森のかけら | 大五木材


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天板が仕上がったら最後は植物性オイル+蜜蝋ワックス拭き仕上げ。鉄脚が付いて仕上がったのがこちら。中央に走った大きな割れも、豪快な流れ節も、このミズナラに力強さと唯一絶対の個性を与えてくれています。中には節や割れが許せないとか、許容出来ないという方もいらっしゃいますが、弊社の倉庫にあるのはそういう木ばかり。私自身がそういう木の表情が好きだし、それを個性だと感じているので、あえてそういう木ばかりを選んで仕入れています。なので自然とご来店される方にも感染。

もちろん欠点の無い無節の木も嫌いではありませんし、ある意味でよくぞそこまで綺麗に成長したなと感心するものの、生来のひねくれ者ゆえ万人が認める絶対的な価値に対する反発心みたいなものがありまして、節ひとつ無い優等生のような木には何か物足りなさを感じてしまうのです。欠点の無い事、それこそがある意味欠点でもあります。自身の人生を投影した、完璧なモノに対するひがみ、ねたみなのかもしれませんが、やはり私は節や割れ、傷のあるような板にこそ木の魅力を感じてしまうのです

ぬくぬくと育った優等生の無節の板からは発することのない、ワビサビのような味わい深さは、森で雨風や小動物、昆虫たちと格闘して刻まれた節や割れ、傷などの爪痕からこちらの想像力を大いに掻き立てながら滲み出してくるのです。酸いも甘いも嚙み分けたような老獪な味わい深さがたまりません。映画でも完全無欠のスーパーヒーローよりも、心に闇のあるような脇役に惹かれたりするのです。古い例えで恐縮ながら、アーネスト・ボーグナインとか ウォーレン・オーツ、ロバート・デュヴァル等々。

話が映画の方に逸れそうなので戻します。きっとそういう自分自身の中の反骨心というか反発心みたいなものが、木の節や割れなどがあって『欠点』とか『B品』なんていう表面だけしか見ない薄っぺらい世間の評価に対する怒りのメタファーとなっているのだと思います。人は誰も理想通りには生きられませんが木とて同じこと。そこに芽吹いてしまえば、いかに過酷な環境だろうがそこで生きていくしかない木。その木たちが必死にもがいて刻まれたしるしの中こそかえがたい魅力があると思うのです




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