森のかけら | 大五木材


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Exif_JPEG_PICTURE本日はシナノキの名前の由来ついて。シナノキは漢字で書くと、「科木」とか「榀木」、「級木」などと表わされますが、名前の語源から考えれば「科木」、「級木」が正しくて、「榀木」は俗字、当て字だという事のようです。かの牧野富太郎博士は著書でシナというのは、結ぶ、縛る、括(くく)るというアイヌ語から来ていると記されていますが、それについては懐疑的に考えられている学者の方も多くいらっしゃいます

 

20150203 2アイヌ民族はシナノキの木の皮で縄や糸を作ったそうで、シナノキは随分と重宝されたようですが、アイヌ語でシナの皮はニペシ(nipesあるいはsi‐nipes)、シナノキの事はニぺニシ(nipes‐si)と呼ばれ、シナの語源と結びつくようなものが見当たらないためです。では語源はどこにあるのか?アイヌ民族に限らず、シナノキ属の樹皮は古くからとり縄や布にも使われてきて、その事が記された『古事記』にそのヒントがあります。

 

20150203 3古事記には信濃(現長野県、岐阜県中津川市の一部)を科野と書かれています。縄づくりや布づくりが盛んだったのは信濃あたりなのですが、江戸中期の国学者・賀茂真淵によると、科坂(しなさか)または級坂(しなさか)と呼ばれる段や坂の多い山国を指して科野または級野と言い、それが転じて信濃になったという事ですから、その科野に潤沢にあった木が『科野にある』として科木(しなのき)になった考えられています。

 

20150203 4このシナノキ、名前にまつわるエピソードがやたらと多い木で、それは国内に留まりません。シナノキはドイツ語で『リンデンバウム』。英語では『リンデン』または『ライム』。いずれもリン(糸、繊維)からの転移で、国の内外を問わず名前の由来は繊維に基づくものであったということが、シナノキの特徴をよく表しているのだと思います。ところでリンデンバウムは菩提樹と訳されてるのですが、実はそこにも混乱が生じているようです。




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