森のかけら | 大五木材


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久しぶりの松阪駅に到着。そこにお迎えに来ていただいたのは、ビーバー隊員である『熊鷹』こと柳田国男さん。実際にお会いするのは今回がはじめてだったのですが、日々フェイスブック等でやりとりしていると何度も会ってお話しているような錯覚をしてしまいます。ビーバーハウスに行くためには松阪駅から車で40分ほどかかります。それで、津市にお住いの柳田さんにビーバーハウスまで送っていただくことになりました。フェイスブックの情報をよく見ていなかったのですが、柳田さんは1966年生まれでほぼ同世代。

ヤナギダクニオ」という名前を聞いてピンとくる人も多いと思うのですが、かの高名な民俗学者にして妖怪ウオッチャーでもある柳田國男氏と同姓同名なのです。日本民俗学のパイオニアとして知られる氏の著書『遠野物語』は、このブログでも何度か引用させていただきました。河童の話をはじめ、妖怪への造詣も深く、いま人気の妖怪の礎を築いた人でもあります。同じヤナギダクニオの宿命なのか、こちらの柳田さんも三重の森に関わる道を選ばれた人なのであります。同じ『』を名前に持つひとりとして更にシンパシーを感じます!

熊鷹というのは柳田さんの屋号(ビーバーネーム)なのですが、日頃からビーバー隊長こと武田さん(以下隊長)と共に活動(主に伐採されて放置された木材の救出など)されていて、どんな小さな情報も聞き逃さない鋭い情報収集能力や、どこへでもすぐに飛んでいくフットワークの軽やかさは、まさしく本物の熊鷹のようでもあります。立木の樹種鑑定にお詳しいので、てっきりもっと年上の方だとばかり思いこんでいたのです。木についてお詳しいのは、松阪農林商工環境事務所 林業普及指導員をされていたからで、その道の専門家。

いや~そういう方が身近にいらっしゃると本当に心強い!材木屋だって木のプロなんだから、そういう方がいなくても木の事は分かるでしょう、と思われるかもしれませんが、ごく一般的な材木屋が扱う木の多くは建築用材・土木用材・家具用材で、国産材に限ればその樹種は多くても20樹種程度といったところだと思います。それらの判別は問題ありませんが、これが野山や庭、公園などに生育する立木となると話は別。しかもその多くは板や角材に製材されたもので、元の姿(立木)を目にする機会は極めて少ないのです。

なので柳田さんのように立木の樹種の識別ができる方が身近にいると非常にありがたい。いくら珍しい木があってもその名が分からなければ価値を高めることが出来ません。そんな話も含めて、車中で柳田さんとあれこれ木の話をしてたら、隊長との合流ポイントに到着。柳田さん同様、いやそれ以上に日々(ほぼ毎日)フェイスブックでやり取りし、頻繁に電話でも話しているので、これが直接会うのが初めてとは思えぬ親近感!!遂にリアルビーバー(?!)との邂逅です。ここから3人で向かう最初の目的地は・・・?!




愛媛の女性情報誌「愛媛こまち」の中に、「こまち読者の”欲しい”リクエストをクリエーターにリクエストして”気になるアイテム”を作る」というコラボ企画があって、今回は弊社も日頃からお付き合いのある家具職人・カグマ製作所馬越崇永君に声がかかりました。今月のリクエストは、『食卓を彩る木製食器がほしい!』ということで、馬越君が作り出したのが木製トレイコースター。その商品を弊社で取り扱わせていただくことになり、今月の20日から3月31日まで期間限定にて『木のもの屋・森羅』にて展示販売させていただきます。

トレイは大と中の2サイズ(大:185✕300㎜ 中:185✕185㎜)、コースターは1サイズ(90✕90㎜)で、樹種はそれぞれブラック・ウォールナット(BW)ホワイトアッシュ(WA)の2樹種。表面は、外丸鉋で削って微妙に凹凸があり、木ならではの触感が楽しめます。また、仕上げには無添加のクルミ油が塗ってあるので、優しい温もりが感じられます。そのあたりの質感が写真では伝わりにくいのが残念ですが、ぜひ実物を手に取ってご覧下さい。それぞれにレザーの取っ手が付いています。

価格は、トレイ(大)が¥3,200(税別)、トレイ(中)が¥2,500(税別)、コースターが¥800(税別)。本来であれば素材的な価値としてはBWの方が高いのですが、そこは馬越君の配慮で特別にWAに価格を合わしているようです。そういう意味でBWにお買い得感はあるものの、こういうものって好みですので、深みのあるこげ茶のグラデーションが魅力のBW、木目が整ってシャープな木柄を楽しめるWA、ちょうど名前もにブラックとホワイトと対照的な名前が付いていて、それぞれ個性的ですのでご自分の好みでお選び下さい

今回はこういう企画だったので小さめの食器を作った馬越君ですが、本来はテーブルや学習机、椅子などの大型の家具を製作しています。中でも椅子作りにはこだわりがあって、以前にペーパーコードで座面を網み込んで作った編み座面の椅子は素敵でした。馬越君も忙しくてなかな時間が取れないようですが、いずれ時間に余裕が出来てストックが溜まれば弊社でも取り扱わせていただきたいと考えています(こまち紙面でも一部に編み細工を施した椅子が映り込んでいます)。現在は玉川町の奥の作業場にこもって家具造りに励んでいますが、その様子は以前にこのブログでもご紹介させていただきました。弊社の営業時間は、平日は8時~17時(日曜日、第二土曜日、祝祭日が休み)、木のもの屋・森羅は道路からも直接出入り出来ます。




お隣さんがすっかり更地になってしまったので、日々新鮮な風景を見ているのですが、お陰で国道から自宅も丸見えになってしまって、我が家では普段から変な格好はできないねとちょっと自意識過剰な子どもたち。もともと我が家を建てた頃は、家の西側一帯はただただ田んぼが広がるだけで人家も無い殺風景なところだったのですが、今では新興住宅地となって、バイパスが通って、スーパーは出来るわ、ホームセンターは出来るわ、次々にお店は出来るはわですっかり周辺環境も様変わり。

以前はその古びた看板しか見えなかった事務所も、今では遠くからでもよく見えるようになって何だか気恥ずかしいくらい。やや斜めに角度がある国道に並んで建っているため、端の方が少し鋭角になっているのですが、実際はこの写真で見るほど三角な建物ではありません(この写真は煽り気味に撮っているので)。こちらもお隣さんがなくなったので、風がまともに当たるようになって、ここってこんなに風が強かったのかと今更認識するほどのプチ環境変化?!に驚いたり楽しんだりしているところ。

そうやって風とかがまともに当たるようになって、庭の木の葉の揺れ具合も以前よりだいぶ強くなったように思います。わずかに枝に残っていたクヌギの葉っぱも吹き飛んでしまいました。しかし、そんな中でもいまだに枝にしっかりとしがみついているイガグリがひとつ。食べるためだけに植えているわけではないのですが(勿論、食べもしますが)、数年前から実がつくようになって秋も過ぎると勝手に落ちてしまうのですが、この1つだけはしぶとく枝にしがみついたまま歳を越えました

オー・ヘンリーの『最後の一葉』ではありませんが、さすがにここまで残っていると、頑張れと応援したくもなってきます。イガの中身がどうなっているかも興味のあるところですが、もうこのままずっと次の世代と共存して欲しいと思ったりも。そういうことってあるのか分かりませんが、普段の仕事は伐ってしまって板になった中身ばかり相手にしているので、その母体たる「樹」については知らないことばかりで、特に実や花についてはほぼ知識も無く、こんなことひとつでも驚いたりしてしまいます。

毎朝、出社(といっても勝手口から1分もないのですが)する時に薄暗い中で、この栗が今日も無事残っているかどうかの確認をするのが日課になって、無事な姿をみると、よしよしと安堵したりして、気分はすっかり『樅の木は残った』の原田甲斐のような気分に。余談ながら山本周五郎先生のこの名作も、今の子供たちの多くは読んでいないどころか名前すらも知らなくて、出張木育などの際に『モミ』の説明をする時に、環境汚染などに弱く高地を好むモミの特徴を伝えるのに最適な教材なのにガッカリすること多し。作品の中で、遠く江戸から仙台は伊達藩の安泰を守り抜いた忠臣・原田甲斐の姿を、残った樅の木になぞらえて、「凛と力強く、昏れかかる光の中に独り、静かにしと立っていた。」と描かれています。このイガグリ、何を思ふ・・・




漫画『ちはやふる』の話を出しましたが、漫画のタイトルとなっているのは、小倉百人一首の撰歌「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくる」に基づいています。意味は、「世の中には不思議なことが多いものだ、神様が治められていた昔の時代にも、聞いたことがない。紅葉の名所である竜田川では、紅葉を散らして鮮やかな紅色に水を≪くくり染め≫にしているとは。ということらしく、≪くくり染め≫というのは、布を染めるための絞り染めという技法の事。つまり川の水が紅色に染まるほどの紅葉を表現しています。

作者は、非常に美男子で『伊勢物語』の主人公だとされている、『六歌仙』のひとりである在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)。漫画の作者である末次由紀氏は、漫画のタイトルの由来を、「本来は≪勢いが強いさま≫を表す、≪ちはやふる≫の意味を知った主人公が、それをかるた競技の中で体現していく物語なのだ」というような事を仰っています。紅色に染まるその情景を思い浮かべながら材木屋である私が気になったのは、その句の中に『紅葉』と『神代』という2つの木に関係するキーワードが含まれている点。

『紅葉』はさておき、気になるのは『神代』という言葉。在原業平朝臣の句では「かみよもきかず」と、神代を「かみよ」と読ませていますが、材木業界では「じんだい」の方が通ります。意味は同様に「神が治めていたほど悠久の昔の時代」ということで、昔に地中深くに埋もれてしまった土埋木(どまいぼく)の中でも、品質のいいものに冠せられるプレミアな言葉です。今では土埋木全般に対してその呼称が使われるため、いいものも悪いものもごちゃまぜにして神代と称せられて、ややプレミア感が薄れてしまっていますが。

そういう私自身も【森のかけら】では、『神代』を乱発し過ぎで申し訳ないと思っているのですが、一般の方に太古の浪漫を感じてもらうための分かりやすい入口として、あえてインパクトのある『神代』という言葉を使わせていただいています。【森のかけら】では、ケヤキ、スギ、タモ、ナラ、ニレ、ホウの6樹種について神代の冠を付けさせていただいています。その中の5種類を揃えた『神代の5かけら』は、マニアに喜ばれています。『ちはやふる』の話を書いていて、木はどういう形からでも絡んでいける稀有の存在であることを確信




ちはやふる』は、末次由紀による競技かるたが舞台の少女漫画です。2008年から連載が始まり、コミックの累計発行部数は1700万部を越える人気漫画で、後にアニメ化されたり映画化されたりしています。私自身は、少女漫画趣味があるわけではないのですが、高校3年生の長女がこの漫画にどっぽりとはまっていて、自分自身のバイブルのように愛読していまして、絶対面白いから是非読んでと強く勧められていました。それでも少女漫画に抵抗があって拒んでいたものの、しぶしぶ読んでみたらこれがオモシロイ!

少女漫画というと、こぼれ落ちそうなキラキラした瞳の主人公が、ドロドロした三角関係の中で愛だの恋だの語ったり、悶々と独りで悩むというようなイメージしかなかったのですが、『ちはやふる』は競技かるたというマイナーな題材を中心に据えて、そこでクイーンを目指す少女・綾瀬千早が主人公で、小学校時代に協議かるたに目覚めた女1人と男2人の不思議な友情を軸に、成長する彼らの姿が生き生きと描かれています。私は競技かるたについてまったく知識がなかったのですが、これが驚くほどにスポーティ!

千早たちが小学生から高校生に成長していく青春物語であるものの、途中までは愛だの恋だのはほとんど無縁で、ひたすらに競技かるたが激しく躍動的に描かれていきます。団体戦は五人一組で戦うのですが、とても私たちがイメージするかるたとはかけ離れたスポーツ競技!次々と新たな強敵が現れ、多くが対決シーンに割かれ、その戦略や戦術も含め、勝利への執念やチームワークなど、ほとんど梶原一騎の熱血スポーツ漫画の世界。まあ確かにこれは面白い、ついついコミックを読み進めてしまったのです。

千早たちが学校生活を過ごす舞台は東京なのですが、そこに福井県からかるた好きの少年・綿谷がやって来ます。彼に「自分のことでないと夢にしてはいけない」と諭され、千早はかるたに覚醒していくのですが、高校生になると綿谷新は福井に戻ることになり、東京と福井を行き来する話となるのです。そこで綿谷新がバイトをしていたのが、福井県あわら市の駅前の本屋さんということで、もともと協議かるたが盛んであった福井県で一気に『ちはやふる』ブームが沸き起こって、ファンたちが訪れる聖地となったのです。

実際に、福井では全国大会での優勝者や名人を輩出していて、「かるた王国福井」とも呼ばれているそうです。私自身はどっぷりはまっていたわけではないのですが、長女のために何か関連するお土産でも買ってかえってやろうかと思って、その「本屋」にも入ってみたものの、空き店舗を利用して本屋という設定のセットで、以前はアンテナショップとして関連グッズなども販売していたそうですが、その時にはただ漫画や映画の資料等が展示されているのみでした。それにしてもここで、『ちはやふる』との思わぬ邂逅に感激。これもご縁。




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