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本日は、5年目となる生涯学習センターの講師(ふるさとの森林講座)を務めさせていただきました。今年から当施設の管理会社がレスパス・コーポレーションさんに変わったのですが、引き続きお声をかけていただきました。しかも今回は、「愛媛千年の森をつくる会」の鶴見武道会長(愛媛大学客員教授)と「木材と木造住宅の研究会」の織田博顧問(元㈳愛媛県木材協会業務部長)という2大巨頭の間に挟まれて、2日分(2単元)もお時間を与えていただき、本日はその1回目の講座。
内容はこちらにお任せいただいているのですが、毎年受講していただいている奇特な方もいらっしゃいますので、少しは内容も変えねばと、今回は『誕生木・12の樹の物語』に絞ってお話をさせていただく事にしました。いつもは1単元2時間の中であれもこれも詰め込んで話さねばならないという強迫観念に襲われ、駆け足の話になっておりましたが、今回は時間の余裕があるのでじっくりとたっぷりと木の名前の由来や物語、その用途、誕生月との関連、木言葉などについてお話する事に。
毎年3月末頃の講座のオオトリあたりが私の出番でしたが、今年は新年早々の登板という事で参加人数も少ないかと思っていたら、想定以上に参加者がいらして(およそ34~35名)、こんな材木屋の親父の話を聞いてやろうとわざわざお越し頂き本当にありがたい事です。すべての事象の名前にはそれぞれの物語がある事を知っていただくために、まず私自身の名前(照国)の由来(相撲の盛んな野村町出身で、かつての横綱・照国からいただいた)からお話させていただきました。
その中で喋らせていただいたのですが、比叡山延暦寺の開祖・最澄が残した『一燈照隅 萬燈照国(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこく)』という言葉があります。自分の名前が含まれている事から、私の心の拠り所としております。意味は、「ひとつの灯りは隅しか照らせないが、万の灯りは国全体を照らすことが出来る」という事です。転じて、ひとりひとりが自分に与えられた役割を懸命に果たすことが、国や組織全体にとってもっとも大切な事であるという意味がなります。
昭和天皇の玉音放送の草案作成にも関わり、「平成」の元号の考案者でもあり、昭和歴代首相の指南役を務めたことでも知られている碩学の財界人・安岡正篤氏は「天下国家をあれこれ論じるよりもまず自分がいる場所を明るく照らせる人間になれ。ただ一途に自分の真心を尽くす。そうすれば、そんな一隅を照らす行為に励まされた人が共鳴され輪が広がるものだ。」と好んでこの言葉を使われていました。遥か遠い境地ですが、その名を戴く者としてこの言葉を常に肝に命じておかねばならないと思うのです。
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