森のかけら | 大五木材


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20100807 木材鑑定の勘どころ①最近弊社に木を持ち込まれて、「樹種の鑑定」を依頼される方が増えているのですが、これがなかなか・・・。その多くは、倉庫に数十年も眠っていて、仕入れた本人が亡くなったので処分したいのだけど視てほしいとか、昔に買ったのだけど埃まみれになって何の木だか分からなくなったとか、一切のヒントも情報の片鱗もないようなケースがほとんどです。倉庫の中できちんと整理したものであれば10数年経っていてもそこそこ表情も分かり易いのですが、雨風に晒されているとこれはもうすっかり埃や汚れが付着して真っ黒!

20100807 木材鑑定の勘どころ②ノーヒントでの、古材の「樹種の鑑定」ほど材木屋にとって修羅場はありません!いくら未使用の古材(汚れているだけで、使ってはいない)といえども10数年も経過するとかなり経年変化により質感が変わっています。何の木か持ち込んで来るぐらいですから、その答えがなどという優しいケースはほとんどありません。木にも流行や時代の変遷というものがありますので、一昔前に流行った南洋材とかアフリカ材などになると、今は入手困難な物もたくさんあります。世界中の木を240種も集めた【森のかけら】を作っているぐらいなのだから、何の木でも分かるんでしょう?なんて思われるのかもしれませんが、特徴の似通った樹種の場合、ある一部だけを取り出して見ても正直断定できるだけの根拠を持てません。その樹種を専門に扱って日々触っていれば、わずかな特徴でも判断基準となるのでしょうが、まだまだ力不足です・・・。

 

20100807 木材鑑定の勘どころ③ちなみに右の木は『メラピー』でしたが、東南アジアからアフリカまで広域に分布しているフタバガキ科などは、アジアだけにでも500種類近くが分布し、更にそれぞれの材の色合いによってもイエローラワンとかレッドラワンなどの呼び名に分けられ、産地によってもメランティーとかセラヤと呼び名が変わり、赤味と辺材では特徴も異なるなど、条件は厳しいのです。ある程度木目や質感も分かるぐらいのサイズが幾らかまとまっていれば、判断できるポイントも増えてきます。

 

20100807 木材鑑定の勘どころ④こういう状態の材を『古材』とまとめて呼ぶ事が多いのですが、『古材』といってもその解釈は広くて、今回のように未利用だがただ汚れたりして古く見える木材の事を指す場合や、実際に家などに使用していた物を解体して再利用するアンティークな木材なども含まれます。いずれもそれ相応の時間を過ごしたという事においては同じなのですが、呼び名は一緒でも、経年変化によって価値が消失してしまう物と逆に価値が高まる場合があるので、『古材』といっても極端に安い物から高額な物までかなり幅があります。例えば左の画像の枕木などは、実際に線路の下で黒子として耐え忍び頑張ってきましたが、その使命を終え、庭のエクステリアなどとして新たな使命を帯びる事になります。ほとんどの場合は『ケンパス』が使われていますが、地域によっては違う樹種を使われる事もあるようです。これも『古材』の1つ。

20100807 木材鑑定の勘どころ⑤古材』の中でも『枕木』のように強度や耐久性が必要など使用条件が明確な物は、そこからサイズや価格などを元に必要な材が推測できやすいのですが、ただ時間が経過して古くなった物の正体を突き止めるには、本当に難しいです。豊富な経験だけでなく、断言する勇気も必要かと思います。バシッと断言できれば格好いいのですが、最初の第一印象で悩んでしまうと、削ってみても、ルーペで小口を見ても、触ったり匂ってみても、見れば見るほど悩んでしまいます・・・木のプロの道は果てしなく遠い・・・。




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