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アスナロの別名『アスヒ』は、『アツヒ』の訛ったものと考えられています。ではアツヒとは何かというと、昔はヒノキの事をヒノキとは呼ばずに、単に『ヒ』と省略して呼んでいたそうで、能登半島などで使われるヒノキアスナロ(ヒバ)の方言名『アテ』は、もともと『アテヒ』と呼ばれていたものが省略されて『アテ』になったと考えられています。その『アテ』については、青森でしか生育しなかったヒバの苗木を隠密が北前船に乗せて持ち帰り植えるとうまく育ったから・・・
それで「当たった~」から「アテ」というオモシロイエピソードがあるのですが、それは改めて能登ヒバの項で。話を「アテヒ」に戻します。ヒノキが「ヒ」から正式に「ヒノキ」と呼ばれるようになったのは平安時代以降のことのようで、ヒノキに比べて葉が厚い事から「厚葉ヒノキ」と呼ばれていたのが、訛って「アスハ」になったのだと推論されています。その後、かの「枕草子」で「あすはひのき」といい言葉が登場し、作品の背景から「明日は檜」と解釈されたのが始まり。
その後、この節がアスナロの語源として定説化していくことになり、ヒノキに比べてやや厚ぼったくて粗剛な雰囲気のあるアスナロが、「明日はヒノキになろう、なろうとしてもなれない木」という日本人好みのドラマチックなエピソードが盛られ、『明日檜』、『翌檜』の漢字も充てられ世間に広まったというのが真相らいいのですが、個人的には明日檜の物語は語り甲斐があって好きですし、メジャーになれないアスナロの現状を表していて、含蓄のある由来話だと思います。
思いのほか長い話になってしまいましたが、木の名前の由来については諸説あり、絶対的にこれが正しいというのはないと思います。確たる理論が組み立てられようとも、それはあくまでも推論でしかなく、決して他の説を論破して立場を明確にするようなものであっては、木の文化が途端に窮屈なものに感じられます。いろいろな方面からの解釈が諸説あって、それぞれの説に思入れがあるという事は、それだけ先人たちが木の文化に親しみ、愛情を持って接してきた証拠だと思うのです。アスナロの項、完結!
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