森のかけら | 大五木材


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最近、事務所に「ひと」以外の来訪者が増えております。先日は朝っぱらから一匹の雀が飛び込んできました。会社の裏の方で数匹の赤ちゃん雀の鳴き声が聞こえていたのですが、飛び方もまだぎこちないのでどうやらその一匹だと思われます。事務所の裏口から飛び込んできて、事務所内をしばらく迷走した後、勢いよく入口のガラスに激突!まだ親からカガミの存在を教えてもらっていなかったのでしょう。頭を強く打って脳震盪でも起こしたのか、その場でじっとして動かなくなってしまいました。

数分じっとしていましたが、やがて動き出したので事務員さんが棒でいざなってやって無事外へ飛び出していきました。裏では他の赤ちゃん雀が、きょうだいの安否を気遣うようにせわしく鳴いていましたが、それもしばらくするととさっきの雀と同じ方向に飛び立っていったので、合流できたと思います。鳥といえば数か月前には、朝事務所に行くと裏口の付近に鳥の羽が散乱していたことがありビックリ!少し離れたところに無残な姿になった鳥の亡骸がありました。激突事故というよりは鳥同士の争いのような惨劇でした。

そして数日前からは倉庫の中に一匹の蛇が侵入!倉庫の入口の付近でその尾が確認され、積み上げられた木材の下の方に隠れてしまいました。私は実際に見てなくて、見たスタッフの「かなり大きかった」という目撃談が社内に不気味な不安感を広げることに。その後しばらくその姿が見られることがなかったのですが、先日私が倉庫で作業を終えて事務所に入ってくると、入口付近に大きな黒いロープが放り出されていました。こんなとこに置いといたら躓くじゃないか、危ないなあと動かそうとよく見たら、ロープが動いている!

ひゃあ~、それが噂の蛇でした!以前から告白しているように、私はリアル生物が苦手なのですが、中でもとりわけ爬虫類、両生類はまったくNG。あのヌメヌメした皮膚とか触ることなど絶対無理という情けない男なのです。それでも社長という立場が私に勇気を奮い起こさせ、何とか事務所から追い出さねばと棒で突っつくもへっぴり腰・・・。それでも危険を察知した蛇は事務所から再び倉庫の方へ。そしてまた木材の下の方に潜り込んでいきました。そうなると手出しが出来なくなるのでそのまま様子をみることに・・・。




ちょうどいい時間になっていたので、工場を見せていただく前にお昼ご飯をご馳走になることになりました。工場の隅には既に焼き肉セットが用意されており、そこへビーバー隊長武田誠さんの奥さんが慣れた手つきで焼き肉を持って来ていただきました。恐らくこれは、ビーバーハウス流の「歓迎の儀式」!これぞ材木屋の醍醐味です。日本三大和牛のひとつである松阪牛のご当地松阪が近いということもあって、この辺りはすっかり牛肉文化圏かと思いきやこのあたりは鶏肉文化圏ということでした。


ちなみに『日本三大和牛』ですが、日本人はとかくこの『三大OO』というのが大好きで、ありとあらゆる分野で『三大OO』が謳われています。木材業界も類も漏れず、例えば『日本三大美林』(青森ヒバ、秋田杉木曽桧)や『日本三大人工美林』(天竜杉、尾鷲桧、吉野杉)、『世界三大銘木』(マホガニー、ブラック・ウォールナットチーク)などなど。昔から不思議に思っていたのは、これって一体誰が決めていつからそう呼ばれるようになったのかということ。時間をかけて収斂されたとしても始まりはあるはず。

そういう事が相当に気になる性格なので、機会があれば起源などについても調べてみたいと思います。木の場合は見た目や手触りが判断材料になったのかもしれませんが、肉の場合は何と言っても味覚が最大の基準要素でなおかつ嗜好品ということなので、判断の難しいところではないかと思うのです。多くの人の感想の最大公約数的なところから決まったのだとは思うものの、偏屈材木屋としては『材木屋万流』の旗を掲げているので、『肉屋万流』ちょっと味覚にへそ曲がりな肉屋があってもいいと思うのです。


『日本三大和牛』ですが、必ずしもその三種が固定化されていないらしく一応、松阪牛と神戸牛(神戸ビーフ)はほぼ決まっているものの、あとのひと枠は近江牛であったり米沢牛であったりするそうで、やはりそこが嗜好品の難しさか?まあ、こういうものは目安程度で考えておくぐらいがちょうどいいのだと思います。ところでご当地松阪でも一般的には牛肉ではなく鶏肉を甘辛の濃い味噌で食べるらしいのです。昔から養鶏農家が多かったためだそうですが、百聞は一見にしかず。三重の鶏肉とっても美味でした!満腹~(^^♪




本日もビーバーの話の続編。かつてはダム決壊時に洪水を引き起こすことから害獣として駆除の対象となったり、その毛皮が柔らかく肌触りがよいことから帽子の原料として乱獲が進むなど(その後、保護法の成立などを受けて個体数も増加)ビーバーにとっては冬時代がありました。その後、カナダではその毛皮交易が国の発展に寄与したということで国獣に指定されたり、流水の音に反応して巣を作っているという習性が解明されるなどして、共存の道が拓けたもののひとたび人間の手が入ってしまうと元の状態に戻すのは非常に困難

ビーバーはいろいろな樹を齧るようですが、齧るだけでなく草食なので樹皮も食します。その中で特にお好みなのが、ヤナギ、カエデ、ポプラ、ブナ、カバ、ハンノキなど(アメリカビーバーの場合)。この話を書くにあたって改めてビーバーの事を調べたり、画像を検索してみると、その前歯の鋭さに思わず引いてしまいました。ビーバーなどの齧歯(げっし)類は、一生伸び続ける歯を持っているので、硬いものを削って歯を摩耗させないと、最終的には自分で自分の突き破ってしまうという宿命を持っています。

それを思うとせっせと樹を削り運んでいるビーバーの姿は切なくすらもあります。水族館などでは、どうしても運動不足になったり、歯が伸びすぎるので、適度にビーバーが作った巣を壊して何度も作らせるそうなのですが、それもまた切ない・・・。また森の建築家、伐採屋たるビーバーですが、時には自分が削り倒した樹の下敷きになってしまうという悲劇も起きるようで、SNSでは無情にも下敷きになったビーバーの姿がいくつもアップされていました。ビーバーは樹がどちらに倒れるか察知できる能力があるのだそうですが


削っていた本人(ビーバー)が下敷きになったのか、見物していた別のビーバーが巻きこまれたのかもしれませんが、不覚としか言いようがありません。実際の伐採現場でも熟練の伐採士が木の下敷きになる事故がたびたび起きていますが、人間とビーバーの体の大きさから比較すると、伐採はビーバーにとってかなりリスクがある作業だと思われます。それも含めてビーバーにはどことなく哀愁が感じられるのです。これでビーバーの特性については大体分かっていただけたと思います。それを踏まえたうえで、いざビーバーハウスへ!




これからビーバーハウスに向かうわけですが、その前にビーバーの生態について振り返ってみましょう。ビーバー(beaver)とは、北米やヨーロッパの河川や湖、池などの湿原に生育する齧歯目(げっしもく)ビーバー科に分類される構成種の総称で、草食のおとなしい動物です。齧歯類の中では、カピパラに次いで世界で二番目に大きいそうで、日本での和名は『海狸(うみだぬき、かいり)』。川を堰き止め巣を作るという特性がユニークで、メディアで取り上げられることも多いので、その姿は想像できると思います。

 

大きな前歯が特徴で、その強靭な歯で巨木もガリガリ削りまくって伐採してしまいます。イメージが漠然としているかもしれないので、その巣作りをもう少し詳しく説明すると、まず適地を選ぶと、削り倒した樹木や小石、泥などを使って水を堰き止めてダムを造ります。ダムと言うと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、実際には数百mにも及ぶ場合もあり、カナダやアメリカではビーバーの作ったダムが決壊したことで大洪水になることもあるとか。一方で、ビーバーの巣が自然汚染の拡大を食い止めたこともあるようです

2011年にカナダのアルバータ州で、パイプラインの破断による原油流出事故が起きて、周辺の川に流れ込みそうになったのですが、たまたまビーバーが作った大きなダムがあったお陰で流出が止められたのだそうです。水浸しになって樹木が枯れたりする半面、水が堰き止められ植物が生育しやすい環境になることも。そういう意味では功罪ありですが、巨大ダムができると周辺の環境は良くも悪くも大きな影響を受けることになります。そのため「ビーバーは自分の生活のために周囲の環境を作り替える、ヒト以外の唯一の動物」とも呼ばれます。


水を堰き止めダムを造ると、その中に樹木を積み上げて巣を作ります。巣の出入り口は水中に造られていて、オオカミやコヨーテなどの天敵から身を守ることができます。川の水位に合わせて巣の高さやダムを作り返るなど実に几帳面。そんな森の建築家の仕事で最大のものは、カナダのウッド・バッファロー公園内の人間が入ることのできない湿地帯の奥深くにあるもので、全長850m!グーグルアースで発見され「宙からも見える最大のビーバーの巣」として話題となりましたが、1970年代から建造が始まったらしいのだとか!一日で収まらなかったのでこの話、明日に続く!




この話、こんなに長く書くつもりはなかったのですが、今後のためにも経験してきたこと、トラブルなどについては詳しく書き残しておこうと思います。商品は弊社で数日間保管しただけで、そのまま現場に納品したので、一体どこで虫が入ってきたのか不明。こういうケースの場合、もともと立木の段階で卵が産みつけられて、加圧や熱にも耐えた虫が残存していたのではないかと思うのですが、メーカー側も一歩も退かない状況で、仕方なくメーカーは作り直した材を無償提供、弊社と施工会社で取り付け工事費を折半することに。

しかし問題はこれで終わったわけではなかったのです。最初に問題が発生したのが6月でしたが、翌年の梅雨前にも再び虫が発生したとの電話が・・・!そうです、奴らはまだ全滅してはいなかったのです。早速現場へと向かうと、前年セラミックパーツに取り換えた部分は無傷であったものの、それとは違う別の場所から穿孔した粉が!前回、万が一もし木粉に気が付いたらすぐにご連絡して下さいと告げていたので、今回は虫穴はまだ僅かでした。それで専用の殺虫剤でひとつひとつ虫穴に薬剤を注入することに。

それから数週間経つと再び連絡が入り、また虫が発生!するとまたまた別の場所から木粉が・・・。それからその年も何度かホテルに足を運びました。そしたらまたその次の年の6月に連絡が!またまた違う場所から虫が・・・という事を何年か繰り返しました。その間、徐々に虫穴の数も減っていき、発見が早くなったこともあり、最初の時のような状態になるまで食い荒らされることもなくなり、最後は僅か数個ということなり、いよいよ梅雨になっても連絡が入らなくなり、アユースの虫騒動は幕引きとなったのです。

そういう事があって一時期アユースとは疎遠になったのですが、いつもは「木は決して人間のためだけに存在するのではない」と言っている手前、それではアユースに対して申し訳ないと思い、その後アユースも再び扱うようになりました。恐らく先住民であった虫にしてみれば、迷惑な話であったかもしれませんが、私も家族、会社と生きていかねばなりません。そんな問題のあったアユースではありますが、だからこそ今となってはその特性もしっかり理解できるようになり複雑な愛情すら湧き起ったりしているのです。




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