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またまた本日も『陶工房もちの木』さんで使っていただいた木の話です。重硬なホワイトークの作業台があるアトリエの奥には、畳敷きの和室があってそちらには亀井紀子さんの造られた数々の作品が展示されていました。の踏み台に藻の変化のある耳付きの『ニレ(楡)』の一枚板を使っていただきましたが、その踏み台のから立ち上がった白い小壁に沿って大胆に曲がった皮付きの丸太があります。これが『コブシ(辛夷)』の丸太。そう、あの千昌男の「白樺 青空 南風 こぶし咲く あの丘 北国の ああ 北国の春 ・・・」の『北国の春』で有名なあの『コブシ』です。そのコブシについては後日改めて『今日のかけら』コーナーにてご紹介します。
本日はその踏み台の『ニレ(楡) 』の方について。昨日もニレの特徴に触れましたが、左の写真は削る前の状態のニレ。表面に汚れや埃が付着しているのでまったくの別人(木)のように見えるかもしれませんが、耳の凸型に飛び出した部分に名残りがあっるのが分かると思います。このニレはとりわけ甘えん坊でなかなか家(倉庫)を巣立たなかったため、加工前と後の差が極端に見えるでしょうが、ひと削りすれば美しい面が現れます。
こういう踏み台の他にも手洗いや洗面カウンターなどに耳付きの板を使いたいという要望は結構多くて、図面に自由に描かれたR型の耳付き板を探すこととなるのですが、相手も自然のものですから、うまい具合にイメージとピッタリ合うものを見つけるのは至難の技!いい感じのコブがあると思ったら左右の向きが逆とか、テーパーの角度が強いとか弱いとか、サイズがピッタリ合ったと思ったら今度はねじれがあったり厚みが薄すぎたりと・・・。
そうやって次から次から材を引っ張り出してようやくピッタリの形のモノを探し出した時の喜びと言ったらそれはもう!次は加工ですが、どうか虫穴や桟跡が出てきませんようにと祈るばかり。節や割れについては、裏面を見れば大体予想がつきますが、耳付き板の場合怖いのは耳を削った時に出て来る虫の穿孔跡。こればっかりは削ってみないとどれぐらい深くまで入り込んでいるか分からなく、信仰心薄い私でさえ神の祈らざるをえません。
今回はほとんど虫害もなく綺麗な耳が取れたのでホッとしましたが、こういうリスクも耳付き板の宿命です。まあそれも含めて『生き物』だと、思うぐらいの寛容さがあれば木のものってかなり楽しめる幅が広がります~。家具などを納品させていただく楽しみの1つに、納品後の施主さんとの雑談があります。他愛もない話をするばかりですが、それだけでも随分と『木を愛でるチーム』としての連帯感は深まっていくものです。亀井さん、ありがとうございました!
『
トネリコ』は日本原産種であり、本州中部以北の分布しているということで、愛媛ではほとんど知名度の無い木です。【森のかけら】を作り始める前から、いろいろな木に興味があったため、材を北海道や東北から取り寄せていたので弊社の倉庫には随分前からトネリコの板材がありました。テーブルになるような大きな木ではありませんでしたが、もの珍しさから木の愛好家の方には人気がありよく使っていただいたものです。
愛媛では見かける事の無いトネリコですが、トネリコ属には60を越える種があり(代表的なものとしてはシマトネリコ、セイヨウトネリコ、コバノトネリコなど)、トネリコの古語である『タモ』が転訛した『タゴ』を名に持つ「一つ葉のトネリコ」こと『ヒトツバタゴ』(別名ナンジャモンジャの木)は市内の街路樹や公園などにも植えられているのをよく見かけます。ちなみに他のトネリコ属はいずれも複葉。
トネリコの名前については、いくつか説があるのですが代表的なものとしては、枝を何回もねじって結束用に使う事から『十練リコ』の意味がその由来であるとされています。または、この木の枝に寄生しているイボタカイガラムシが白蝋を分泌して、この蝋を敷居などに塗ると滑りがよくなって戸の開け閉めがスムーズになる事から『トニヌルキ(戸に塗る木)』が転訛したとか戸に塗る粉(戸練り粉)から転訛したなど。
他にも、樹皮から膠(ニカワ)状のものを煮て採る事から『共練濃(ともねりこ)』から来たなど、『練る』ことに由来したものが多くあります。漢字についての由来は不明です。今までトネリコとして仕入れたものについてもかなり色合いや質感に差異が感じられましたので、ひと口に『トネリコ』と言ってもいろいろな種類のものが混在して市場に出回っているように感じます。この木については不勉強でスミマセン・・・。
トロイと『トネリコ』の話の続きです。古代戦争では武器として利用されたトネリコですが、平和な時代になるとトネリコはその特性を活かして暮らしの中に溶け込みます。粘り強さと強靭な事から、スキーの板、杖、平行棒、農具の柄などに使われました。野球のバットにも使われたともいわれていますが、それは同類のアオダモと混同しているのかもしれません。いずれにせよ握って強く振り回すような道具にはもってこいの材と言えます。
北欧では、トネリコは湿った立地を好むことから、水の壊滅的な力からひとを守ってくれる魔力を秘めていると信じられてきたようです。またトネリコは海神ポセイドンの神木とされていたことから、当時の船乗りや漁師たちは、船が転覆しないように護符としてその木切れを船に持ち込んだり、船の細部の仕上げ材に使いました。また雨との関連付けからこの木を雨乞いの儀式にもトネリコは霊力がある樹として使われました。
また俗信では『傷の木』とも呼ばれ、その樹皮はよき傷薬として、蛇に噛まれた傷を治す特効薬として使われてきました。『医学の父』と呼ばれた古代ギリシャのヒポクラテスもトネリコは、痛風やリューマチの治療薬や利尿作用のある良薬として用いたと記しています。19世紀のイギリスとフランスでは、熱が出たり歯痛がある時には、手足の爪を切ってトネリコの樹の下に埋めれば治ると信じられていました。
それは人間にだけ有効なのではなく家畜にも効く特効薬とされていたことから、アルプス地方以北では家畜の飼い葉としてニレの葉についで昔から農場の近くに植えられていて、今でも古い農場や城砦には残っています。北欧の神話の中には、「この世で最初の男はトネリコの木から作られ、最初の女はニレから作られた」との記述があるように、北西ヨーロッパにおいてトネリコはもっとも権威のある落葉樹であるとされています。更に明日に続く・・・
★今日のかけら・♯079【梣/トネリコ】 モクセイ科トネリコ属・広葉樹・北海道産
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| 他にも先日、歴史スペクタクル映画『エクソダス』について触れましたが、本当はその時は『エクソダス』はある樹の事を紹介するための長い前ふりだったのですが、書いているうちについ熱くなってそこにまで至りませんでした。さて改めて本日は、当初の目論見通りある歴史映画を引き合いに出して木材との関係性についてお話させていただきます。俎上にあがるの2つの素材は、映画『トロイ』とモクセイ科の広葉樹『トネリコ』。 |
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映画『トロイ』は2004年に封切られた古代ギリシアのトロイ戦争を元にした歴史大作で、主人公アキレスを演じたのはブラッド・ピット(最高!)、監督は『Uボート』のウォルフガング・ペーターゼン。歴史家などからトロイ戦争との違いを指摘されたりもしましたが、フィクションである映画に対して何をかいわんや。対する樹の方は、野球のバットに使われる事でも知られるアオダモを含むトネリコ属シオジ類の木・トネリコです。 |
| 有名なトロイ戦争に登場する『トロイの木馬』はモミの木で作られていたとされますが、この木馬に限らず古代戦争ではさまざまな武器に木が利用されました。特に弾力があって強靭な木は重宝されました。トネリコは同類のシオジ同様に粘りがあり重硬で、石弓、投げ槍、槍、弓、剣の柄などに利用されました。トネリコで作った最も有名な武器は、ギリシア神話に登場するケンタウロスの賢者ケイローンが手にする槍です。 |
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いよいよ本日はシナノキ物語の最終話。材が軟らかかく年輪も不明瞭で、建築材や家具材としてもあまり利用されていないシナノキですが、その特徴は別の見方をすれば、材質が均質で狂いにくく収縮も少ないという事になります。また淡い黄白色の生地は、塗装との相性が抜群で着色して仕上げるには格好の材と言えます。しかも軽くて安価というその特徴を最大限に生かしたのが合板の表面に化粧材として薄いシナ材を貼ったシナ合板。
弊社でも昔は押入れセットの1つとしてシナ合板には大変お世話になりました。しかし仕上げ用の化粧材(しかも大量生産型の)となるとわずかなシミや節でも欠点とされるため、当時そのシナ合板を眺めながらこの1枚を作るためにどれぐらいのB品やロスが発生しているのか心配になったりしたものです。それ以外にも、経木やアイスクリームのヘラやアイスキャンディーの棒、彫刻材、漁具、籠、製図板などにも使われています。
北海道などに多い日本原産のオオボダイジュは材質的にはシナノキとほぼ同じなのですが、合板業界ではやや白っぽい事から『アオシナ』、やや赤身を帯びたシナノキを『アカシナ』と呼んで区別する事もあるようですが、材木屋での一般的な取引ではそこまで区分される事はありません。その靭皮(じんぴ)が重宝がられて植えられてきたシナノキでしたが、近代では靭皮としてではなく材やその他の用途に存在価値を見出しています。
その代表的なものが蜜源です。シナノキの花は初夏に咲き白い小さな花が枝分かれしたように連なり、いい香りが蜂を招き寄せる蜜源植物としても有名。シナノキの蜂蜜、売られているのは見たことがあるのですが実際に食した事がないので、せめて出口の紹介をしておかねばと『はちみつの5かけら』に加えるつもりでしたが、蜜源植物の候補は多くて含める事が出来ませんでした。その贖罪として今度購入しシナノキの蜂蜜を味わってみます。
成長が早い事から比較的大きな材が取れるというのもシナノキの特徴ではありますが、同時に非常に軽軟な事から脆(もろ)くて傷がつきやすい、腐りやすいという面もあって、材の大きさの割には用途が定まらず大きな体を持て余しているというのがシナノキに対する印象です。弊社にも長さ2100×幅1900×厚み76㎜というサイズのベッドシナノキもありますが、その巨躯を活かせる場面を思案中です。これにて構想1年にわたるシナノキの長篇物語完結!
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