森のかけら | 大五木材


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20100102 大野ヶ原心配していた雪も年末の一時の気まぐれだったようで、山々を白銀に染めた雪も徐々に消えつつあります。わが故郷・西予市野村町は『シルクとミルクの町』を標榜しており、養蚕と酪農が盛んです。酪農は、昨年引退された大相撲の玉春日関(現盾山親方の出身地である大野ヶ原が盛んです。大野ヶ原には毎年夏になると、ブナの原生林を体感しに家族で出かけています。しかしこの時期はかなり雪が積もる極寒地帯で、不慣れな者が近づくと危険です。自然に近いところに住んでいるとただの感傷的な気分だけでは自然とは付き合えません。いずこの地場産業も苦戦が続いているという事ですが、世界的な不況の影響云々というよりは、これだけ生活形態と商業流通が変化した現代において、伝統的な地場産業の在り方と経営そのものが大きな曲がり角を迎え、かなりの改革がなければ継続・継承していく事そのものが困難になりつつあります。

20100102 牛2そういう中にあって家内の実家では400頭を超える肉牛を飼育しています(高橋畜産)。牛乳を生産する酪農ではありませんが、畜産も野村町の伝統的な第一次産業のひとつです。年が明けて寅年になったので、昨年の干支・牛はすっかり影が薄くなってしまいましたが、野村町にいると牛の存在を強く意識させられます。乳牛に比べると肉牛は更に巨躯で迫力があります!決して生き物に強くはない私にとってこの巨体は、かなりの驚異ですが、子供達は興味津々近寄り餌を与えたりします。田舎に住んでいる人は、蛇でも蛙でも平気で掴めるなどというのは、高知人は必ず酒豪などと並んで、該当しない人間にとっては非常に迷惑なイメージです!木材屋も広義では生き物を扱う仕事ですが、牛などのようにもっとストレートな生き物を扱う仕事は大変です。植林などよりもっと直接的に他者の命を管理する仕事だけに、一日たりとも気が抜けない緊張感を強いられ、非常に大きなリスクを伴います。

20100102 牛3大きな牛は4、500キロもあり、正面から目が合うと凄みがあり萎縮してしまいます。仔牛を飼い育て市場に出荷するのですが、途中で病気になる事もあればうまく育たない事もあります。養殖や植林など一見すると人間が管理しているように思われる自然も、完全にコントロールすることなど不可能で、相手があっての事で思い通りの画が描ける訳ではありません。しかも市場相場が大きく左右するため、自助努力だけではどうにもならない運、不運もあり、作年末の全国的な寒波はプラスに作用したようですが、良い時ばかりとは限りません。

今は家内の弟夫婦も一緒に仕事に従事していて、その子供達も畜産経営に非常に興味を示していて事業継承は安泰のようです。しかしこれからの経済事情下においては何が良くて何が悪くなるか一寸先は闇ですから、決して安穏ともしてはいられません。厳しい仕事ですが野村の伝統産業の灯りを守る意味でも頑張ってほしいと思います!

100102_1215~0001木材業界もこの100年に一度の(全メディアが森林をここまで迎合してくれ、全産業においてもこれほど大きなアドバンテージを与えていただいている業界は突出している)大チャンスを逃しては、二度とこれほどの追い風は吹かないと思います。他人の芝生は青く見えるものですが、どの業界にもそれぞれに課題は多く、厳しい現状を訴えるのは皆とても得意で、その話になると途端に饒舌になります。次第に雪が溶けてくると、雪に隠れていたいろいろな物が姿を現してきます。綺麗な物も汚い物も、雪は一夜のうちに包み込んで隠してくれますが、それは解決ではありません。今年は課題を先送りすることなく、ひとつずつことの解決に努めようと思います。厳しい寒さに耐えて寒椿が鮮やかな花を咲かせていました。雪溶けの中から椿の薄紅の花びらが姿を現わしました。その凛とした気高さと儚(はかな)さに、自然界の美しさは厳しさの中にあるものだと実感させられました。




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