森のかけら | 大五木材


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自分とは何も関係ないと思われていた昔の、遠くの物事が、わずかな事でも自分や自分の住む地域とつながりが見えてくると妙に嬉しくなってくるものです。もしもそれが歴史の大きな転機に繋がっていたりすると、途端にそれが身近に感じられたり、因縁を感じたりするもの。ということで、照国の始祖・島津斉彬公日の丸の国旗の制定に深く関わり、それがもともとは船舶に使われたいたことから、欧州航路に打って出る大型船舶の船名に冠せられ、その模型を今の時代に生きる私(照国)が観ているという、私の中だけの歴史浪漫。

その照国丸は、ロンドン、アントワープ、ロッテルダム、ハンブルグなどの欧州の各国を巡ったことから、船の内装にも日本風なしつらえがされたそうです。生憎カラーの写真は見つかりませんでしたが、後に人間国宝となる松田権六氏による蒔絵が施された内装などの船内装飾は当時かなり話題になったとの事。ちなみにこの松田権六氏は、石川県金沢市生まれで、「うるしの鬼」と呼ばれた漆芸の第一人者。そのエピソードもいろいろと興味深いのですが、最近お世話になることの多い石川県金沢市出身というのも距離感が縮まります。

その松田権六の有名な言葉、「今日科学は進んだといいながら漆を溶かす薬はまだでてこない。この溶けないものを剥げないように塗ればそれでいい。」含蓄のある言葉です。『能登ヒバ』で今までに何度も石川県にはお邪魔していましたが、有名な輪島塗はヒバやケヤキなどに漆を塗ったもので、木とも深い関わりがあります。お土産として輪島塗の箸は買ったりしていたものの、『うるしの鬼』が私の名前のルーツ『照国』とも関わっていたとなると、今後はただの土産感覚で漆器を見ることなど出来ますまい。

そうやって自分勝手にドンドンと因縁の深みにはまってしまっているわけですが、そういう興味が『森の5かけら』に通じています。日本人は木を単なる用材としてだけではなく、愛でたり人生を重ねて愛情を注いだりと特別な感情で木と向かい合ってきました。そのため暮らしの中の大部分の要素に木が使われてきました。なのでどういう切り口からでも木と暮らしが繋がるのです。これはもう照国つながりで『照国の5かけら』を作るしかないのか!

もし作ってみるとしたら・・・照国の始祖・島津斉彬公の島津藩(鹿児島)の県木・クスノキ、鹿児島産のセンダン(栴檀)/(薩摩欅)、昭和の大横綱・照国万蔵のリズミカルな取り口から「桜色の音楽」と評されたヤマザクラ、照国丸の船内装飾をした松田権六の漆芸の礎・石川県木の能登ヒバ・・・う~ん、あとひとつ。こういうところで何をひねり出せるかがこの5かけらを作る醍醐味!ところで、この照国丸は第二次世界大戦において日本が喪失した最初の商船であり、日本が参戦する前に唯一沈没した日本商船でもあります。嗚呼、哀しみの照国丸。




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