森のかけら | 大五木材


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20150206 1いよいよ本日はシナノキ物語の最終話。材が軟らかかく年輪も不明瞭で、建築材や家具材としてもあまり利用されていないシナノキですが、その特徴は別の見方をすれば、材質が均質で狂いにくく収縮も少ないという事になります。また淡い黄白色の生地は、塗装との相性が抜群で着色して仕上げるには格好の材と言えます。しかも軽くて安価というその特徴を最大限に生かしたのが合板の表面に化粧材として薄いシナ材を貼ったシナ合板

 

20150206 2弊社でも昔は押入れセットの1つとしてシナ合板には大変お世話になりました。しかし仕上げ用の化粧材(しかも大量生産型の)となるとわずかなシミや節でも欠点とされるため、当時そのシナ合板を眺めながらこの1枚を作るためにどれぐらいのB品やロスが発生しているのか心配になったりしたものです。それ以外にも、経木アイスクリームのヘラアイスキャンディーの棒、彫刻材、漁具、籠、製図板などにも使われています。

 

20150206 3北海道などに多い日本原産のオオボダイジュは材質的にはシナノキとほぼ同じなのですが、合板業界ではやや白っぽい事から『アオシナ』、やや赤身を帯びたシナノキを『アカシナ』と呼んで区別する事もあるようですが、材木屋での一般的な取引ではそこまで区分される事はありません。その靭皮(じんぴ)が重宝がられて植えられてきたシナノキでしたが、近代では靭皮としてではなく材やその他の用途に存在価値を見出しています。

 

20150206 4その代表的なものが蜜源です。シナノキの花は初夏に咲き白い小さな花が枝分かれしたように連なり、いい香りが蜂を招き寄せる蜜源植物としても有名。シナノキの蜂蜜、売られているのは見たことがあるのですが実際に食した事がないので、せめて出口の紹介をしておかねばと『はちみつの5かけら』に加えるつもりでしたが、蜜源植物の候補は多くて含める事が出来ませんでした。その贖罪として今度購入しシナノキの蜂蜜を味わってみます。

 

Exif_JPEG_PICTURE成長が早い事から比較的大きな材が取れるというのもシナノキの特徴ではありますが、同時に非常に軽軟な事から脆(もろ)くて傷がつきやすい、腐りやすいという面もあって、材の大きさの割には用途が定まらず大きな体を持て余しているというのがシナノキに対する印象です。弊社にも長さ2100×幅1900×厚み76㎜というサイズのベッドシナノキもありますが、その巨躯を活かせる場面を思案中です。これにて構想1年にわたるシナノキの長篇物語完結!




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