森のかけら | 大五木材


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20100919 樟脳香、復活の日①この数日厳島神社の大鳥居に使われた樟の素晴らしさをご紹介しましたが、本日はもっと身近で現実的な樟のお話。以前にブログでワンズ㈱さんで建設中のH様のトイレのカウンターに、樟の耳付板を使っていただいた事をアップさせていただきましたが、その続きの話です。耳に凹凸の変化のある板を使っていただいたのですが、少し長めに仕上げて現場でコブの位置を調整していただきました。ですので、ボウルの穴は板が壁に取り付いてから現場で開けます。さあ、満を持して現場に乗り込みます!

 

20100919 樟脳香、復活の日②加工していただくのは、このカウンターを加工してもらった家具職人・ウッドワークかずと池内一豊君。今回は、別に困っているわけではありませんが、「現場で困った時の池内頼み」という諺があるように、私にとっての大変ありがたい懐刀であります。今回は特別問題もありません。事前にボウルの正確な位置を出していただいているので、池内君がそれに合わせて木型を作ってきてくれてます。それを固定してまずはルーターで溝を切っていきます。

 

20100919 樟脳香、復活の日③5mm程度の深さで徐々に深く掘っていき、最後はジグソーで丁寧に切り落とします。この間およそ30分ほどですが、現場工事は何といっても事前の準備に尽きます。池内君なら任せて安心、いつもいろいろな状況を想定して準備万端で臨んでくれるので、現場で戸惑う事がありません。工場から遠く離れた現場では、工場に道具を取りに戻る余裕はありませんから、現場にあるもの、揃えたもので対応するしかないのですが、こういう時は積み重ねた経験が物を言います。今回は何のトラブルもなく予定通り完成!私には何の技術もなく、ただ付いて行ってお掃除や準備のお手伝いをするしか出来ないのですが、いつも高度に収斂を重ねた職人さんの技には圧倒されます。何度寸法をチェックしても、現場に取り付いている木に穴を開けたり、削ったりする時の立会いは緊張します。

 

20100919 樟脳香、復活の日④無事に想定通りの穴が開きました。 先日、樟脳が含まれている話をアップしましたが、このカウンターは水廻りという事で、事前に弊社で全面ポリプレマー塗装をして固めています。ですので樟といえども全く匂いがしなくなっています。樟脳の香りも閉じ込めてしまいました。ところが、ルーターの刃先が入った瞬間、室内に物凄い樟脳香が噴き出しました!ポリプレマーで閉じ込められていた樟脳香が猛り狂ったかのように、狭い空間に一気に充満します。

 

20100919 樟脳香、復活の日⑤池内君は全身にの大鋸粉を浴びながら立ち向かいます。隣にいる私の鼻腔にも強烈な樟脳香が入ってきます。鼻がツーンと痛くなるほどの強烈な匂いです。箪笥に入れておく防虫剤を濃縮させたような匂いなのですが、これはもう体感していただくしかありません。この匂いこそがが虫に嫌われ、水湿にもよく耐え、長持ちする理由です。いくらポリプレマーで固めているとはいえ、こういう設定では素材そのものがなるべく水に耐えるような材をお薦めるようにしています。選ばれる方は、性質よりもサイズや形状、色合いを優先されますが、その際にも適性の低い木の場合はお薦めしません。材の適性を無視して使って、後で後悔することになってしまっては申し訳ありませんから。水廻りでなければ結構冒険もするのですが、さすがに水廻りは慎重にならざるを得ません。

 

 

20100919 樟脳香、復活の日⑥先人達の「適材適所の教え」を尊重し、なるべくTPOに合った材をご提案させていただこうと思うのです。厳島神社の大鳥居は別格ですが、樟は成長が早く大きな材でも割合手頃な値段で手に入ります。ただ「」とも表わされるように、南方に多く成育し、東日本では手に入りにくいかもしれません。こちら㊧は余った材で豊川棟梁が気を利かして作られた子供さんのための机。手前はボウルをくり抜いた板。材を無駄なく使っていただきとても嬉しいです。こういう細部に造り手の思いが宿ります。




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