森のかけら | 大五木材


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本日は木魚の素材についてです。今までにこういう仏具を作った事はありませんが、一般的に木魚に材として適しているといわれているのが『クワ』、『クスノキ』、『カシ』、『カリン』など。地域によっては『イチョウ』や『ホオ』なども使われています。中でも最高級とされるのがクスノキだそうです。それは音色や杢目のの美しさなどが主な理由でしょうが、樟脳の成分を含むことから太古の古より神への供物などにも使われてきた歴史があるので、もしかしてその影響もあったりするのでしょうか?

隠元禅師が開山した本家の中国の萬福寺には、寺の周辺に多くに『キハダ』の木が生い茂っていたという事ですが、もしかしてそのキハダから木魚を作ったりした、そのために植えていたのではないかとも勘繰ったのですが、いろいろものの本を調べてみても「キハダで木魚を作った」という記述に辿り着けませんでしたので、どうやらそれはゲスの勘繰りというものでしょう。木魚として材に求められる必要条件は、乾燥と品質(節や芯去りで木目が緻密)と音色でしょうから、あまり俗っぽい考えでは駄目ですね。

国内での木魚の生産量は愛知県が『木魚の生産量日本一』で全国シェアの70%を占めていて、中でも一宮市が圧倒的に多いそうです。それでも木魚職人と呼ばれる方は全国でも20名ほどしかいないとか。いずこの産業も後継者問題は深刻です。やはり外国産の廉価な木魚が業界を席捲しているようですが、国産の伝統的な工芸文化も頑張って継承していただきたいものです。仏具ですから底辺は広いのでしょうが、一般の家庭でのなら買い替えは少なそうですしどの家にも仏壇があるわけでもありません。この『出口』もかなり狭小かもしれません。

しかしそういう分野にこそ意外な『けもの道』が隠れていたりするものですから、予想もしない『出口』とかがあるのかもしれません。仏具ではありませんが、『彫刻欄間』も同じような境遇にあります。凝った彫刻のになるとやはり国産のものが求められるようですが、今後はアートやインテリアとして別の『出口』もありだと思います。昨日万福寺の「魚鼓」(ぎょく)をアップしましたが、こちらは永平寺の魚鼓、これぞまさしく芸術作品!覚醒した魚は森から生まれて、再び川を遡上し悩める森の救世主となるのではないでしょうか!




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