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本日も『セン』の話。昨日、センにはその性質によって『ヌカセン』と『オニセン』があるという話をしました。職人さんや材木問屋さんなどからその話はよく聞くものの、個人的にはあまりに硬いオニセン(文字通り鬼のように硬い)には出会った事がないので、正直その差がどれぐらいのものなのかはっきりとは分かりません。今まで弊社で経験したセンは至って素性のいいものばかりで、センで泣かされた経験はないので、個人的にはセンに対する印象はすこぶるいいのです。ただし、現在の手持ち在庫はかなり少なくなってきているので、そろそろセン、特にヌカセンを集めなくてはと思っているところです。さて、ミカンカフェさんのセンのテーブルの仕上がりはこんな雰囲気です。写真奥に見えるのが、以前作らせていただいた『霧島あか松』のローテーブルです。
変化のある柾目の画像はご覧いただきましたが、表面に柾目が出るという事は、当然ながら側面には板目が現れます。このセンのテーブルの側面にも、上品な柾目とは対照的な幾何学的な杢が現れています。エッジを立てるように削り込むほどに、杢の形がどんどん変化していくのも側面に板目の出る木を削る楽しみのひとつです。加工は、いつもの善家雅智君(ZEN FURNITURE)』。禅家君のお陰で何とか書入れ時のお盆までには納品させていただく事が出来ました。
このセンですが、実は以前にも近くでお使いいただいた事がありました。それが馴染みの『みなと食堂』さんのカウンターです。オレンジ会や家族でお邪魔するときは大人数なのでいつも座敷に座らわせていただくので(しかもほとんど常連さんの指定席となっているようなので)、滅多に座る事もなかったのですが、先日久し振りに座らせていただきました。ここに納品させていただいたのはもう10数年も前の話。あの頃、こうして感慨深い思いでこのセンに接する時が来るとは夢にも思いませんでしたが・・・
ケヤキの代用品などともされるセンですが、その杢はケヤキよりも濃密で上品。これを代替品なんていうのは失礼な話。昔からセンに対する意識が低い地域なので、ネームバリューも存在感も薄いのですが、今改めて見直してみるとその表情に惚れ惚れします。かつては家具材程度しか用途を持ち合わせていませんでしたが、今なら【森のりんご】や【森のたまご】としても面白そうです。などと思った時には適サイズのセンは無い~。木との出会いも一期一会です。ご縁を大切にせねば!
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