森のかけら | 大五木材


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さて、話を『もく遊りん』さんに戻します。ずっと前から気になっていて、いつか訪れてみたいと思っていましたが、ようやく念願が叶いました。先日書いたように、獅子吼高原の傾斜地を利用した建物で、店内が階段状になっているのですが、それが階段を上がるたびにスペースの商品構成が切り替わっていて、次々と別の木に関するお店に入っていくような感覚で実に新鮮でした。縦の動線に配慮し、地の利を生かした造りにまず感動。

 

 

 

敷地には大きくふたつの建物が建っていて、正面玄関から入って右の建物がテーブルや木工品など木にまつわるモノを扱う『木工房』、向かって左の建物がピザのお店『食工房』となっています。実はこの旅で後日再びこちらをお邪魔することになるので、食工房については改めてその時にご紹介するとして、ここでは『木工房』について。傾斜地に建っているので入口もこんな風に勾配を利用して滑車式の扉になっていて遊び心満載でワクワクさせます!

 

 

 

広い店内にズラリと木に関する商品が並べられているのですが、その充実ぶりが半端ではありません。弊社も『木のもの屋・森羅』で、全国の木工クラフト品を扱わせていただいているので、馴染みのある商品もありますが、地域の作家さんの手によるオリジナリティ溢れる商品も沢山あって飽きません。こういうのを見てしまうと、抑えていた自分の中の「あれも欲しいこれも欲しい虫」が目を覚ましてまたぞろ動き出してきそうで怖いのです・・・。

 

 

 

弊社の猫の額ほどの狭いスペースでは展示できる商品数も限定され、肩をぶつけながら買い物するような窮屈さで、ゆったりと通路も確保できるこんな空間に憧れてしまうのは無いのもねだりと己を諫めます。これだけの建物を建てるためにかかる費用、施設の維持管理費、商品説明のできるスタッフの教育と人材の確保、商品管理等々、気の遠くなるような問題をひとつひとつ解決したからこその今の姿。ムラモト、鳳至木材、もく遊りん、と石川の材木屋いずこも恐るべし!続く・・・




角永商店さんの本社工場から車で走ること数分、獅子吼高原の麓に「木・食・住」を提案する情報発信基地『もく遊りん』があります。空を見上げると色鮮やかなパラグライダーが数台、大空を滑空していました。獅子吼高原は全国屈指のパラグライダーのフライトエリアということで、その日も沢山の方が空の散歩を楽しまれていました。『もく遊りん』は、角永商店さんが平成10年に食工房、木工房、住工房を基点として建てられた施設で、こちらが本来のこの旅の目的地のひとつ。

 

 

 

角永商店さんは、石川県白山市鶴来(つるぎ)新町という場所にあって、こちらの『もく遊りん』さは、そこから車で数分の白山市八幡町にあります。事前に住所を調べていて、鶴来、八幡って、なかなか演技のよさそうな由緒正しい地名だなと感じてました。八幡は恐らく全国各地にある八幡神社に由来しているのだと思いますが、鶴来の方はてっきり鶴が飛来する町なんだと思い込んでいたのですが、調べてみると町に中心にある「金劔宮」に由来したものだという事。

 

 

 

「金劔宮(きんけんぐう)」は、崇神天皇の御代の創建と伝えられ、かの源頼朝・義経の父親である源義朝にまつわる逸話があるなど歴史のある名刹です。もともとこの地に剣(つるぎ)という集落があって、自分たちの信奉する神を奉斎し、「剱宮」と称したたもだそうです。なので古くは「剱宮(つるぎのみや)」と呼ばれていて、それが町の名前にもなったとの事。その後、金劔宮と名前が改められたそうです。また町名も縁起のよい「鶴来」という漢字に改名されたと。

 

 

 

全国各地の製材工場や木に関する店を訪ねたりしていますが、その際にその地域の地名の由来やその地に伝わる民間伝説や伝承などを知っておくと、その地においてなぜその樹種が盛んに使われるようになったのかなど、背景が垣間見えてくることもあります。さて話を戻しますが、『もく遊りん』さんは、そんな鶴来町の隣の八幡町の、獅子吼高原の麓にあります。傾斜地をならさずに建てられているので、店内は階段状の面白い造りになっています。




輪島でたっぷりと『能登ヒバ』を堪能させていただいた後は、村本社長の車で能登を南下して、金沢を通り越して白山市へ移動。この北陸紀行の大長編が始まって、今日で25日目になりますが、実際の時間経過でいうと石川に到着してまだ1日と少し・・・。まだまだこの後も大紀行は続きます。今回の旅の目的は、日本木青連の全国会員福井大会参加にこじつけて、今まで行けていなかった北陸の会社やお店・施設を訪問するというものですので、収穫したネタは山盛り。

 

 

 

石川といえば日本酒が美味しいのでも有名で、今回の旅の夜のお楽しみのひとつでもありました。先日も『天狗舞』を美味しくいただいたところですが、次の目的地である㈱角永商店さんのある石川県白山市はまさにその天狗舞を造っている酒蔵のあるところ。そしたら会社のすぐ傍には、これまた石川の誇る名酒『菊姫』の酒蔵もありました。こちらの会社訪問のしたいぐらいでしたが、今回は車窓から酒蔵を眺めるにとどめながら生唾を飲み込んで目的地に向かいます。

 

 

 

 

明治35年開業の歴史を持つ㈱角永商店さんは、製材、製函館、パレット、家具など多岐にわたる事業を展開されていて、石川の木材業界を代表するような企業です。会社の表には、『木は地球の大黒柱』という心意気の伝わる大きな看板がお出向かえ。当日は、会社がお休みでしたが、会長さんがたまたま出勤されていたので、村本さんにご紹介していただき、勝手知ったる村元さんのご案内で工場を視察させていただきました。まあうらやましくなる広い敷地に木がズラリ。

 

 

 

 

こちらでは製函やパレットに『カラマツ』などを使われていて、製材されたカラマツが整然とまとめられていました。午前中は、村本さんの倉庫でテーブルやカウンターなどに使うさまざまな針葉樹・広葉樹を拝見して、昼からは輪島で四住さんのところで能登ヒバ尽くしでしたが、同じ日の夕刻にはカラマツやスギ等々。同じ石川県内でも職種の違う会社を訪問させていただいたので、随分得をした感覚になります。それはそれで勉強になるのですが、本来の目的地はこの先にあるのです。続く・・・




人間には爽やかな香りを持つ能登ヒバですが、シロアリやゴキブリにとってはこの匂いが苦手のようで、優れた忌避効果が実験でも認められています。そんな能登ヒバの端材に対してモッタイという思いを抱く人は多くて、こちらでもキッチリとそのおが屑まで有効に活用されていらっしゃいます。以前にもご紹介しましたが、アロマや芳香剤などに加工され商品化されていて、ネットワークを通じて全国にも販売をされています。香りの強い木って、もうそれだけで強い武器!

 

 

一般の方の中には、木の匂いについて過剰に期待されている方もいらして、その匂いがいつまでも半永久的に継続するとか、どの木も個性的で鼻腔をくすぐる匂いがすると思っている人もいて、現実を知るとガッカリされる方もいます。馴染みの深いスギやヒノキでも、しばらく経過すれば匂いはほとんど感じなくなりますし、この能登ヒバやクスノキイチョウなどのように匂いだけで樹種が識別できるほど個性的な木は決して多くはありません。匂いも多くが似たり寄ったりです。

 

 

 

そういう意味ではやはりこの能登ヒバは極めて強烈で個性的な匂いを放ち、一般の方の期待を裏切らない「木らしい木」と言えます。仕事柄、毎日毎日様々な種類の木の匂いを嗅いでいると、嗅覚も麻痺して匂いに対して鈍感になっていると思っていましたが、能登ヒバの匂いはそんな私の嗅覚もしっかり刺激してくれました。どうしても形の残る材そのものに目が行きがちですが、木の香りについても、能登ヒバに限らず今後商品化できないか考えていきたいと思っています

 

 

 

鳳至木材さんの事務所にお邪魔させていただくと、過去に能登ヒバを収められた建物のミニチュアがありました。立派というか想像を絶するような規模の宗教施設や金沢城などの模型があったのですが、そこに使われた部材の大きな事!愛媛でも時々、とんでもないようなサイズの部材の見積もりが出ることがありますが、すぐにありえないと断ってしまうものの、やはりあるところにはある、という事。金沢城に関する情報をいろいろ教えていただき、翌日の楽しみとすることに。




さてようやく能登ヒバ造りのログハウスから『鳳至木材』さんの本社へ移動。鳳至木材さんは、全国屈指の能登ヒバ専門製材工場で、工場の中も見渡す限り能登ヒバ。わずかに地元のスギを挽かれることもあるそうですが、メインは能登ヒバで化粧材から構造材までありとあらゆる用途に挽かれています。分布が石川県の能登半島に限定される特殊な事情のある木ですから、他の国産材と比較しにくいのですが、ここでは能登ヒバが当たり前の素材で、それ以外の木の方が特殊材。

 

 

 

地域的にはほとんど流通の無い四国では、見かけることもない光景ですが、鼻腔をくすぐる能登ヒバの爽やかな香りをこれほど嗅ぐこともありません。昔、北海道に行った時も広葉樹専門製材の工場に行くと、ミズナラやタモやニレの結構大きめの端材を何の躊躇もなく、ストーブに薪としてくべていましたが、そこでは焼いて捨てるほどありふれて溢れている木という認識なので、私の「モッタイナイ・・・」にも、「何が?これのどこが?」と怪訝な表情を浮かべられました。

 

 

 

それと同じような感覚に陥ってしまいそうになるほど、右を向いても左を向いても能登ヒバ。材が希少であったり、手に入れるのが難しいという事情があるからこそ、わずかな端材でも無駄にすることなく骨までしゃぶってキッチリと使い切ろうと思うものだということを、逆説的に痛感しました。しかしここに居るから、そういう感覚に陥るだけで、石川県全体で考えればその造林面積は12,000ha程度しかなく、石川県としても絶対的な木というわけではありません。

 

 

 


愛媛に戻れば、運送料や需要等の問題から、途端に縁遠い木になってしまうのです。能登ヒバは、輪島・穴水地域に分布し、当地においては昔から利用され、信頼のあるブランドなのですが、遠く離れた四国では耳にする人も少ないほど知名度は低く、その存在すら知らない人も多いのが現実。以前は時々能登ヒバのフローリングを使わせていただいたのですが、最近私の怠慢で愛媛ではほとんど実用されていません。聖地で身を清めて、また愛媛でも能登ヒバを広めていかねば!




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