森のかけら | 大五木材


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今日のかけら・#040【クヌギ/櫟】ブナ科コナラ属・広樹・愛媛産

先日発売させていただいた『今だからこそこどもに伝えたい日本の木36』にも【クヌギ】を加えさせていただいたのですが、この【クヌギ】は愛媛県松山市産です。三新機械の大成郁生君から、薪ストーブの薪用に仕入れた原木の一部を分けてもらったのが約1年前の事です。【森のかけら】にするための材でしたので、原木を細かく45㎜角に荒割して井桁組に重ねて自然乾燥させます。結構な数の原木を分けていただいたので、全て小割りするのに数日かかりました。「H21.8.28」とマジックで書かれた数字は、この井桁が組まれた日です。

およそ1年間こうして天然乾燥させてようやく使えるようになりました。【森のかけら】の【クヌギ】のストックがなくなってきましたので、これから加工に移ります。1年経ってやっと出番がきました。どれどれ、どれぐらい乾いているかしらと1年振りの再会です。まるで漬け込んだ古い漬物を取り出していくような感覚です。100本以上の材を寝かせましたが、1年寝かせて使えるのが70%もあれば御の字ですが、その30%がウイスキーの蒸留中に減る『天使の分け前』の森版といったところでしょうか。

そんなに時間をかけなくても人工乾燥させればいいと思われるかもしれませんが、クヌギは人工乾燥させると急激な温度変化でひし型に変形収縮したり、バギバギに割れが入ります。こういうサイズの広葉樹だけを揃えて低温でゆっくり乾燥させればいいのでしょうが、生憎そういう需要も供給量もありません。ですので、なるべくコストを抑えてロスを出さないために時間のかかる天乾をしているわけです。それでも多少のロスは出るのですが、今回はなかなかの仕上がり具合ではないですか!ありがたい!

クヌギ】と聞いてほとんどの方の脳裏に思い浮かぶのは、樹液に群がるカブトムシの図か、椎茸のホダ木ではないでしょうか。愛媛県は椎茸の産地でもあり、たくさんのクヌギがホダ木として利用されています。 しかしあまり大きくなってしまうとホダ木としても利用価値がなくなるので、大き目のクヌギの木はチップぐらいしか利用されていないのが現実なのです。クヌギは生長も早く、病気も少なくほとんど手入れもしないで済むことから、これから愛媛の山には「育ち過ぎたクヌギ」がどんどん出てくる事が予想されるのですが、これといった『出口』が見当たりません。建築材としては、重たいだけでなく、いくら乾かしても暴れやすく、小さな棚材としてさえもリスクが付きまといます。【クヌギのかけら】ばかり作っても仕方ないので、別の新商品を考えているところです。

 




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