森のかけら | 大五木材


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20150608 1 昨日、アフゼリア属傘下につけられた総称としてアパ、リングワ、ドウシエ、チャンフータなど産出国ごとに違う名前で呼ばれている事をご紹介しましたが、日本の市場でも『アフリカケヤキ』の名前で呼ばれたりしています。それは木目や雰囲気がケヤキに似ているからというよりも、耐久性や耐水性が高く、白蟻に対する耐性も極めて良い事から重構造材や門など屋外施設に利用されるという材の特徴が、ケヤキの代替材として適性があるという事から命名されたのかも

 

20150608 2実物は見たことがないのですが、アパの果実は大きな木質の莢(さや)で腎臓のような形をしていて、基部に写真のように鮮やかな色のついた仮種皮を持つ粒状の種子を持っているとか。何だか巨大な蛍のように見えなくもないですが、こういうカラフルな種を見ていると、純粋にコレクションとして種だけでも集めてみたくなります。マメ科の木は果実が莢をなすことに特色があるのですが、その種の形にもそれぞれ個性があって非常に惹かれます。ちなみにアパはジャケツイバラ亜科

 

20150608 3実際、アパを使う用途の多くは寺社仏閣などの大きな部材が必要とされる現場や耐久性や保存性を求められるカースが多いようです。最近ではウッドデッキなどにも使われているそうですが、私は大きな一枚板でアパと出会った経緯もあって、アパといえばテーブル材という一種の刷り込みのようなものがあります。〔大きな一枚板=重い、硬い=アパ〕という刷り込みから、ついついアパについては消極的になっていて(最終的には完成品を自分が運ぶわけですから)、仕入れも控え目でした。

 

20150608 4また昔は既存の出口以外の用途に目を向けられるだけの精神的な余裕もありませんでしたので、アパへの私の認識は随分長い間そのままだったのです。そういう事もあって仕入れてはみたもののあまり触らず長らく眠らせてしまっていたのですが、それが幸いしたのかどうかは分かりませんが、このアパという木は乾燥させるのに長い時間がかかるものの、乾燥するとかなり軽くなるんだという事を実感して驚き!あれほど重たかったアパがすっかり乾いて相当軽くなっていました

 

20150607 4まあ前述したように一族の数種を含んだグループであるため個体差もあり、すべてのアパが同じ特徴ではないでしょうが、おおむね乾燥後の安定性は高いようです乾いた材を削ると皮革のような匂いがする知られていますが、実際に削ってみてもそこまで強い匂いは感じませんでした。また、材によっては刃先を鈍化させたり、ビスや釘などの加工を割れを生じやすく、乾燥が甘いとビスや釘の金属を侵してしまうので使用を控えたほうがよさそうです。右の写真はオイル塗装後。

 

20150607 5かつては大きな和太鼓はケヤキで作られていましたが、ケヤキの大径木が少なくなってくるとアフリカ産のブビンガが代替材として使われました。そのブビンガも次第に大物の入荷が難しくなり、『アフリカケヤキ』の名を持つアパに注目が集まってきているようです。樹高15~20m、直径1mを越す丸太も珍しくないといわれるアパですが、この木の本来の魅力はマホガニーに似た柾目にあって、『ポッドマホガニー』や『マホガニービーン』という米国における別名がそれを物語っています。乾燥後の軽量化も実感できたことなので、今更ながら再び手を出してみようかなと思うのですが、乾燥を経て使えるようになるに何年かかるか・・・しかし、大径木についてはこれぐらいの長期スタンスで臨んだぐらいで丁度いいのでは。

 




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