森のかけら | 大五木材


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20140825 1本日はようやく実物のアスナロについて。『あすなろ物語』という本との出会いから考えても、『今日のかけら』で一番最初に取り上げるべき木であったと思うのですが、それがようやく今頃になったのには事情があります。まず、今でもそうなのですが、私自身アスナロという木がよく分かっていません。ものの本には詳しく解説してはあるものの、実体験として森に立っているアスナロの木を見たこともありませんし、これぞ間違いなくアスナロ!と断言できる自信もありません。

 

20140825 2というのも、アスナロという木はつかみどころのないというか、正体が分かるようで分からない不思議な木なのですヒノキ科アスナロ属に分類されるこの木は、地域によって実に多くの名前を持っているのと、この木の名前を冠して呼ばれる木がいろいろあって、どれが本当なのかよく分からないのです。地域によって木の名前は、圧倒的に方言名の方が優位で、例えばそれが植物学的には正しくなくとも、地域ではそれで会話や流通、文化が成立していることはままあります。

 

20140825 3例えば、『イチイ』にはオンコ、アララギ、アカギ、ムラサキギ、シャクノキ、スオウ、ミネズオウなど多彩な呼び名がありますが、1つの名前がいろいろな木の事を指す場合もあります。例えば、『ナンジャモンジャ』という変わったというかふざけた名前の木がありますが、これは「この木はなんじゃ?」と尋ねたところ、尋ねられた人が聴き取れずに「なんじゃもんじゃ?」と訊きかえしたのを、尋ねた人が木の名前だと勘違いしたという落語のような話が由来の木があります。

 

20140825 4名前の由来してからそうですから、特定の木というよりは得体の知れない奇妙な木に対する形容的な意味で使われることも多く、全国各地にこの名前を冠した木が沢山あります。私も数年前に実家に帰省した時に、この名前のプレートをつけた木を目にしました。植物学の権威・牧野富太郎博士によると、この名前を冠した木は全国に8つあり、その正体はカツラ、イヌザクラ、アブラチャン、クスノキ、ヒトツバタゴなどだそうですが、曖昧さもある意味文化の幅の広さだとは思うのです。




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