森のかけら | 大五木材


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20120327 1弊社にも『ニレ』の挽き板はあるのですが、日々倉庫を巣立っていくナラブナを尻目に、いつまでも寂しそうに倉庫の中で埃をかぶっているのがニレです。良い悪いの問題というよりも、(それも「個性」なのですが)触感がザラっとしていて光沢や艶が無いのがニレの特徴で、手(触感)と目(視覚)で無垢材を楽しみたい方にはどうしても物足りなく感じてしまうのかもしれません。鉋でいくら綺麗に削って仕上げてもトチカエデのような触感は生まれません。ナチュラル・マットな仕上がりです!

 

20120327 2だからといって材が低級なのかというとそういわけではなく、粘りや強度もあり、価格もリーズナブルですから用途次第、『出口』次第だと思うのです。明確な出口さえあれば、評価は後からついてくるもの。その木でなくてはならない絶対的は王道の出口の重要性を感じます、特にニレには。時には大きく耳が変化した周辺に複雑な造形の『ニレ瘤』と呼ばれる瘤(こぶ)が現れたりして、そこに斑点のような面白い柄が出たりもします。むしろ大人しい赤味よりも瘤を意匠的に使う事もあるぐらいです。

 

20120327 3このHPを立ち上げた頃にご紹介した事があるのですが、そんなニレの出口がこちらの「フライ返し」です。英語ではspatula(スパチュラ)なんてお洒落な言い方もあるようですが私には馴染めません・・・。ニレの柾目部分をうまく利用して、絶妙の角度がついているのですが、目玉焼きなどを引っくり返すには最適。目玉焼きの下にスルリと入り込む感触がたまりません!製作していただいたのは内子に工房を構えられクラフト製作に励まれている『樹のぬくもり工房』さん。丁寧な仕事ぶりです。

 

20120327 4日本人は豊穣な森から生まれいずる「恩恵」に多種多様な「出口」を見つけてきました。それは『適材適所』という言葉が表わすとおり、材の特質を見抜いた優れた知恵の文化です。それは決して沢山生えているわけでもない木々に対しても同様のまなざしが向けられ、木材が日本人の暮らしにとっていかに重要な素材であったかという事を証明するものでもあります。にも関わらず、分布域が狭いというわけでもないこのニレに対して「王道の出口」が定まっていないというのも妙な気がしていました。そしたら・・・続きは明日へ!




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