森のかけら | 大五木材


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恐竜博物館の話も今日で最後。恐竜やその時代の植物にも興味津々なのですが、それと同じくらい興味があるのが、ミュージアムショップの商品について。ここに来たかった理由のひとつにその「マーケティング」もあった、なんていうと大袈裟ですが、こういう子供も大人も楽しめるミュージアムだからこそ、そこのショップでセレクトされた商品ラインナップが気になるのです。なぜなら、不遜ながらいつの日にか全国のミュージアムショップで並べていただけるような木のモノを作りたいと思っているからです。

ええ、そりゃあ私だってこんな立派なミュージアムのショップで扱っていただけるなんて場違いだとは分かっています。しかし世の中には常に一定数の『マニア』というマイノリティが存在します。展示パネルにも書いてありましたが、「茎の周りに根を巻き付けて太る『変わり種』もあって、デボン紀中期に現れたシダ植物に続いて、同様に「太る能力」を獲得してきた」と。どこかで何かの突然変異が起きて新たな「価値」が生まれてくることを信じて、まずはマニアックが集まるようなミュージアムショップから・・・。

私自身も持っているある商品があるのですが、今回巡った北陸の3つのミュージアムショップのうち2か所(21世紀近代美術館、恐竜博物館)でもそれは販売されていました。そういう風になるには、そうなるだけの魅力や理由があります。今までは建築資材を主として扱ってきて、工務店さんやハウスメーカー、設計士さん、またはその先の施主さんなど、見える相手がお客さんでしたが、目に見えない不特定多数がお客さんということになると、販路は飛躍的に増大することになりますが、その分ハードルも高くなるということ。

そうなるといくらマニア向けとはいえ独りよがりのものづくりではさすがに難しいのではなかろうか、いやそこで方向性を変えては何が己かなと、捕らぬ狸の皮算用。しかし、たまたまのご縁で新潟市美術館で『森のしるし』を販売させていただいたりと、昔ならば到底想像もできなかったミュージアムショップとのご縁が、ほんのわずかながら出来つつあって、強く願う思いはいつか必ず叶うを感じているところ。目の前にある恐竜たちの「亡き骸」からすれば、そんな感傷もわずかな光のまたたきであるのでしょうが、だからこそ強く輝きたいと願うのです。




恐竜博物館内には太古に隆盛を極めたシダ植物に関する展示も沢山ありましたが、今ひとつ興味が湧かないのは、それが果たして「材」となった時にどんな色合いをしているのかとか、どんな木目をしているのか、どんな表情を醸し出すのかといった材木屋的視点で木を見てしまっているからということと、基本的な植物の勉強をきちんとしてこなかったというとこに問題があると思っています。興味のあるところだけ深く掘り起こして、関心が薄い部分はほとんど手つかずというスタイルなので知識の偏り方が酷いものです。

普段は多くの針葉樹に接しているものの、興味の対象としては圧倒的に広葉樹の方が強いので、ついつい広葉樹贔屓のもの言いになってしまいます。更に知識不足で関心が薄いのがシダ植物で、名前すらも覚えられず。まあ、【森のかけら】とは縁が無さそうなので仕方ないところです。ところで、そんな風に知識の乏しい太古のシダ植物に対する私のイメージは、子供の頃に見た恐竜図鑑のイラストに決定づけられています。CGなんてない昭和40年代、恐竜は想像のイラストで描かれるのが当然の時代でした。

今からみればかなりいい加減な時代考証がまかり通っていたと思いますが、誰も実物を見たものがいない想像上の姿なのですから仕方ないところですが、かなり「怪獣的要素が盛られた」それらのイラストは少年の心を萌えさせるには十分でした。そのイラストには巨大なシダ植物と思われる木々の姿が描かれていて、恐竜が跋扈した時代の森はそういうものなんだと長らく信じていました。ところが実際には、シダ植物が全盛だったのは恐竜時代のもっと前の古生代で、恐竜が跋扈した中生代は針葉樹などの裸子植物の時代

なので、本来恐竜の背景に描かれる植物はスギやヒノキやマツなのです。しかし恐竜と巨大なシダ植物がセットになったイメージが植え付けられていて、頭では理解していても逆にスギやヒノキと恐竜という組み合わせに妙な視覚的な違和感を覚えてしまいます。広葉樹は更にその後の時代になるそうで、雰囲気としては広葉樹のジャングルと恐竜って凄く合いそうなのですが、そういうのも映画などの視覚的なイメージによるものなのです。最近の映画ではそういう時代考証が改善されているらしいのですが、恐竜映画を作るのも大変な時代です。




さて今日も『福井県立恐竜博物館』の話。後のこともあって、実際にはここにも1時間程度しか居られなかったので、相当に駆け足で館内を巡ったのですが、またいずれ改めてゆっくりと来てみたいと思います。とはいえ折角なので、ひとつでも多くの事を見ておこうと目を皿にしてあちらこちらをつまみ食い。恐竜そのものにも興味はあるものの、こういう場所でしか見られない「恐竜時代の森」についても興味津々。しかしこういうものって見る側にある程度の知識がなければこんな短時間では到底消化しきれるわけもなし。

とりあえずカメラにだけでも収めておこうとカメラを向けるのに夢中で、中身については帰ってらゆっくり確認しようという始末。恐竜が跋扈した時代のジュラ紀の森についての展示も充実していて、当時の森のジオラマなんて、売っていたら個人的に購入したいぐらい。実は以前に、このブログで古代樹について書いたことがあるのですが、その時は恐竜の時代よりも遥かに太古の3億年前のベルム紀、石炭紀の時代に地上で隆盛を誇った『シギラリアTietea singularis)』などのシダ植物について

また別の項では、愛媛県伊予市の市木『メタセコイア』について書きました(『メタセコイア外伝・伊予市の扶桑木』)が、太古の樹木って恐竜と同様に偏屈なマニア材木屋の心も揺さぶるのです。館内の解説文によれば、「ジュラ紀後期は、三畳紀やモンスーン的な気候がとだえた結果、世界のほとんどが均一な植生になった時代」だそうで、「やや乾燥した環境の中でもっとも繁栄した裸子植物はジュラ紀のおわりまでに現在のほとんどのグループが出揃い、巨大化した針葉樹と競うように巨大になったグループが栄えた時代。」


世界のいろいろな樹種を集めていると、こうした今は無き太古樹にも思いが及んでしまいます。もしもタイムマシンがあるのならば、この時代に行って太古樹を少しだけいただいて、戻ってから『太古樹のかけら』を作ってみたい!そしたら中には時々、太古の虫が入っていたり、草食恐竜が葉を食べるときに擦れた傷や噛み跡でもあれば、それはもうジュラシック・プレミアムウッド!どうせ作れないならせめて妄想の中だけでもリストアップしてみようかしら、『森のかけら・ジュラシックウッド36』!




福井県立恐竜博物館』には44体もの恐竜骨格と千数百もの標本があって、とてもとても数時間で見れるような規模ではありません。相当凄いという話は、ここを訪れられた方々のブログなどで知ってはいたものの、想像を遥かに超える規模でした!職業柄どうしても気になるのが具体的な規模と費用。公式に発表されている数字だと、約30,000㎡(約9,090坪)の敷地面積に建てられた建物の延べ床面積は約15,000㎡(役4,550坪)、建築工事費が91億5千万円で、展示工事費31億円。その他資料整備費等を合わせて総額約140億円の県の一大公共事業

4,500㎡という広大な展示室には、44体もの恐竜骨格をはじめとして千数百もの標本の数々が所狭しと居並んでいます。昨日も書きましたが、こんな「建築現場」があれば私なんか相当にテンションが上がって、日に何度配達で呼ばれても飛んで行ってしまいます。以前に地元の動物園に木材等を納品させて」いただいていました。その際に、ゾウのサッカーボールオオサイチョウの巣、トラのベッドなど面白い仕事を受注させていただきましたが、それはそれは非日常的仕事で楽しかったものです。

建築材が主流だったので、どうしても扱うアイテムが限定され、仕事の内容もルーティンワークとなるので、少しでも毛色の違った仕事が舞い込むと気持ちがハイになりやすいのです。ただし不慣れなため容量を得ず、時間も手間もかかるため、仕事して考えれば効率的でもおいしくもないのですが、毎日繰り返されるルーティンワークに変化を求めていた飽きっぽい性格の私はすぐに飛びついたものです。動物園ですらそのテンションですから、「ティラノサウルスの台座の下地材の木材」なんて注文きたら、そりゃあ舞い上がるでしょう!

展示してある恐竜の骨格などを目で追いかけながらも心は建築時期にタイムスリップ。これだけの規模だから敷地への乗り入れや建物への業者の入場も厳格にされていただろうから、きっと恐竜がプリントされた入場証か何かが配られていたんだろうとか(勝手な推測)、展示に使われる木材に関しても地域材の指定があったのかしら、でも恐竜が生きた時代に事を考えればスギヒノキであるはずがないだろうからどういう樹種の指定があったのかしら(展示には本物に木は使われてないだろうが)などなど恐竜並みに膨らむ妄想




福井に行ったならば必ず行っておきたいところ、それは東尋坊でもなければ永平寺でもない、そう男の浪漫、『福井県立恐竜博物館』!!カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館、中国の自貢恐竜博物館とともに世界三大恐竜博物館の一つと称される恐竜テーマパーク。平成12年にオープンして以来、常に多くの恐竜マニアの心を惹きつけており、現在では年間90万人が訪れる福井を代表する人気スポットです。後輩たちの車に乗せて帰る予定でしたので、もしや別の場所を言い出したりしなかとの若干の危惧もありましたが、

さすがにそこは皆男の子、心配は杞憂に終わり全員一致で恐竜博物館へ向かうことになりました。車で福井までやって来た彼らは、事前に永平寺には寄って木の勉強の済ませていたらしいのですが。とにかく人気スポットで日曜日ということもあり、混雑を避けるために開館前から並ぼうと早朝より移動。すると館周辺で、何やらマラソンが開催されていたのですが、そこにもしっかりと「〇〇恐竜マラソン」の幟(のぼり)がズラリ。福井の皆様の商魂逞しく地球の遺産を有効活用なさっていらっしゃいます。

思えばスピルバーグがスクリーンに生々しすぎる恐竜を復活させたのが1993年のこと(ジュラシック・パーク)ですから、今からもう四半世紀近くも前になります。それまでの恐竜といえば、特撮の神様レイ・ハリーハウゼンに代表されるカタカタした動きが哀愁を誘うストップ・ ストップモーション・アニメか、ジャパニーズ着ぐるみ(ゴジラ)でしたので、とても作り物とも思えないほどに滑らかな間接に感動すら覚えたものです。どうして人はこんなに巨なるものに心惹かれるのでしょうか。

まだ誰もいない会館前に到着して、開館を待っていたのですが開館時間が近づく頃にはすっかり長蛇の列が出来上がっていました、さすがは人気スポット。ちなみにこの建物、地上3階・地下1階の鉄筋コンクリート造で、地上はドーム型をしていますが設計はかの黒川紀章氏。地下に降りるエスカレーターに乗って考えていたことは、もしも自分の会社が建築時にこの建物に携わらせていただいたとしたら、伝票には「恐竜博物館」と書き込むんだろうなあ、「恐竜博物館に納品行ってきます」なんて言うんだろうなあと独り妄想しながらワクワク!




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