森のかけら | 大五木材


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松山市西垣生(にしはぶ)町にある愛媛における木材産業の集積基地・松山木材団地。外材製材、プレカット工場、問屋、防腐工場などの木材関連産業が多数集まっていて、弊社もわずかながら2日と間を空けず木材を積みに寄らせていただいています。私自身は最近あまりトラックで材料の引き取りに行くことは少なくなったのですが、先日たまたま木材団地に行く用事があったので、ついでに団地周辺ををグルリと回ってみました。大きな丸太には無条件に心惹かれます。

かつては木材関連業者で占めていた(木材団地なので当然のことながら)木材団地にも木材産業以外の会社が軒を連ねるようになり木材団地の風景も随分と変わってきました。ここには丸太を積んだ本船が着岸するバースがあるので、荷降ろしされた大きな原木がズラリと並べられるのですが、私は買うわけでもないのにその光景を見るのが好きで、撮影も兼ねて時々見に来ていました。まだ大五木材に就職する前は、材木屋ってこういう丸太を挽くのが仕事なんだろうという漠然としたイメージしかありませんでした。

一般の方は、木材屋と聞くと恐らく大きな台車で丸太を製材しているイメージなのかもしれませんが、実際にはその仕事は細分化され、丸太を扱うのは商社、原木問屋、製材所で、製材された製品を扱うのが弊社のような小売りの材木屋や製品市場などです。台車を持っていない弊社では丸太を挽くことはありませんが、最近は地元産の丸太を買って、製材所で賃挽きしてもらうことはあっても基本的に外材の原木に手を出すことはありません。

いや、外材というと語弊があって、北米針葉樹についてはまず手を出しませんが、それがアフリカ産の広葉樹などになると可能性はあるかも。同じ丸太といっても、針葉樹、広葉樹、径級、長さなど条件次第ではうちのような零細弱小材木屋が手を出しても商機がある場合があります。その場合はもちろん数本の小さな話で、毎日こんな丸太を挽くという世界とはまったく別次元。掌に収まるようなモノを作っていたりしますが、その大本はこんな丸太だったりするわけで、大きな仕事も小さな仕事と背中合わせ




端材から作ったDIY商品『モザイクタイル』は、自分で自由に壁面をアレンジできるという思惑で作ったのですが、それとは別の用途で人気が出て、ある特定のパーツのみが品切れ状態となっています。もともとは、フリーリングを扱っていると意図せず発生してしまうB品(傷や節、割れ、虫穴、欠損等々)の有効利用も目的に生まれた商品で、80✕80✕10㎜を基本モジュールとして、その倍や半分のサイズに加工して、それを好みによって自由に組み合わせられるというものです。

なるべくいろいろな樹種があった方が面白いので、フローリングのB品だけでなく、端材なども利用するようになり樹種の幅が広がりました。しかもこの大きさになると、節や割れ、虫穴など表情のあるモノの方が圧倒的に魅力的なことから、あえてそういうところのある端材や釘穴のある梱包材なども利用するようになりました。挙句の果てには、ブラジルから来た商品の梱包材には結構レアな木も使ってあったりするので、そちらを手に入れるのが目的になってしまったりする始末。

ところでその中で、基本モジュールの1/2にあたる40X80X10㎜サイズだけが圧倒的に減り方が早いのです。何故かというと、家内がこの商品に興味を持って、本来の目的とは別のあるモノに転用したためなのですが、それが何かというとこちらの『音板(おんばん』。木琴のように音階で並べて木製のマレットで叩いて音色を楽しむというもの。厳密には木琴というより叩いて音を楽しむ楽器もどきですが、木の種類によって音色が違うのでそれを聞き比べるだけでも結構楽しいです。

こちらは音階など意識して作っているわけではないのですが、材質によって高音から低音まで音の幅があるようで、ひとつひとつ実際に叩きながら音の高低を聞き分けて、その順番で並べるとそれなりに楽器っぽい感じで楽しめるようです。バットなどにも使われるほど硬くて、更にサーモ処理した『サーモアッシュ』や、ウッドデッキに使われる硬質のアイアンウッド系の木はかなり高い音、アカシアクルミなどやや軽軟な木は低く軽い音と、今まであまり考えなかった『森の出口』です。

これとは別に、音による商品の開発は考えていたものの、思わぬ形で音が商品化できる可能性を感じているところです。今まではどうしても、建築用材からの延長という視点でしか木を見ていなかったため、材質の硬軟だけに目がいきがちでしたが、『』や『香り』という視点で木を捉えると、今までフローリング材としてはほとんど評価されなかった木にもスポットライトが当たり、いかに自分が今まで木の上っ面しかみていなかったのか痛感させられます。森を見て木を見ず・・・今年のテーマは『木を叩く!』。




昨日、東京でモザイクボードを使っていただいたお店の話を書かせていただきましたが、その先駆けとなったのが三軒茶屋の『トラットリアカフェミシン』さん。まだモザイクボードが『ミックス・カラーボード』という旧名だった頃、地元ではほとんど誰にも相手にされなかった時に、新店舗のオープンに伴いテーブル材としてお声をかけていただき嬉し涙を流したのは、もう5年も前のことになります。という事で『ミシン』さんも開業5周年を迎えられることになります。

 今ではすっかり三軒茶屋のお洒落な人気店として不動の地位を築かれて、芸能人なども足繁く通うお店となられています。世田谷の閑静な住宅街の中でひときわ目を引く、ログハウスのような外観やセンスのいい内装は、現役の衣装デザイナーでもあるオーナーの屋島裕樹さんの手によるものです。お店の看板通り、昔懐かしい足踏みミシンの脚がテーブルの脚としても使われていますが、店内を貫くコンセプトは、別々の色合いの布を縫い合わせて生まれる新たな調和。そんなイメージにモザイクボードがマッチすると、テーブルなどに採用していただきました。木柄が多過ぎてバランスが取りにくい、地元ではとなかなか理解を得られませんでしたが、多彩な布やオブじゃが埋め尽くすミシンさんの店内では、以前からそこにあったかのような見事溶け込み具合。

お店の外観や内装もさることながら、横浜の超人気イタリ料理店の総料理長を務められていた、オーナーのお父様のシェフの手による本格的イタリアンがお客さんを惹きつけてやみません。私も以前に一度お邪魔させていただき、食べさせていただきました。味の美味しさをうまく伝える語彙を持ち合わせておらず恐縮ですが絶品でした!料理がテーブルの上に並べられて感じたことは、モザイクボードが映えるのはこういう場面だということ。特に色彩豊かな料理とは合います。

今回、ミシンさんが5周年ということで気づいたのですが、モザイクボードも作り始めて5年が経ったということ。試行錯誤を繰り返していたあの日々からもう5年。今ではすっかり製作工程も確立されて作る方は軌道に乗りました。その後、モザイクボード以外にも端材を使った商品が出来たことで、まさかの原料不足に陥りかけた事もありましたが、大掛かりな倉庫の整理で新たな「端材、休眠材」が発見されそれも解消。今ではストックも充実し過ぎて、販売を頑張らねければないらないほど。

陽の目を浴びることのなかった端材が生まれ変わり、スポットライトを浴びるような舞台に立たせていただき、多くの方の目に触れて楽しんだり面白がっていただけるのは材木屋としての本懐であります。個人の住宅でカウンターやテーブルとして使っていただく機会を増えていますが、是非飲食店などの店舗で、より多くの人に見ていただきたい。山の木はこんなにも色彩豊かで美しく、国や地域や種類が違っていようとも、他者と結びつくことで新たな価値や魅力が生まれるということを




これも縁というのかもしれませんが、この数日間『小豆島のオリーブ』の話から、『北海道の鰊漁』の話に広がっていたのですが、たまたまなのですがその間に香川県小豆島からと北海道旭川からのお客様が弊社にご来店いただきました。日時はずれていましたし、その2組に関連性はないのですが、ブログの中での展開と同時並行的に2つの地域とが繋がったのが、パラレルワールド的な不思議な気分でした。本日は、遥か北海道の地より車でお越しになられた木工家親子のお話です。

北海道旭川市で寄せ木象嵌商品などを作っておられる『工房ペッカー』の河石さん親子。昨年に象嵌で使うためのある変わった木を探しておられて、それがたまたま弊社にあったことからご縁が出来たのですが、手に入れたい木を求めて車で全国各地の材木屋や製材所を廻られているとのこと。今回は九州へ渡ってからの戻りルートで弊社にもお立ち寄りいただきました。何のアポも無しに、突然旭川ナンバーの車が入って来られたので、一体何事かと驚きました。凄まじい行動力!

喋りだすとお話が止まらないことが社名の由来だという、大阪生まれで関西弁の河石さんは、30代の頃に縁あって北海道に移り住まれて、独学で象嵌細工を覚えられて、その後は家族でこちらのようなメルヘンチックな寄せ木額絵を制作されています。実に多様な樹種を使われていて、北海道産で手に入る材だけでは色が足りないのも頷けます。しかし象嵌に使えるような色調の強い木って限られているうえに、年々その入手が難しくなってきている現実があります。

ペッカーさんもそこに苦労されていらっしゃるようで、木の色を求めて全国各地へ出向かれていいるようですが、行き先を聞くと知った社名がゾロゾロ。やはり蛇の道はヘビということか!そんなマニアックな木を扱う材木屋(といっても弊社以外は、材木屋であれば誰でも知っているような一流の大手ばかりですが)のリストの末席にでも弊社も加えていただいたかと思うとなんだか感慨深いものがあります。しかもわざわざ旭川から愛媛までやって来られるのですから・・・。

電話やメールだけでは絶対に伝わらないものがあるとの信念で、私も若い頃全国の材木屋、製材所を訪ね歩きましたが、それが今となっては私の血であり肉となっています。しばらく出不精になっていましたが、またぞろ『尋ね歩き(木)』の虫が騒ぎ出しそうです。ところでそのペッかー工房さんが新たに取り組まれているのが、こちらのUSBメモリーケース。3層にすることで木の収縮やねじれを抑え精度を高められていますが、木のキャップの滑るような閉まり具合は快感!  

相当苦労を重ねて現在の形状に辿り着かれたということでしたが、これほどスムーズにしかもピッタリと閉まる木製のUSBメモリーケースは初めて見ました。記念にということで、1つプレゼントいただいたのですが、それは紫紺の『パープルハート』を『コーヒーツリー』でサンドしたもの。このUSBメモリーケースを様々な木で数十種類作るという野望をお持ちのようで、【森のかけら】のライバル登場!これは集めたくなります!端材の神様は小さなモノを作る者の上に降臨す




鰊の大群が消えた理由のひとつに、森林破壊も関与しているのではないかという説もあります。明治以降、北海道の開拓が急速に進み、木材の大量伐採が行われ道内の森林環境が大きく変化したところに、洞爺丸台風が発生し(昭和29年)、森の生態系が崩れ、大量の土砂が海に流入し、沿岸部での植物性プランクトンが激減し、それを食べる動物性プランクトンも減少。そのため動物性プランクトンを餌にしていた鰊が減った、あるいは産卵場所の減少が原因とする説。

 

 

森から流れ出た栄養分が豊かな海を作ることはよく知られていて、現在多くの地域で漁師さんが植林活動を行われています。最初、この説を聞いたときは、材木をなりわいとする者のはしくれとしてドキッとしたものです。しかしこの説には懐疑的な声も多く、確かにそれも原因のひとつかもしれないが、根本的には乱獲によって絶対数が減ったことが主原因だろうと言われているようです。それでも森が弱ることで海を弱ることに違いはなく、大きな戒めとして自覚せねばなりません。

 

 

 

盟友・井部健太郎君とも最近、このことについて話をしていたところですが、林業の疲弊は山側だけの問題にとどまらず、多方面に影響を及ぼす大きな問題です。森と海との関係を簡単に説明すると、木の落ち葉(特に広葉樹)や落枝は微生物によって分解され、鉄分などと結合してフルボ酸鉄という物質ができます。プランクトンや海藻は、生育に必要な鉄を直接取り込むことができませんが、フルボ酸鉄であれば可能です。そのフルボ酸鉄は河川によって海に運ばれます。

 

 

 

河川には海の100倍とも1000倍ともいわれる鉄が含まれていて、海にまで運ばれたフルボ酸鉄はプランクトンや海藻が吸収し、そこから始まる食物連鎖によって豊かな海が出来上がるのです。また沿岸域に流出した落ち葉は稚魚の貴重な保育場所にもなるなど、文字通り海は森の恋人なのです。中でも広葉樹は、針葉樹に比べて樹脂成分が少ないため腐食にかかる時間が短くすぐに腐植土となることから、海に栄養分を供給する機能が高いのは広葉樹と言われています。

 

 

 

また、腐植土は水を蓄えておく保水機能にも優れていて、地中に大量の水を蓄えておくだけでなく、土砂の流出を防ぐ機能も備えています。そのため腐植土が無くなってしまうと、大雨などが降ると、土砂が海に流れ込んで、海底の生物たちを覆ってしまうのです。その点からも、森が海に果たす役割はとても大きいのです。異業種とのコラボ商品の開発を安易な考えで行うことが多かったのですが、森との互換関係など背景をもっと深く切り込んで考える必要あると猛省。 




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