森のかけら | 大五木材


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今回のダイニングテーブルとTVボードを晴作してくれたのも勿論、大五木材の懐刀である善家雅智君(ZEN FURNITURE)。無垢の家具が作れる家具職人って松山だと、一般の方が想像されている以上に少なくて、善家君は貴重なその中の一人です。住宅着工数が減少した、無垢の家具を求める人が減ったとはいえ、やはり無垢の家具にこだわれる一定のコアなファンはいらっしゃいます。無垢の家具は木取りから始まって製作にそれなりの時間もかかるうえ、善家君のような個人の職人さんだとこなせる台数にも限りがあって、ファンの需要に供給が追い付かない状態。

全国的な傾向とかそんなマクロな話はどうでもいいのであくまで弊社周辺の話ですが、特に春先から初夏まではかなり混雑していて、中には数ヶ月待っていただいていらっしゃる方もいるほど。どうしても腕のいい職人さんに仕事が集中するのは致し方ないところ。そういう状況でしたが、この数年前から愛媛で家具職人として起業する、したいという若い人が急増。そんな人たちが今後の材料の供給先として弊社を訪ねて来られるのですが、その数がもうすぐ二桁に。何が何を導いているのか、何の巡りあわせなのか分かりませんが、愛媛で無垢の家具造りの花が咲きそうな気配。

話を戻しますが、今回はダイニングテーブルとニコイチのTVボード、そして椅子を4脚納品させていただきました。椅子については、独自のノウハウやそれなりの設備が要るため、オリジナルを作るのではなくて柏木工さんや飛騨産業さんなどの大手のメーカー品を仲介させていただいていました。しかし近年それらの主原料となるブラック・ウォールナットタモ材などの高騰により製品単価も跳ね上がり、テーブルなどとセットで提案しづらい状況(価格)になっていました。1脚が6万だと4脚で24万と、他のテーブルなどと組み合わせるとかなりの金額になります。

無垢の家具だからテーブルとかも高額なんだろうと思われるかもしれませんが、無垢の家具は必ずしも高いわけではありません。勿論合板などと比べれば高額になりますが、私としてはビシビシの銘木や高級材よりも、節や小割れや虫穴など一般的には欠点とされるモノでも、それを『木の個性』として尊重したいし、それを受け入れてもらえれば、木の選択肢も広がるし価格も抑えられます。寿司でいえば大トロのような家具が取り上げらる事が多いため無垢の家具は高価というイメージになっています。

しかし実際には無垢の家具にもいろいろな入り口があります。そこさえ間違わなければ、あとは魚心あれば水心です(^^♪その方が求めるイメージに近い材の物語を共に紡げる家具造りが出来たら楽しいし、そもそもそういう部分でしか弊社の存在価値も意義もありませんから。そういう意味で、もう少し値段を抑えらる木の椅子があれば、テーブルなどとセットで提案できるのにと思っていたら、たまたまこの椅子との出会いがありました。フレームはタモ材ですが、座面がペーパーコードになっているので驚くぐらい軽くて、商品が入荷した際に間違って空箱が届いたのかと思ったほど。今回お買い上げいただいたのは座面が黒のペーパーコードしたが、他にもナチュラル色やポリウレタン、アームチェアーなど数タイプ揃っています。これからはテーブルと椅子セットでご提案していきます!

 




木のファンを増やす』というのが材木屋の社会的な使命だなどと、生意気な十字架を勝手に背負い込んでおりますが、永年そんな事を考えていると、その考えにも共鳴してくださる方も触れてきて、ファンが新たなファンを呼び込み、私の知らないところでも徐々に木のファンが増えてきています。それは工務店さんであったり、設計士さんであったり、はたまた木の仕事とは無関係の一般の方であったりさまざまですが、本日ご紹介するのは、新たな木のファン拡大活動に熱心な宇和島市の、『住むほどに発見、暮らすほどに感動。』をテーマに掲げるアンカーホームデザインさん(以下アンカー)。

アンカーの赤松社長とはもう古いつきあいなのですが、ご自宅を建築される際にフローリングや家具などで関わらせていただきました。そのあたりから気づかれぬように少しずつ、木のファンになるべく『洗脳』を開始して10数年。今ではすっかりと立派な木の虜となり、日々木の面白さ、素晴らしさ、楽しさ、快適さなど木の魅力を伝える伝道師として啓蒙活動に邁進されています。そんな赤松伝道師に導かれて弊社にやって来られる人は、既に木のファンになられている方なので、打ち合わせも『共通言語』が使えてスムーズだし、なにより話していても楽しい!

その話の途中にも、更に木への愛情を深める媚薬を少しずつ混ぜ込みながら、脱線と複線を繰り返しつつ長い打ち合わせを経てようやく仕様が決定。作らせていただいたのはダイニングテーブルとTVボード。弊社が納めさせていただいた75㎜の小幅のナラのラスティック・フローリングの床と合わせて、重硬なホワイトオークを選択(されてからご来店)。樹種の選定というのは家具造りの中でも、私にとってもっとも楽しく、腕の見せ所な場面なのですが、伝道師が増えたお陰で美味しいところをすっかり持っていかれてしまっているのが寂しい(笑)

木のファンとして覚醒されると、もうひとつ深い話ができるのが楽しいところで、木の話(幹)から始まり、やがて枝葉へと広がり、生まれや家族、人生なんてとこまで掘り下がっていくと、もう売り手と客とかの関係性は超越。木を愛する同じチームの仲間です♪ところで、ホワイトオークはウイスキー樽の木として有名ですが、比重も0.75とかなり重たい。TVボードは分離式のニコイチで、1台のサイズはL1000×W400×H700㎜で、決して大きなモノではありませんが、これでも棚が入るとおとなひとりでは一台を持ち上げられないほどの重量!明日に続く・・・

 




弊社には必要以上に大きなモノがいくつかあって(まあ、それが面白いと思って自分で買ってきたわけですが)、自分の中では敬意を込めてそれらを『ビッグ・ユニット』と呼んでいます。野球好きな方ならお察しの通り、2mを超える長身で160キロを超える剛速球を投げ込んでいたメジャー・リーガー、ランディ・ジョンソンのニックネームです。通算300勝を越え、野球殿堂入りも果たした名選手ですが、投じた球があまりに速すぎて、たまたまバッターの前を横切った鳩に直撃するという衝撃的な事故もありました。とにかくすべてが規格外の選手でした。

そんなランディ・ジョンソとは何の関係も無いのですが、大きなモノはただ大きいというだけで価値がある、という材木屋ならではの価値観が染みついていて、(必要以上に)大きなモノに対してはもうそれだけで圧倒され、魅了され、つい買ってしまう事があります。当然、懐具合との相談になりますので、置き場所も無いような巨大なモノには手が出ません。あくまでも『私の中のビッグユニット』(←世間的にはリトルユニット)なんですが、それがまたなんとも愛おしいというか、手元に置いておきたいというか・・・

そんな『私の中のビッグユニット』の1つがこちらの『パドック』。以前にもご紹介しましたが、写真の奥の板は現在ではカフェのカウンターテーブルとして活躍中です。手前の根元が大きく張り出した方のパドックは、いろいろ事情がありまして長さと厚みをカットしました。大きな木は大きいなりに使ってもらうにこしたことは無いのですが、さすがに長さが6400㎜で、幅が1000㎜、厚み120㎜クラスとなると、そのままの大きさでは使うのは難しいどころか、動かす事すら容易ではありません。泣く泣くこの一枚はカットして販売することにしました。

そうやってカットしたうちにひとつがこちら。これでも長さは1400㎜、最大幅で1000㎜、厚み60㎜ぐらいはあります。売るというよりは、こんなモノもありまっせ的な看板として展示しとこうかなと思ったいたら、テーブルとして売れました!仕上がり具合をご確認いただくために表面をサンダーで磨いてオイルを塗ると、この美しさ!!売れて嬉しいような、手元から離れるのが悲しいような・・・。ご購入いただいた方が元甲子園球児というのは、もしかしたらビッグユニット、ランディ・ジョンソンのお導きではなかろうかと思ったりもしているのです。サンキュー、ランディ

 




シガーボックスの最高級素材として葉巻の愛好家にはよく知られている『セドロ』(センダン科)は、雑誌などでシガーボックスが取り上げられるたびにネットから材の問い合わせがあります。私自身は煙草を吸わないので、実はその特性を『読んで、聴いて知っている』だけで実感はないのですが、葉巻の愛好家に言わせるとシガーボックスはセドロ製でなければならないそうです。いろいろな特徴のある木を販売していながら、その効能や性質を直接体感・理解していない事も多くて恥ずかしいのです。そんなセドロですが、私には縁遠いもうひとつの有名な出口があります。

それは『楽器』。特にクラシック・ギターのネックとして有名です。私はギターの演奏はおろか音楽関係には非常に疎くて音痴なので、ここでもセドロでなければならな希少性がよく理解できていなくて申し訳ないのですが、その道の方なら誰もがセドロの名前はご存知だとか。楽器の分野では、セドロというよりも『スパニッシュ・シーダー』の名前で知られているかもしれません。前にも書きましたが、シーダー(スギ)の名前がついているもののれっきとた広葉樹。削るとスギに似た匂いがするのでそう呼ばれています。

セドロの産地は中南米、弊社の持っているセドロはブラジル産です。にも関わらず『スパニッシュ』と名前についているのは、この地がかつてスペインの植民地であったため。征服者たちの嗜好品として愛用されたことからその名がつき、世界に知られ使われることとなったのですが、現在ではほとんど流通していません。弊社の在庫も後わずかですが、そもそも建築資材としてもニーズはほぼ無いので、セドロ指定で問い合わせが入るのは、前述のシガーボックスか楽器材としてのみ。そのため出て行く量もわずかなので、どうにか今まで延命してきたというわけです。

シガーボックスとギターという用途には一見すると関連性が無さそうに思えますが、煙(香)と音に大切なのは優れた調質性、そして虫などに対する防虫性。古代のマヤ人は、この木でカヌーを作っていたそうですから、マヤでは古来からセドロの防虫性に気づいていたと思われます。それでも材を検品していると、ところどころに小さな虫穴を見つけますのでやはり蓼食う虫は好き好きなのでしょう。そのセドロに先日、音の分野からお声がかかりました。ギターのネックとして使うので探されていたとの事。

カウンターにするような大きめのサイズのセドロの板を一枚ご購入していただきました。お買い求めいただいたのは、兵庫県の篠山市でギターの製作販売をしていらっしゃる楽器工房Kiyond田中清人さん。ご指定サイズにカットしてお送りすると早速加工して画像をSNSにアップしてくださいました。セドロは軽いので結構大きなサイズでも宅急便で運べるのがありがたいところ。田中さんのお眼鏡にもかなったようで、倉庫で埃をかぶっていたセドロが、演奏会などの晴れやかな舞台に立つことが出来る日も近いかも。木を活かすには、活かせる人と繋がれるかどうかにかかっています。

 




今年のゴールデンウイークの長い連休も休まずに、せっと造り込んだ『端材コーナー』ですが、その後も日々少しずつ改良を重ねています。棚に陳列する商品にはきちんと値札が付いていて、端材を一枚引っ張り抜いたからといって雪崩にならないように整理してあるというような基本的な事すら出来てなくて、『宝物をご自分の手で探せます!』などという体のいい言い回しで逃げていました。まずは最低限私が居なくても値段が分かるようにしておこうということで、棚を増設して陳列した木には値札を付けて、見やすく価格帯で分ける。←今、やっとこのレベル💦

端材も大切にする、というと聞こえはいいものの、それがきちんと整理できなければ換金できずただひたすら「使えない木」が積み上げられるだけ。倉庫のあちこちに「いつかは使えるはず、いつかはこの木を求める人が現れるはず」という「はずの塔」が乱立。本当にもうお恥ずかしい限りなのですが、ようやく塔の解体に着手。とにかく『誰がいつ見に来られても値段が分かる』という最低限のところから取り掛かっています。ただ並べているだけでは面白くないので、毎月テーマを設けてそれに添って材を取りそろえる事に。

ちょうど愛媛県産のクスノキの小さな板モノが溜まっていたので、まずはクスノキから始める事にしました。ということで、6月の端材コーナーの特集は『クスノキがいっぱい』。6月の誕生木はクスノキという事もあるので、さまざまな形のクスノキの端材に混じって、『クスノキのこだま』のB品なんかもしれっと並べています(^^♪もともとクスノキは耐湿性に優れている事から水気の多いところなどで利用される木で、その優位性については安芸の宮島の大鳥居などでも証明されています。また樟脳の原料としても知られている通りその匂いは強烈で、クスノキが並んだ端材コーナーは刺激的な匂いが充満しております。

こうやって書くと、大量のクスノキの板を集めて展示販売しているかのように誤解される方がいらっしゃいますが、これってあくまでも弊社の倉庫の中の小さな『端材コーナー』の中のごく一部の話です。なので、『クスノキがいっぱい』と言ったって、端材レベルの話です。映画のタイトルを転用した遊び心でやっているので、その点はご了承下さい。一応1ヶ月ごとでテーマを変えていくつもりで、材が減ったら追加投入するつもりですが、期間までにすべて売り切れて、早めに特集打ち切りなんてならないかなどと、またまた取らぬ狸の皮算用・・・ここが一番楽しい(笑)

 




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