森のかけら | 大五木材


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うちの土場の奥で子育てを始めたセキレイですが、しばらくするとそのあたりからピイピイという複数の可愛い鳴き声が聞こえてくるようになりました。どうやら卵が孵ったようで、そっと巣を覗いてみると巣の中に産毛に包まれた小さな雛の姿が5,6羽見えました。私の気配に気づいて身をすくめる雛たち。あまり怖がらせても可哀想なので、詳しく確認は出来ませんでしたが雛たちは元気そう。私がその場から離れると、すぐに親鳥がかいがいしく餌を運び入れます。口数が多いので親鳥も大変、その奮闘ぶりが身につまされます。


歳時記の七十二候では、3月21~4月4日は春分でますます春らしく暖かくなり、スズメが巣作りを始める『雀始巣(すずめはじめてすくう)』ですが、大五木材においては『鶺鴒始巣(せきれいはじめてすくう』ですが、これってうちだけのことではなく、主役がスズメからセキレイに代わっているところ多いと思います。それから数日は社員も代わる代わる雛たちの様子を見にっていました。その間も親鳥たちはかわるがわる昆虫などを咥えてきてはいそいそと巣に餌を運び続けます。さて、巣立ちはいつ頃になるのだろうかとその時を楽しみにしていました。

そしたら昨日、いつものように親鳥が口に餌を咥えて屋根に家にいるのですが、様子が少し変。辺りをキョロキョロ見回して巣の周辺をグルグル回っています。雛に何かあったのかしらと巣の様子を見に行くと、昨日まであれほど押し合いへし合い5,6羽がすし詰めになっていたはずの巣が空っぽ。もしや巣から落下したのかと下の方を探しましたが見当たらず。ヘビか野良猫にでも襲われたにしては巣がまったくの無傷。しかし雛たちの姿はどこにも見当たらず。親鳥も明らかに慌てているようで周辺を飛び回っています。

倉庫の中にヘビや野良猫が紛れ込んでいることはあるのですが、ヘビが動き出すにはまだ少し早いように思われるし、何者かも襲撃を受けたにしては巣が無傷。セキレイの雛失踪事件の手がかりもなく、突如5,6羽もの我が子たちを失ってしまった親セキレイの悲痛な鳴き声(そう聞こえた)に同情しながらも仕事に戻りました。親たちの捜索は夕方まだ続いて、子を持つ親としては不法占有ではありながら、守ってやれなかったことに対して少しだけ後ろめたさも感じていました。そしたら仕事終わろうかとしていた4時過ぎ頃にスタッフが土場の片隅をヨチヨチ歩く1羽の雛鳥を発見!

なんと、数日前にはまだ産毛が生えたばかりのように見えていた雛がすっかり逞しくなって巣立ちしていたのです。それで巣が綺麗なままだったのか。無事でなにより、それにしても他の雛は?と積み上げられた木材の奥の方をよく見てみたら、小さな動く影がいくつか。どうやら巣立ちはしたものの倉庫の奥の隙間とかに迷い込んだみたいで、親も見つけられなかったようです。それから続々と雛が現れ、親とも無事再会。そのうち徐々に飛び上がるようになり、しばらくすると親と共にどこかに飛んでいきました。少し頬の緩んだ今年の『鶺鴒始巣』でした。

 




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