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★今日のかけら・#001【青森ヒバ】 ヒノキ科アスナロ属・針葉樹・青森産
青森ヒバについては特別な思い入れがあります。まだごく普通の材木屋であった頃(!)、国産材に関してはそれまでほとんど愛媛あるいは四国の木しか扱っていませんでした。その後『覚醒』してからは、全国の木を扱いたいと思うようになるのですが、真っ先に頭に浮かんだのが日本三大美林の一角『青森ヒバ』でした。ほとんどミーハー気分で飛びついただけだったのですが、当時の私からすれば青森ヒバは雑誌や図鑑でしか見ることしかない木のひとつであったのです。
それぐらい名前の知れ渡った一大ブランドなのですが、この木について私なりに昔から特別の秘めたる思いがありました。それは昔ある雑誌で読んだ言葉なのですが、「腐りにくくて強いから土台に使う。昔からずっと青森ヒバに対するフィロソフィア(哲学)はそこで留まったままだ。」確かこういう内容だったと思うのですが、要はもっと他にも青森ヒバを活かす努力をしてみたらどうかという提言であり、その潜在的な可能性を示唆するものでありました。
当時の私にはひばを実際に使った経験も浅く、そのほとんどが腰壁や天井材でしたので、自分の耳にも痛い言葉であったのと、ヒバに限らずいろいろな樹種の新たな用途を考えてみようと思わせるきっかけになったので強く印象に残っているのです。それでもたまに使う青森ヒバの壁板が届いて箱を開封すると、鼻の奥をくすぐるような爽やかなライムのような香りに包まれ、商品に青森県の香りがついてきたようで妙に嬉しくなって、その瞬間がとっても楽しみでした。
その当時は、地元に無い珍しい材を扱ってみたいという好奇心がほとんどで青森ヒバにも手を出したのですが、これが後にもっと沢山の世界中の木を見てみたい、触ってみたいという【森のかけら】へと暴走していくきっかけだったのかもしれません。最初の頃は、とりあえず本で読んだ解説などに従い、耐湿性に優れた青森ヒバの特徴を活かして水回りや脱衣室、トイレなどの腰壁に提案をさせていただいておりました。現場で養生を剥がすと、また香りが漂ってきて、その頃『香り』という材の特質にも関心が向くようになったのも懐かしい思い出です。その後、主に住宅の内装材として青森ヒバを使ってきましたが、私の場合は土台というよりも、水や湿気に強いから水回りというフィロソフィアから抜け出せずにいます。それが反動となって、後に青森ヒバの挽材に手を出すことになるのですが・・・
それまでヒバといえばこの辺りでは『イエローシーダー(米ヒバ)』しか流通していませんでしたので、かなり強烈で鼻をつく刺激のあるその匂い(あえて香りではなく匂い)からは、木の香りが商品特性として訴求性のあるものだとは考えてもみませんでした。それが青森ヒバとの出会いでおおきな変化が”!そういう思いもあって、『今日のかけら』で取り上げる際にはぜひ1つでも多くの青森ヒバの施工写真も添えたいと考えていたので、今頃になってしまいました。明日へ続く・・・
※この項のタイトルは、生前に布施明の『シクラメンのかほり』が大好きであった母に捧げて。
| 実はただお会いしに来たというわけではなく、2年前に納品させていただいたゼブラウッドのテーブルが反って、割れてきたのでそのご確認とお詫びに来させていただいたというのが本来の目的だったのです。このゼブラウッドという木、見た目の美しさとは裏腹に相当にやんちゃで文字通りひねくれ者。美しいものには棘があるとも言いますが、美しいゼブラには癖がある!一応気乾比重は0.8という事になっていますが、体感比重は確実に1を超えています!そのゼブラの杢のいいところを木取りしました。 | ![]() |
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以前に、弊社の通信誌『適材適所』で、このゼブラウッドについて触れました。その時にもこの木の特徴や魅力などについてご紹介しましたが、まさにシマウマのように思える見事な縞柄に魅入られたならば、この木を前にして「反らないでくれ」「割れないでくれ」などと願うことの自体があまりに無意味で身の程知らずなのことのように思えてしまうのです。そう、「寛容である事」これがゼブラウッドの1枚板を手にする事の出来る人の資格なのです。 |
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その影響は今なお残り、瀬戸内の木材産業を長らく支えてきたマツはもはや壊滅的な惨状で、続々とマツ製材工場が撤退していったのです。その中で、なんとかこの中国地方のマツの文化を残そうと奮闘しているのが岡山県の(株)鈴鹿製材所さん。代表取締役の鈴鹿雄平君とは旧知の仲ですが、倉庫には今では手に入らないような立派なマツのストックが豊富にあり、地松の専門工場としてマツ材にかける心意気は半端ではありません。 |
| 縄文の時代決して目立つ存在でなかったマツが、日本人の暮らしと共に晴れやかな舞台に引っ張り出され、日本の名勝を作り上げ、日本の原風景とまで親しまれ、住宅や土木の主要部材として大活躍したものの、マツクイムシの問題はあったとはいえ、ライフスタイルの変化に合わせて用無しにさせてしまうなどというのは失礼な話。誕生木の商品を作るにあたっても、この歴史的な背景をよく考えて、マツの特性を活かしたいと思います。 |
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建築材以外にも、その特性を生かして土木資材(杭や矢板など)としての利用も進みました。その後明治時代に入ると、国として本格的な土木事業。治水事業が行われるようになりました。大型重機も導入されるようになると、それに合わせてマツの需要も飛躍的に増えていきます。全国各地で伐採が進み、天然林が開発枯れる一方、至る所で植樹も盛んに行われ、遂にマツは全国津々浦々に繁殖しわが世の春を謳歌することになります。 |
| マツが一気に全国区の売れっ子になるのは江戸時代。人口に急激な増加に伴い、江戸に人が集まるようになると、多くの耕地が必要になります。耕地拡大をはかるために、決して好条件ではなかった場所にも田畑が作られるようになり、その飛砂防止、防風などを目的として砂浜という砂浜にマツが植えられました。砂との長い格闘の結果砂地に根づいたのがクロマツです。こうして、白砂青砂と呼ばれる日本の海岸風景が誕生しました。 | ![]() |
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天の橋立や美保の松原、松島など今では「日本の原風景」のように思われる海岸のクロマツですが、それは景観づくりとしてではなく、もともとは耕地拡大のための防風林・防砂林として江戸時代に植えられたのが起源だったのです。松島は残念ながら先の震災で壊滅してしまいましたが、江戸時代から潮と戦ってきたクロマツの復活を願っています。地元の学生たちと共同で被災したマツを使って「森のしるし」を作らせていただいています。 |
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江戸の話に戻りますが、大都市に人が集まるようになると周辺から大量の物資が運びこまれるようになります。農林業を生業としていた周辺の村々では、里山の木を使って薪や木炭を作り町に売りに行くようになります。里山=雑木林という生態系は、縄文時代に集落が営まれるようになって、周辺の雑木林を恒常的に利用することで確立されたものですが、その過剰利用が進むと雑木林の再生産のスピードが間に合わなくなります。
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