある逞しいクヌギは山の中で人知れずドンドン巨大化しています。昔なら適当なサイズになった頃には伐採されてホダ木になどにも利用されていましたが、今では伐期を過ぎて巨大化したクヌギが山に溢れかえっています。そのクヌギを建築材や家具材に利用しようとする試みも行われていて、実際に商品化もされているものの、他の汎用性の高い樹種と同じ土俵に立ってしまうとさすがにどうしても劣性になってしまうのは仕方がありません。

非常に重たく、乾燥に伴って芯から放射状に割れが出るとか、豪快にねじれるとか、クリアしなければならない課題が多い事もあって、なかなか浸透していません。ここはもっと訴求性のある物語を肉付けするなどソフト面の仕掛けも必要かなと思います。まあそういう事が簡単にできるぐらいならとっくの昔にクヌギはももっと利用されていると思いますが。でもこういう機会があると、普段あまり顧みる事の少ない樹種の事も考えるいい契機になります。灯台下暗し・・・




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