森のかけら | 大五木材


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20100125 国会先日大寒が過ぎましたが、まだ肌寒い日が続いております。今年の冬は最終的には暖冬という事ですが、人間どうしても目先のことが気になってしまいます。政治の世界は騒々しいようですが、日々の世論調査を持ち出して、政党支持率何%云々を大騒ぎするのはまことに妙な光景です。今日と明日とでコロコロ政党支持が変わって、支持率が下がったの上がったのって、テレビの視聴率調査じゃあるまいし、何をやってんだか・・・。人間、目先の事には敏感なのに、長いスパンのビジョンには関心が薄いのものです。

100125_2216~0001昨今、環境問題の意識が高まり、植林活動が盛んに行われています。大変素晴らしい事だと思います。頼りない苗木も植えた直後は、日々の雨風さえも心配ですが、どんどん大きくなって30、40数年後も経ってどのような形になるかについてはあまり想像が出来にくいのではないでしょうか。床の間などに使われる『絞り丸太』などは、それぐらいの年輪の物で製造されることが多いのですが、近年その出番は減少傾向にあります。触ってツルンとしたのが『磨き丸太』で、表面が浅く凸凹しているのが『絞り丸太』ですが、それも『天然絞り』と『人工絞り』に大別されます。自然条件の変異などによって、年輪が著しく波打ったような物が現れ、木の皮を剥ぐと絞り模様が出てきますが、これを磨いたのが『天然絞り丸太』です。絞りが緻密で優雅な雰囲気があります。

 

DSCF0759それに対して、『人工絞り』は普通の立ち木に、人工的にプラスチックの添え木をあて針金を巻き付け、そのまま2,3年放置してから伐採して、皮を剥いて人工的に絞りが入った物です。『天然絞り丸太』は、省略して『天絞(てんしぼ』とも呼ばれ、かつては良い物は1本数十万もして、高嶺の花でした。それが品種改良なども進み、天絞丸太の生産も以前よりは安定的に供給されるようになりました。しかし皮肉な事に生活様式の変化、少子化による着工数減少などにより和室が減って床材の出番が減り、需供のバランスが崩れ、値が下がり始めました。

DSCF0756用途として床の間かせいぜいポーチ柱ぐらいにしか出番がないので、銘木の花形であった絞り丸太には苦難の時代となっています。昔なら1本選ぶのにもドキドキした天絞りも値崩れして、人絞などもまとめ買いできるような相場になってしまいました。安いからいいという事ではありません。この丸太で生活をしている方々もたくさんいるわけです。相場がこれほど乱れては安定供給どころか生活すらままならなくなります。安く仕入れる事は当然大切ですが、その商品そのものが成り立たないような状況になるまで価値が低下してしまっては元も子もありません。勿論銘木クラスの絞り丸太は高額で取引されますが、全体の底が押しあがらないと厳しい状況は変わりません。こういう絞り丸太にも、床の間以外の新たな活躍の場を考えていかなければなりません。いくら安くてもいい、なんてのは30,40年も生きた木に申し訳ないと思うのです。正当な価値を見出せない産業はやがて淘汰されてしまいますから。




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