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『メタセコイア』については、先日の3話で終わらせるつもりだったのですが、最後に松山市のお隣の『伊予市の市木』であるという事を紹介して、自分でも以前に書いた(2009年8月)ブログを読み返していて、やはりここはもうひと押ししておかねばと火が点きましたので、改めて愛媛県伊予市にまつわるメタセコイアの巨木伝説についてご紹介させていただきます。伊予市は愛媛県の中心部に位置し、人口37000人弱、国内のシェアの6割弱を占める鰹節などの水産加工業が有名です。
以前に『伊予市の化石展示会』と銘打った企画展があり、私もその時に詳しい事を知るきっかけとなったのですが、伊予市では太古の昔に土中深くに埋まってしまった土埋木が数多く出土しています。正確には出土というよりも、海岸の一部で1800mにわたって第三紀層(恐竜が跋扈したジュラ紀よりも更に古い2303万年前から258万年前までの時代)に属する粘土質岩が露出し、その中から少なくとも100万年以上前に繁栄した古代植物が直接地表に現れてきたという事なのです。
そこではメタセコイア、トガサワラ、オオバラモミ、ハンノキ、マンサクなどの樹種や、カエデ類、ミズキ類、ヤナギ類などの葉や実、淡水産や汽水域産の貝殻の化石も発見されていて、学術上大変貴重なものだという事なのです。ただし海岸沿いという事で波の浸食もあり地盤が非常に脆くて崩落の危険のある場所ということでなかなか調査も出来ないとの事。そもそも今は愛媛県の天然記念物に指定されていますので、簡単に掘削することも出来ないのですが太古の木が近くに眠っているとは浪漫のある話。
ところでメタセコイアの項で書いたように、化石になったと思われていたこの木が実はまだ生きていたと中国で発見されたのは1945年の事。伊予市で天然記念物に指定されたのは昭和31年(1956年)の事。伊予市でいつ頃に『眠れる化石・メタセコイア』の存在が認知されたのか分かりませんが、メタセコイアの巨木伝説が『扶桑木(ふそうぼく)』という名前で語り継がれていますので、もしかしたら大きなメタセコイアの木が近代近くまで残っていたのかもなどと妄想が広がります。続く・・・
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