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先日久しぶりに久万高原町に原木を見に行きました。久万高原町周辺で伐採された広葉樹については、数年前から不定期で購入させていただき、愛媛県産の広葉樹をストックしておりますが、市場に依存するのではなく、伐採業者に直接お願いすることで、樹種やサイズ、ボリュームなどについてこちらの細かな要望にも応えてもらっています。その川上の最先端にいるのが、成川木材の成川尚司君。今回も是非観てもらいたい原木がありますと、情報を入れてくれました。
その情報の木については後日製材出来てからアップさせていただきますが、折角なのでそれ以外にもいろいろと土場を物色。弊社は大台車のある製材ではないので、原木を仕入れても自社で製材出来ません。同じ久万高原町内にある大孝木材の大野孝泰君に頼んで挽いてもらっています。川上においてこういう流れが確立できたことで、今まで欲しい原木が出るのか出ないのか完全に運任せだったものが、ある程度計画性を持ちながら準備出来るようになりました。
またこうして情報を入れてくれることで、山元にも足を運んで現物を観ることが出来ますし、こちらの意図や希望を伝えることも出来ます。伐採する立場としても、それを挽けば必ず買う人がいると思うと力の入れようも違うでしょうし、今までの用途(建築や家具)とは違うのであれば、相応の木にも目が行くようになります。例えば小さい木でも、少々曲がり木であっても、枝(節)が多くとも、「使える」判断をその場で出来れば伐採対象になるわけです。
山に入ると、一般の方が思う以上に木の姿かたちはバラバラで、ひとつと同じものはありません。その中で「売れる材」を経験則で瞬時に見分けるわけですが、伐採しても「売れる可能性」の無いものは市場にまで届くことはありません。市場に運ぶにもお金とエネルギーがかかるわけですから、売れないと分かっているものをわざわざお金をかけて出す人はいません。つまり、本当は使えるものが山の事情で廃棄されたり、業者の目に触れないことも多いのです。
それが、伐採最前線と連絡がつくという事で状況が大いに変わりました。ようやくその取り組みが芽を出し始めております。愛媛県産広葉樹とモミなどの良質の針葉樹がおよそ2年に及ぶ自然乾燥を経て、製品として現場で使われております。この取り組みの肝は、地道に集め続けていくことです。今回の目当てではありませんでしたが、またまた立派な大径級の栂の原木がズラリと並んでいました。これだけの栂が出ることは珍しいそうですが、愛媛の山まだまだ奥深し!
私にはひとを驚かせるような斬新なアイデアも、都会的な洗練されたセンスもありません。他社にはないような優れた技術力もなければ、万能な機械設備もありません。倉庫の中に高級銘木があるわけでもなければ、どこにも負けないだけの在庫量を持っているわけでもありません。持ち合わせているのは、ちゃちゃな端材にすら「モッタイナイ」と感じられる持って生まれた人並み外れたケチ根性と、こんな事やったら相手が喜ぶんじゃないかと思うひねれくれたサービス精神のみ。
そのふたつの武器を頼りにして今まで修羅場を生き抜いてきましたが、これからとてそのふたつの武器に磨きをかけるしかないのです。それでも、何かを「極める」という思いは、時に想定外の結果を生み出したりするもので、その1つが『森のかけら』であり、『モザイクボード』だと思うのですが、骨身に染み付いたケチっぷりはそう簡単に洗い流せるものではありません。以前ある方から、商品の解説文や紹介に、あまり「ケチ」という言葉を連呼するのはどうかと諌められた事がありました。
確かにケチなんて貧乏くさい言葉ではなく、もっとお洒落な言葉を添えれば格好良くて、聞きなれも見栄えもいいのかもしれません。でもそれじゃあ、私の中から出てきたものじゃなくなる。私が作る意味がなくなる。それで、今でも造り始めた頃のままの言葉を使っています。「世界中の木を見てみたい、触ってみたいという材木屋の好奇心と、端材を捨てるのがモッタイナイというケチ根性」が「森のかけら」の両親であると。自らの生い立ちを改ざんしてまで売れても嬉しくない。
そういう偏屈さこそが私のものづくりであり、生命線だと信じています。その偏屈なケチ根性から、また新たな端材が御色直しをして世に出る事になりました。木箱を作る時にカットされた大量の端材に、スタンプを押して紐を通す穴を開けた小さな木のプレートです。スタンプしてあるのは、以前コラボしたデザイナー・上田球乃ちゃんが描いてくれたアニマルやキッチン小物類の転用。肝心の紐については、まあ当面は『ご自分調達』という事にして(!)、これで売り出します。
素材は、軽くて柔らかい事から木箱などによく使われる東南アジア産の『ファルカタ』という木です。この木の特徴については、いずれ改めて『今日のかけら』で詳しく触れさせていただこうと思います。大きさは、多少バラつきもありますが、大体長さが71mm、巾が34mm、厚みが mmで、上部に直径4mmぐらいの穴を開けています。デザインは、アニマルが11種、キッチン小物類がとりあえず4種。自分で紐や名前を書いてネームプレートなどにお使い下さい。
どういう形で売っていくか思案中ですが、早速10月27日に開催される成龍酒造さんの『酒蔵開放イベント』でお披露目して、反応を見ながら販売の単位などの形を決めていこうかと考えています。今のところは1枚¥30ぐらいを考えているのです。私の場合、こういうものも実際に作ってみないと、頭の中だけではどうしても想像力が追いつかないので、触りながら見ながらの『後からの隠し味』ひねり出しという事になります。1000の妄想よりも1つの実践、この道進むなり。
その「勇魚(いさな)とり」についてですが、何艘もの船で鯨を追い込んでとどめを刺すという「網掛突き取漁」に使われた道具が展示してありました。昔の事ですから当然その多くに木が使われています。その素材についてまでの詳しい解説は見つけれなかったのですが、展示してあった道具を見る限りは『樫(カシ)』だったように思います。海での漁で海水に浸かる道具ですから、水にも強くなかればなりませんし、あの巨躯に刺して引っ張るわけですか強靭さも求められます。
バスで島を走っていても稜線がなだらかでこんもりとした山々を形成するのはハマセンダンやモッコク、シイ、クスノキ、タブノキ、ツバキなどの照葉樹の数々。海岸線を走ると太古の原生林の趣き。人家も無い岩場などは当然手が入っていないので天然更新を重ね独特の森林体系を築いたものと思われます。ちなみに平戸市の市木は『マキ』でしたが、長崎県内の有名な名木一覧のリストには、愛媛では聞きなれないような名前がズラリと並んでいます。
あの有名な『ヒラドツツジ』もここ平戸が原産だそうで、今では大輪種の総称にまでなっています。こういう時に頭をよぎるのは、【森のかけら】の事。目の前に映るバラエティ豊かな照葉樹林を見ていると、嗚呼この地で作れば【森のかけら・日本140】ぐらいはいけたのではないかと・・・大自然を前に不遜な事を考えてしまいます。ハマセンダンやモッコクなど『今日のかけら』で取り上げる画像収集のチャンスだったのですが、さすがにバスを止めるわけにもいかず断念。
さて話を捕鯨に戻しますが、勇魚とりに使ったと思われる『樫(カシ)』ですが、これだけ広葉樹の豊富な場所ですから当時からかなり潤沢に採取出来たのでしょう。まずは鯨ありきの漁でしょうが、もし粘りがあって強靭さを誇るカシの木がなかったとしたら勇魚とりの漁法そのものも変わっていたのかもしれません。鯨を追い詰める何艘もの木造船には逞しい男たちが乗り込んでいます。捕鯨に限らず、かつて我々ご先祖様の暮らしの根底は『森のめぐみ』と『海のめぐみ』が支えてきました。
この数日で、『セン』と『ナシ』の解説を『今日のかけら』にアップさせていただきました。【森のかけら】の全240樹種+プレミアの30樹種について、『今日のかけら』として各樹種の詳しい解説を書くことを自身のライフワークと考えているのですが、未だ全240種の1/3もアップ出来ていません。アップすれば終わりというわけではなく、(そこがネットの素晴らしいとことろですが)追加でどんどん具体的な施工例やエピソードを追加していくつもりでいます。
そのためにも、とりあえずひととおりは240種をアップさせておくべきだとは思うのですが、画像を撮るための実例待ちや確認しておきたい特徴や性質など資料調べていたりしていると、ついつい「揃ってから」という気持ちになって後回しになってしまい、特にメジャーな樹種になると一層慎重になりますので、どうしても順番が後になってしまいます。こんな拙い解説でも楽しんでいただいている方がいらして、「OOの木はまだ?」なんてお声を掛けられると心が痛いのです・・・
まあ、とりあえず半端な形であっても1度アップした樹種については、その後のネタが飛躍的に書きやすくなります。『今日のかけら』に登場させていない樹種については、ネタの文中でリンクを飛ばす事も出来ないので、その中でどういう性質の木なのかを説明する必要が出てくるため、ちょっと話が間延びしてしまいますし、そこで書けるぐらいなら、さっさとその木の『今日のかけら』をアップしています。そういう意味で、取り上げたくても控えていた木は幾つもあります。
先日アップした『セン(栓)』にしても、今までにも幾つも家具などに使ってきたのですが、立っているときと挽いたときで名前が違うというややこしさに、つい解説を書くのが億劫になってしまっていました。まあ内容はお粗末ですが、それでも一応『今日のかけら』にアップしたという事は、私の中での免罪符ですので、それに免じて今回改めて、別の『セン(栓)』の木について。それはかなり以前から在庫していた、虫喰いの被害を受けた1枚のセンの板の事です。
日曜日に松山市三津浜で開催された『三津浜シャッターフェスティバル』。私は溜まった仕事があって、自宅でパソコンと格闘しておりましたが、家内が『おはなし屋えっちゃん』と一緒に木の玉プールや木の玩具などを出展させていただいていましたので、宿題の終わった娘たちを連れて午後から、会場となった三津浜商店街へ覗きに行かせていただきました。正直商店街にどれほどの人が集まるのかとたかをくくっていましたが・・・行ってビックリ!三津浜をなめていました!
商店街そのものが昔からのものなのでただでさえ道幅も狭いのですが、その狭い道の両端に思い思いの店が軒を連ねるように仮設テントを出しているものですから、余計に狭くなった商店街の中を肩を押し合いへし合いながら人が流れるさまは、真夏のような太陽の日差しとも相まってなんとも不思議な光景。雑然としながらも顔見知りが道を譲り合い声を掛け合う姿が、阿吽の呼吸で生きる漁師町の名残りのようでもあり、町中の夜市やお祭りとは違った独特の空気感があります。
友人・知人が結構出展されていて、ご挨拶だけでもしておこうかと娘たちとブースを探しながら通りを歩いていると、対向から知り合いが続々と声をかけてきます。三津在住の方はもとより、皆さん結構遠方からもお出ましになられていたようですね。出展者としても、似顔絵のせだゆりかちゃん、怪しいトンネル写真家の内山やすひろさん㊨、善家君も菅野建設さん、たま工房さんと一緒に木工ブースに出展。その前では鉄職人・ツヨニー工房の西山さん、TOWERの室さんも北条の皆さんと一緒に。
歩いているとご近所にお住まいとと思われるご老人の方から、「いつもは寂れているのに今日はどうしたこと?」と声をかけられましたので、丁寧にイベントの紹介をさせていただくと、「そりゃいい。人が集まって賑やかなのがいい」とご満悦。商店街には、各種専門店が軒を連ねかつての賑わいの名残りが感じられますが、今やシャッター通りだそうで寂しい限り。そんな商店街に人が溢れ、汗と熱気が入り混じる中、妖しいツィゴイネルワイゼンの演奏が鳴り響くさまはまるで白日夢のよう・・・
特別会場でのツィゴイネルワイゼン曲芸楽団の演奏は聴く時間が無かったのですが、ツィゴイネルワイゼンと言えば、監督・鈴木清順、脚本・田中陽造、製作・荒戸源三郎が手を組んだ怪作映画の事が頭に浮かびます。昔見たそのサイケなチラシや映像から伝わる不思議で妖しい雰囲気に、覗いてはいけない禁断の「大人の世界」を感じたものです。それがトラウマになって清純ワールドはその後ちょっと距離を置くようになって、随分と大人になってからやっとその不思議な世界を受け入れらるようになりました・・・。ツィゴイネルワイゼンという響きから、その清順の残像と三津浜の演奏に清順ワールドが重なり、蒸し暑さと人の熱気とも相まって不思議な感覚に襲われたのでした。この雑踏は、この勢いは夢か幻か・・・正体不明の妖しさこそが人やモノを動かせる力を秘めているのかも。
現在各地でそれぞれに地域を盛り上げるイベントが行われていますが、その根っこにあるのは、このままでは崩壊してしまう地域コミニュティへの危機感だと思います。所詮それも時代のうねりに無駄な抵抗と、したり顔で語る人には、ツィゴイネルワイゼンの旋律も騒音なのかもしれません。もう間に合わない、いやいやそんな事はないでじょう。ここに集う人の熱量があればきっと変えれる力になるはず!やっぱり、見る方よりもアイスラッガー投げる方が面白い~!
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