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| 弊社では各種耳付き板を扱っていますが、いつも書いているようにいわゆる「銘木」と呼ばれるような高級材はほとんどありません。その多くが節があったり、割れがあったり、杢がよれているようなひと癖もふた癖もあるようなモノばかりで、樹種名を聞いても「ああ、あれか」とその姿がイメージできるものは少ないです。なので実物を見てもらうことがなによりも重要になります。昔は入荷した時点で一枚ずつ写真に撮って、それを並べてそこから選んでもらっていましたがどうしても微妙な質感が伝わらない。 |
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それで結局は実物を倉庫の奥から引っ張り出して見てもらうことになるのですが、在庫の種類も増えてくると写真に撮る時間を作る方が大変になってきて、今はすぐに実物確認してもらっています。しかし長期の在庫で表面はすっかり経年変化と埃にまみれて、元の素顔はどこえやら。ということで、注文が入っているわけではないのですが不定期に耳付き板を削って、瑞々しかったあの頃の表情を取り戻しています。そしたら同時にそれを仕入れた頃の事も思い出したりして感傷的な気分になったりするのです。 |
| そんなこんなで2日がかりで削ったのがこちらの耳付きの『イエローポプラ』。3年ほど前に岐阜の市場で買った幅1mオーバー。イエローポプラ自体は比較的軽軟な部類の木で、乾燥も速やかなのですが、さすがにこのサイズなので念のため人工乾燥器にも入れたので乾燥は十分です。大きな割れはその影響で割れたのではなく、仕入れた時点で割れていました。これも木の表情の一部だと思っているので私的は何も問題ではありません。むしろイエローポプラはサッパリした木なので割れも適度なアクセント。 |
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まあ好みはひとそれぞれなので何もこういう割れや節のある木を強要したり押しつけるつもりは毛頭ありません。自分が気に入ったものを選んでいただければいいのです。ただ私は、市場でも「こんな顔に傷のある(大きな割れ)木なんて」という言葉を聞くとほおってはおけない性分なのです。ならば私が活かしてやろうじゃないか!という無謀な男気が発動した結果、同じぐらいのイエローポプラがあと数枚。今度は、「誰も買わないなら俺が買って使ってやろうじゃないか!」という男気あるお客さんを探す番です(笑) |
| 不思議なもので、それまでなかなか入手できなかった木が、なにかの拍子に堰が切れたかのように集まってくることがあるのですが、それがカキ(柿)の木。つい数日前にも戦前生まれのカキを紹介したところですが、今回のカキもそれと同等、いやもっと高齢かもしれない立派な木です。数年前には在庫にあったカキが底を尽いて、しばらくの間『森のかけら』でも欠品状態が続いていたのが嘘のようにカキが集まってきていて、もうこれで当分の間はカキで心配することはなさそうです。 |
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今回のカキは形が面白そうだったので、その一部を輪切りに挽いてもらいました。そしたら予想以上にいいものが取れて大満足!ただしこの時期、樹皮をつけたままにしておくとすぐに虫や腐朽菌の発生原因となるので早めに剥がしておく必要があります。伐採してすぐに製材したため、樹皮にきっかけさえ作ってやれば簡単に樹皮を剥くことができます。とはいえ表面の凹凸が激しく思っていた以上に時間がかかったのですが、やり始めたら止まらなくなるのがこの樹皮剥がし。2時間かけて全部剥がし終わりました。 |
| これはなかなかイイものが出来たぞ~と独り悦に入ってしばしの間撮影タイム。『都市林業』で手に入ったこれぐらいサイズの木を輪切りにしたり、変形した形や棘を生かすように樹皮を剥ぐことって多いのですが、その先の「出口」とうまく連携できておらず、できあっがって楽しい、の自己満足で終わっているのが現状。それからこれをどういう形で「商品」に昇華させていくのか試案しているところです。そしてなによりも問題はこれをどうやってうまく乾かせられるかという事。 |
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時には芯を抜いたり樹皮のあった部分をボンドで固めたりいろいろやってはみるものの、その時々で樹種も異なれば木のコンディションも変わるのでこれならベストというやり方が分かりません。当たって砕けろで、砕け散ってしまう方が多いのが現実です。折角手に入れた珍品なのでうまく乾かしてひとの目を楽しませるものに仕上げたいのですが、さあうまく乾いてくれますかどうか。出来ることならこの瑞々しい色も水分をたっぷり含んだ木肌の滑らかな触感も永遠に閉じ込めておきたい気分。 |
| わが社に久しぶり『ヒッコリー』がやって来ました。クルミ一族最強の戦士とも呼ばれる(非常に硬い)ヒッコリーが最後に弊社を訪れたのはもう4,5年ぐらい前の話。硬いの強いの言ったところで、クルミ一族の中では老若男女あらゆる世代から支持され絶大な人気を誇るカリスマ『ブラックウォールナット』や、しなやかさと色気を合わせ持ち女性ファンの多い『オニグルミ』などに比べると知名度も低くて、派手なんだか地味なんだかよく分からない木柄や色合いも万人受けしない理由かも。 |
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偏屈材木屋としてはまさにど真ん中のストライクなのですが、一般敵には木の名前というよりも、食べるナッツとしての知名度の方が高いと思われます。材木屋や工務店さんでも、よほど自分から積極的に手当てしようと思わない限り巡り合うことも少ない木の1つです。年配の材木屋さんでも扱った事が無いという人は結構多かったりします。誰が扱ってもその価値が揺るぎないブラックウォールナットの最上級品よりも、扱い方によって価値が生まれる、高まるヒッコリーのような木を扱う事こそ偏屈材木屋の本懐。 |
| 4,5年前入ったヒッコリーの梱包をバラシてチビチビ売ってきましたがそれも底を尽きました。在庫が少なくなった頃から商社や問屋に対して次のオファーを出していたものの、日本への輸入量自体が少ないので、弊社の希望するサイズ、ボリューム、グレード、プライスに合致するものがなかなか現れず、あれからずっと首を長くして待っていました。今はヒッコリーを使って家具を作っている家具屋もほとんど居なくなってしまい、売れるものしか買わない風潮の中では優先席には座らしてもらえず・・・ |
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ともかく久しぶりにまとまった量のヒッコリーを見ることが出来たので嬉しくなって早速中身も吟味しようと梱包をバラシて倉庫内に立て掛け。長さ3300~3600もののヒッコリー120余枚。この作業は必ず自分一人でやります。作業しながらサイズや木柄で仕分けしたり、自分の目で品質を確認。そして何よりも最初に愛でるひとになりたいのです。久しぶりに担いで立てたら二日ぐらい遅れて全身が筋肉痛・・・。さすがは一族最強最重量を誇る戦士、愛でるにも相応の対価を求められる。 |
| 昨日に続いて、アメリカはケンタッキー州に多く自生する『ケンタッキーコーヒーツリー』について。たまたま初めてこの木を手にして時には、誰に訊いてもその正体を明確に説明してくれる人がいませんでした。もともと材木業界においては木の話なんて文章として書き残すというものではなくて、先輩から口伝で教わり語り継がれていくものでした。聞いた人それぞれのアレンジも加わって、口から口へと語り継がれるうちに尾ひれ背ひれがついていって、その人なりの木物語が出来るわけです。長い時間の中で換骨奪胎されて物語がより熟成され完成度が高まっていく。 |
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桐の花の中には鳳凰が棲んでいるだの、イザナキが黄泉の国から逃げ出す際に悪霊たちに桃を投げつけただの、神オーディンが樹を人間に変えたとき、その1本がニレで女性になっただのの伝説・伝承・神話が大好物で、そこから垣間見える木の世界に強く惹かれるのです。材木屋をしてなければ実物ではなく、物語の世界観の中だけで木を愛でていたかもしれません。なので本当は気乾比重や学名、葉や樹皮など樹木の性状にはあまり興味は無かったのですが、より専門的な引き出しが多いほうが物語を堅牢に構築できることを学び遅ればせながらそちらも勉強中です。 |
| ということで、このコーヒーツリー(森のかけら400ではケンタッキーコーヒーツリーと表記する予定)についても少しでも多くのサイドストーリーを引っ張ってきたいと思っています。昨日、焙煎していない鞘や種子には有毒成分が含まれいてると書きましたが、実際に中毒になったという事例はほとんど無いようです。この葉を食べたり落ち葉が溶けた水を飲んだ牛が死亡したという事例はあるようなので、鞘や種子にはかなり強い毒性が含まれていると思われます。『森の毒りんご』に加わるポテンシャルはありそうです。 |
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今までは厚みのある材を持っていなかったのと、正体がよく分からず供給の不安もあったのですが、徐々に正体が分かって厚みのある材も入手出来れ供給の心配もなさそうなので(森のかけら基準)、近いうちに『ケンタッキーコーヒーツリーのりんご』も作るつもり。しかし初期の入植者はそんな危険な木の種子を挽いてコーヒーの代用品のようなものを作って飲んでいた(焙煎の過程で毒素は消える)というのですから、ひとの食への探究心は凄まじい。多くの被害を乗り越えてたどり着いた「命がけの一杯」の味はいかほどであったか。 |
| 4月このブログで紹介した、幅1mの一枚板のアフリカ産『ラボア』ですが、良縁がありまして早々に旅立っていきました。最近一枚板のテーブルが人気で、来店して実物を見てみたい等の問い合わせが多くあります。初めて弊社を訪れられる方の場合は、いきなり大物ではなく希望よりちょっと狭めのサイズから案内します、ちなみにこれぐらいのサイズだとこれぐらいの価格ですよ、という「サイズによるバリュー感」を知ってもらってからご希望サイズの板をご案内します。 |
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大体幅が800㎜ぐらいの一枚板を求めてご来店される方が多いのですが、弊社にはいわゆる『銘木』と呼ばれるような高級な一枚板はほとんどありません。幅は広くとも大きな割れがあったり、傷があったり、虫穴があいていたり、大きな節があったりするような、森で生きた証しがガッツリ刻まれた材がほとんどです。私自身が、素直に育った無傷の完成度の高い木よりも、ひと癖もふた癖もあるが磨けば(語れば)唯一無二の宝物になる(かもしれない)木の方に惹かれるから、そういう木を好んで仕入れしています。 |
| なのでサイズの割りには比較的安く感じる木が多いと思うのですが、それで調子に乗って「幅1mでもいいんだけど~」なんて軽口を叩くお客様用に『戒め』として見せるために買ってたのがこのラボアでした。部屋が広いから1mぐらいあっても大丈夫なんだけど~、なんて聞くと普通は、「ありがとうございます。それだったらこちらを~」と大歓迎モードになるのが普通だと思うのですが、ひねくれ者の偏屈材木屋と致しましてはそうはならないのです(笑)。 |
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「直径1mの木になるまでどれぐらいかかってると思ってんねん!簡単に1mなんて口にするな!」と(口には出しませんよ、さすがに)いらついてしまうのです(大木には相応の敬意を払うべきの意識強すぎ。商売人としては完全にNG!)。幅が1mを越えるという事は長さもそれなりにしないとバランスが悪くなるので、最低でもこれぐらいになりますよと。実際のスケール感を体感してほとんどの方はさすがにこれは無理~となって、私は溜飲を下げていつものセレモニー終了~(笑)。明日に続く・・・ |