森のかけら | 大五木材


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100115_2231~0001近年、建築基準法をはじめとする建築関係の主要な法令はどんどん複雑になっていきているようで、個人の大工さんでは対応が難しくなってきています。その理由は、多発する欠陥住宅や手抜き工事への対策や地震災害に対する耐震基準などもっともな理由なのですが、古来より日本の住宅を支えてきたのは職人さんたちの伝統的な工法であり、技術であったはずなのに、それを使いにくくしようとする(としか思えない)法令整備というのはどういうものなんでしょう。実際に欠陥住宅による地震の甚大な被害などがあるのも事実です。しかしながら高齢化した個人の大工さんが活躍できなくなる現状はどうにも解せません。国の政策ですからこの流れが止まる事はないでしょうが、何でも全て大手の理論で片付けようとするやり方はいずれ大きな代償を支払う事になると思います。

 

100115_2233~0001ほとんどの人が生涯でもっとも高額な買い物である『家』すらも、『価格競争商品』の1アイテムとし性能や工法を開発することに躍起になって、本来もっとも考えなければならないはずの『生き方』とか『暮らし方』、『家族の在りかた』などが片隅に追いやられるようになりました。住宅販売会社の営業交渉においては、大黒柱や床の間の意味も語られることがなくなり、ただのオプションでしかなくなってきました。もはや鬼門床刺などという風習も、気にしないというより知らないので問題視すらされないようです。確かに昔の風習の全てが現代でもふさわしいかといえば、そうではないものもありますし、武士の時代の名残という物もありますので、何でもかんでも古い物が正しいとは思いません。

 

 

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既に、バリアフリーは当然という時代になってから生まれた子供はたくさんいるので、私の自宅に遊びに来た子供の友達などはよく敷居の段差でつまづく子供もいます。そのたびに痛がっていますが、もはやそういう家の方が珍しいのでしょう。それも時代の趨勢でしょうが、しかし自分が暮らしている家の物の名前も知らないというのは問題ではないかと思います。鴨居って何?って何?それで暮らしていて困ることはないかもしれませんが、そこに家に対しての愛着が芽生えるのでしょうか。ハード面の整備ばかりに窮じてしまった代償が、あまりにも家に対する無知を生んでしまったのだと思います。当然私もその一人であり、家に携わる人間としてそれを恥、もっときちんと勉強せねばと痛感しております。

 

 

20100115 白土建築工房今回、白土さんが松山にお店を出されるという話で、その思いをお聴きしながら、家作りの本質とは何かという事を改めて教わりました。変木を豪快に使われたりする技法ばかりに目が奪われていましたが、そこにはきちんとした理由や思いがあり、それが結実して形となってるのです。腕のいい大工は無口でもいい、という昔ながらの職人気質だけでは通用しない時代です。話すことで理解して喜んでいただける若い施主さんはいくらでもいます。これからは、匠の技も『使う』だけでなく『語り伝えて』いく必要があります。そんな白土さんご夫婦の思いが詰まったような素敵な一冊の本をプレゼントしていただきました。本の名前は『Little tree』(駒形克己さん)。贈った本には贈り手の人間性が反映されます。この本から松山のお店が、『攻める松山進出』ではなく、『種を撒き育てるため』の拠点なのだという事が伝わってきました。

 お店について具体的な事は、お知らせ出来るような時期が来ればご報告します。高知から再び木材維新の風が起きそうです、お待ちしております!

★『Little tree』は通常の書店では販売しておりません。




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