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橘商店の明夫君と待ち合わせ時間まで結構余裕があったので遠回りしながら工場へ近づいていったのですが、その途中の土佐堀2丁目付近で偶然こんな史跡に遭遇。それは明治時代の反骨のジャーナリスト・宮武外骨(みやたけがいこつ)の碑でした。自分の名前が大相撲の横綱の名前にちなんで命名されたことから変わった人名の由来とかが妙に気になるのです。「外骨」というおよそ心ある親ならば絶対つけないであろう衝撃的でインパクトにある強烈な名前からその存在は知っていましたが、まさか大阪の地でゆかりの碑に出会うとは。
改めて宮武外骨について振り返ってみることにします。宮武外骨は香川県生まれ(現綾歌郡綾川町)で幼名は亀四郎。さすがに自分の子供に外骨なんて名前をつける親はいないでしょう。ちょっとホッとしたようながっかりしたような・・・。そういえば最近子供たちの将来を案じたくなるような珍妙奇抜なキラキラネームなる名前が増えていますが、他人事ながら歳をとった時に己の名前の事で自暴自棄になりはすまいかと心配になるほど。昔なら珍名としてクイズになったであろう名前をただ語呂や雰囲気、当て字で命名するのもいかがなものか。
外骨の場合は、17歳の時に自ら本名を「外骨」に改めました。それは昨今のキラキラネームのような空疎な単に奇をてらったというものではなく、彼の生き様ともいえる強い反骨精神が溢れていました。中国の古い書物『玉篇』の中に、「亀外骨内肉者也」(亀は外骨内肉ノ者ナリ)という言葉があり、そこから自身の亀四郎の亀が「外骨内肉」の動物であることに因んで、骸骨(旧カナでは、ぐわいこつ)と改名。亀四郎という親につけられた名前を拒否することで何事にも屈せず新たな人生を切り開こうとしたのです。晩年、呼び方を「とぼね」と改名。
木にもいろいろな名前や別名があり、本来の名前とは別に商業名やブランド名などいくつもの名前が乱立しているケースも珍しくありません。外骨ほどの主張はなくともそれぞれの名前の裏にはそれなりの歴史や意味が込められています。改名した外骨の存在が世に知られるようになったのが、大手新聞に対する強い反骨性と反権力に徹した政治批判を貫いた『滑稽新聞』の出版によってです。明治憲法の戯画をはじめ、政治家や政商などの風刺などを描き続け生涯10数度にも及ぶ禁固刑を受けるも決して屈せず、滑稽新聞本社の置かれた大阪においては圧倒的な支持を受け、のちにその地にこの碑が建てられたという事でした。外骨のモットーは、『威武に屈せず富貴に淫せず、ユスリもやらずハッタリもせず、天下独特の肝癪(かんしゃく)を経(たていと)とし色気を緯(よこいと)とす。過激にして愛嬌あり』。そんな外骨の名前を冠するような気骨ある木がないものかしら、『骸骨樹』とか『スカルツリー』とか・・・
昨日も少し触れましたが、明石住建さんでは連日各地イベントに出張さたりして、木育活動を非常に熱心に推進されていて、弊社からも『木の玉プール』セット他数々の木のおもちゃなどもご購入いただき、今ではすっかり木育活動する建設会社として地域では認知度を高められておられます。愛媛でも木育を行われている工務店、建設会社はあるもののここまで会社一丸となりスタッフ自らが実践する事を実践されている会社を私は知りません。詳しい活動の様子はHPをご覧下さい。
その明石住建さんの営業の皆さんがいらっしゃる北舞子に建てられている、木にこだわりまくった『五感で感じる癒しの住まい』モデルハウスに。こちらのモデルハウスを設計されたのはグループ会社で、デザイナーズ住宅などを手掛けられる『住空間Labo』さん。こちらの会社の代表でもある渡辺喜夫社長は自らも設計士でもあり、グループ内で熱烈な木フェチであるご自分で図面を引かれたモデルハウスという事だけあって、随所に散りばめられたこだわりも半端ではありません。
その経緯や様子については渡辺社長㊧の口からもお聞きしていたものの、足を踏み入れさせていただくのは初めての事。モデルハウスの正面には美容アドバイザーとして活躍されている佐伯チズさん㊨がにっこりとほほ笑む姿が。佐伯さんが雑誌に書かれた記事を読んで、自分たちの思い描く家造りと共通する理念や生き方を感じ取り、手紙を送り届けたことが事の発端。その佐伯さんからアドバイスを得ながら、渡辺社長がそのコンセプトを日本の木を使って具現化させたのがこの家なのです。
Laboさんと共同で開発した『誕生木・12の樹の物語』というエッセンスもふんだんに取り入れられていて、それぞれの床材や壁材などにも木の説明文が置かれています。玄関を入った壁面にはその12ヶ月の誕生木で作らせていただいた『誕生木の箸』も展示されていて、製作した頃の思いが懐かしく蘇ってきました。これはあくまでも『見せるための箸』で実際に使うわけではありませんが、具体的にモノになっていてしかも形が統一化される事で逆に個性が見えてくるというもの。続く・・・
さて、弊社にご来店いただいたモート・レイニーハウスの主と、その設計士が企んでいたのはキッチンの壁面につく2段のカウンターの仕上がりの質感について。いい雰囲気のホワイトオークの木目の材を底の中から選ばれてきたので、「今はまだラフ挽きの荒材ですがプレ―ナーでちょいと削ってやれば嘘みたいに美しい表情が出てきますよ」と、私がその場で普通に削ろうとしたら、慌てて二人が揃って私を制して「それは止めて!」「?だってこのままじゃガサガサで使えないでしょう」
「いや、そこがいいんです。」「?!」どうやら荒板の表面、側面に深く刻み込まれた帯鋸の鋸目がお気に入りのようで、もう何の加工もせずにこのまま使いたいのだとか。確かに『キング・オブ・フォレスト』と評されるだけあって、ホワイトオークの木目の力強さは数ある広葉樹の中でも第一級。鋸目の豪快過ぎる荒々しさすらもこの木の魅力のひとつと呼んで差支えがないほどにダイナミック。そんな鋸目を落とさずにそのまま取り込みたいというお気持ち、分からないではありません。
ただカウンターとしての機能性を考えた場合、そこに触るたびにささくれが掌を傷つけてしまっては元も子もありませんので、せめて表面だけはプラーナーをかけさせて下さいと懇願。ただし側面だけはどうしても削る事は許せんという事で、鋸目の上から粗目のサンドペーパーで磨いて仕上げると言う所で妥結。「じゃあ、ちょっと削ってみますね」「くれぐれも削り過ぎないでね」「でもこれぐらいは削らないと・・・」「あ~っ、ストップ!!(おふたり声を揃えて)
「ええ~?!まだこれじゃあ、触ると危ないですよ〜」「う〜ん・・・じゃあもう少しだけ」「いつもの感覚の80%ぐらいで止めときましょうか?」「いいえ、30%で止めてください(キッパリ)」「30%?!」「恐らくそれでも磨きすぎると思うので注意して磨きすぎないように」ザラザラ・・・「あ~ッ!」ザラザラ・・・「もうダメ~!」なんてその都度質感をチェックしつつも3人の間でコントのような会話が延々と繰り返さるのでありました。面倒くさい?とんでもない、こんなディープなこだわりを持つ施主さん、設計士さんだからこそ弊社のような所にやって来られるのです。こんな時間が楽しいと思えなかったら材木屋なんてやっていませんって!これぞ木フェチ野郎たち至福のひと時。そんなこんなでどうにか無事カウンター完成。その全貌につきましてはまたいずれ~。
| 昨日の台湾に続いて海外ネタでもうひとつ。今年の2月に松山市内にオープンしたイタリア料理店『IL Banco(イルバンコ)』さんを手掛けられた手掛けられたグローブコンペティションの山田徹さん、もうひとつの顔(まだまだ他にも多彩な顔をお持ちですが・・・)はモータースポーツ競技の主催者。生憎私が車というものにほとんど興味がなくて疎いので、カーマニアや方などにはもどかしいと思います。ご興味のある方は山田さんのブログなどからその全容を探っていただきたいのですが。 | ![]() |
| さてそんな車に疎い私ですが、木にちなんだものであれば大歓迎!今回その山田さんからモモンゴルラリーで入賞者に授与される表彰楯を木で作ってほしいとのありがたいご注文をいただきました。ラリーにはいろいろな部門があるらしく、表彰楯の数も結構なもの。しかも薄~い木では無く肉厚のしっかりしたものを、という事でしたので私も調子に乗ってまな板ぐらい厚めのものでも揃いますよと言ったらそのまま採用~。という事で、国産のクリを使った木取りさせていただく事に。 | ![]() |
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広葉樹には『導管』といって水分の通路となる円筒形の細胞があるのですが、その配列によって大きく3つのグループに分類されます。樹齢に沿って環状に並んでいる『 環孔材 』(かんこうざい)、ケヤキなど。道管の配列が不規則な『散孔材 』(さんこうざい)、サクラなど。導管は中心から放射状に並んでいる『 放射孔材 』(ほうしゃこうざい)、カシなど。その中でクリは環孔材にあたり、触ると分かりますが環孔材のような滑らかさはありません。 |
| 最終的にはレーザーで文字を彫るという事でしたので少し心配もありましたが、それでもあえてクリをご提案させていただいたのは、丁度適した材があったという事以上に、誰にも理解されずとも、モンゴルから遠く離れた日本で車に疎い材木屋なりに考えた事・・・クリの木言葉は『公平』!縄文時代より日本人と深く繋がり、枕木などに使われ風雪に耐えるクリこそが、過酷で危険なモンゴル砂漠のラリーに挑んだチャレンジスピリットを讃える表彰楯に相応しい木である。参加した誰もが勝者であり仲間であるとの、思いを込めて! | ![]() |
人の暮らしに欠かせない『住』に関わる産業として大昔から存在する伝統からくる焦燥感からなのか、今している仕事を既存の職種に明確に分類しないと気が済まない人が多いようで、同業者からはたびたび、「ところで大五木材さんって何屋さん何ですか?」と訊かれます。もうその質問には辟易しているところなのですが、自分の会社が木材小売業なのか卸売りなのか、家具製造業なのか木工クラフト業なのかそんな既存の職種分類にあてはめる事にどれだけの意味があるというのでしょうか。
いちいち説明が面倒なので、『木のモノ屋』ですと言うようにしていますが、同じく既存の職業分類に決別したのが盟友・井部健太郎君。愛媛県を代表する久万高原林業の基礎を築いた井部栄範氏の直系の子孫で大林業家でもありますが、数年前に製材機械を撤去し製材業からは撤退。スパンの長い林業経営の一方で、現在では製材所跡に地域コミニュケーションの場としてのカフェを設置し、木材を使った建築用材以外の新たな出口を模索中。同じ方向に進む友が近くにいる事がどれ程心強いことか。
以前に井部君が作った久万のスギを使った『杉結箸(すぎゆいばし)』は、四国中央市の水引とコラボし、地元信用金庫のノベルティグッズに採択され多くの県内の人の手にスギのぬくもりが届けられました(右上1枚目写真)。その後、弊社の商品開発にもいろいろと関わっていただき、今では互いの商品開発に欠かせぬ存在。その井部君が作ったのが、経年で古材の風合いを帯びたエイジング材をフレームに使った『CHALK BOX(チョーク木箱)』と『CHALK BOARD(黒板)㊨』。
その2つの商品を製作体験する イベントが久万造林さんで6月28日(日)に開催されます。場所は上述のカフェ。時間は10:00〜14:00(受け付けは9:30~)、参加費は1人¥3000(ランチ付き)、定員30名要予約という事ですので、ご興味のある方はお早めに申し込まれた方がいいと思います。なお当日は、町内で別のイベントが交通規制があるため会場へ行く道が通常と違いますのでご注意ください。今後も木の新しい出口商品への摸索は続いていきます。
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