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| 黒田探検隊のその後の様子・・・続いて倉庫に移動。いつもは二階でお話をした後に倉庫に行くパターンですが、その流れだと話が盛り上がりすぎて実際に木を見る時間が無くなるという痛い経験をしてきたので、今回は素人の皆さんではないので、話よりも先にマニアックな木を見てもらうことに。すると皆さん興味津々で嬉々として木にカメラを向けられてるの図。こちらの認識不足もありましたが、木の事を研究しているとはいえ専門は細胞などのミニマムなので、こういう状態の木を目にする機会は少ないとの事。 |
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普通の材木屋にあるような木をご覧いただいても仕方がないので、なるべくまともではないようなマニアックな木をお見したのですが、いちいち反応がこちらの想像以上に強くて偏屈材木屋冥利に尽きます。こちらは『ゼブラウッド』の端材を食い入るように見られている図ですが、普通はその芸術的な木目の美しさに惹かれるところですが、皆さんの興味はそこではなく、如何にしてこういう木目が形成されるのか?!う~ん、視点の違いでゼブラウッドの見方も随分変わるものです。 |
| そのまま二階に移動して今度は、先ほど見てもらったマニアックな木から生まれた商品を見たもらいます。言い方は失礼かもしれませんが、既に黒田先生によって【森のかけら】の洗礼を受けている「信者」たちばかりなので、何を喋っても打てば響きまくり!しかし商品を見る視点は、単なる面白いものへの関心や好奇心ではなく、原料の木がどういう特性を持ってこういう商品に加工されたのかとか、どういう樹種がどういうものに活用できるのかなど、あくまでも研究者的な立場。その根っこには木への深い愛があります。 |
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そういう場面であろうとも商売の事は忘れません。ちゃっかり【森のかけら】をはじめとする一連の商品のPRも怠りませんが、そこは黒田先生の洗脳が強く効いていて、その内のひとりはその場で【森のかけら】の購入を決断。いや、既にここに来る時点で買う気満々だったようで、買うか買わないかを迷っているのではなく、どれを選んでどれを外すかを思案中。洗脳がしっかり効いて完全に棺桶に片足を突っ込んでいる状態!結局、選びきれないので現在あるだけ全部のかけらを購入することになってしまいました、見事なマニアっぷり!かけら冥利に尽きる・・・涙。更に明日へ続く。 |
| 神戸大学大学院農学研究科教授の黒田慶子先生御一行が先日ご来店いただきました。直接一度もお会いしたことの無い人とも気軽に日々やり取り出来るSNSのお陰で、全国の多くの木材ファン、木フェチとも楽しく交流させていただいていますが、黒田先生もそのうちのおひとりで、私にとっては直接お会いできるその日を夢描いておりましたが、その日は突然やって来ました。強く願うことはいつか実現するってヤツ。香川県で里山林管理に関するセミナーに来られるついでに弊社にまで足を延ばしていただけることになったのです。 |
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黒田先生とゼミ生とOBの合計5名のかなりもの好きと思われる(わざわざここまでやって来られるわけですから相当でしょう!)皆さんがご来店。黒田先生は既に【森のかけら】をコンプリートされていて、授業でも学生たちに触らせたり観察させるなどしてご活用いただいています。黒田先生の専門は、森林病理学,樹木組織学で、ワークショップでは樹木組織を顕微鏡観察されたりするのですが、その際に【森のかけら】もしっかりと観察されています。こうなると【森のかけら】にも一気にアカデミックな色合いが! |
| 黒田先生は神戸大学の前は森林総合研究所にお勤めで、以前に『才の木』でお世話になった京都大学の高部圭司先生とは京都大学の先輩後輩の関係。そのこともあってかねがねお噂はお聞きしていたのですが、それとは別に『ビーバー雑木隊』の武田製材(三重県多気郡)の武田隊長ルートから入った話が直接メールをやり取りすることになったきっかけです。それが『六甲山の森の毒りんご』!詳細については以前にその経緯について書かせていただきましたが、黒田先生は里山のスペシャリストでもあられます。 |
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最近いろいろな方が全国各地からお越しになられるようになりましたが、今回のように目的がはっきりしている(マニアの巣窟探検!?)場合は話も早いので早速ご案内。と、思ったのですが、偏屈材木屋の「多様性」を知っていただくために『木のもの屋・森羅』にて木の玩具などを見ていただきました。皆さん木の事を真摯に学ばれる研究者ですが、無垢な木の玩具にあっという惹き込まれます。研究者すらも瞬時に虜にするのが木の魅力、いや魔力!明日に続く・・・ |
| 永らく乾かせておいた(決して忘れていたとかではなく!)愛媛県産ケヤキ(欅)の耳付き板を奥から引っ張り出し、さあ木取りしましょうと広げてみると、耳の部分に『生き物たちの記録』がガッツリと刻まれていました。これが木材市場で買ってきた高額の板であれば、血の気が失せるところでありますが、地元の小さな丸太を挽いたもので、色や艶を残すために天然乾燥させていたもので、もともとこれで一枚板のテーブルやカウンターにするつもりではなく、割り返して使うつもりだったので意にも介さず。 |
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まだ建築用材と家具用材しか『材の出口』を持っていなかった頃であれば、いくら安く買った材でも虫の材は頭の痛い問題であった事に変わりはないのですが、今や『虫が穿孔して出来た虫穴(ピンホール)』すらも『キャラクター』という名の個性として活かせる出口を確立しました(モザイクタイル)ので、怖いものなし!まあそれにも程があるにはあるのですが、気持ち的に虫穴に恐れおののく事は少なくなって、こういう穿孔跡すらなかなか芸術的趣きがあるじゃないかと思える余裕も出来ました。 |
| そしたら、今度はそれすらも商品に結び付けられないかと考えてしまう自分自身に呆れますが、それぐらいの価値はありそうに思いませんか。もうそうな材としての本質でない枝葉の部分で心迷わされずに、本道の活かし方を頑張らんかい、という声も聞こえてきますが、誰もが相手にしないところにこそ実は大きなチャンスがあったりするもの。これがそうだと言うわけではありませんが、ものの見方のひとつとしてそういう視座も持っておきたいということです。木に求められるものも随分変わってきましたから。 |
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従来からの建築資材や家具資材、土木資材、チップなど出口も大事ですし必要だと思っています。しかし弊社のような零細材木屋が生き残って行く道は、そんな華やかな道ばかりではないように思うのです。これはあくまでの1つの例えですが、ものの見方をどこまで変えられるか、ただのゴミにしか見えなかった端材が【森のかけら】に生まれ変わったように、どういう調味料をどのタイミングで振りかけるかで、出来た料理をどの場面で誰に出すかによって大化けするものがまだまだ眠っているはず! |
〔補足解説〕
バークビートル、樹皮下キクイムシと呼ばれる仲間ですね。幼虫が樹皮のすぐ下ーー内樹皮、形成層、未熟な木部ーーを食べます。材の深くまでピンホールを作るキクイムシより被害は少ないです。病原菌を運ぶ一部の種類を除いて、枯れかけてから(伐採してから)産卵→被害が多いです。ケヤキが倉庫に来た時には、樹皮の下で幼虫がせっせと食べていたのではないでしょうか。食痕が独特の模様になるので、磨けば個性になるかもしれませんね。
(神戸大学大学院農学研究科 黒田慶子教授)※黒田先生から補足解説をいただきました。
| 近くのミウラート・ヴィレッジ(三浦美術館)で開催されている『愛媛大学教育学部卒業制作展』に家内と二人で出掛けてきました。私の家から車で4,5分の所に位置するミウラート・ヴィレッジは、小型貫流式蒸気ボイラーのシェアで日本国内トップを誇る東証一部上場の三浦工業グループの創業者・三浦保氏が生前に造られた美術館です。地方の企業が運営する美術館として、地域の埋もれた芸術家の作品展示や、ワークショップなどにも熱心で、私も今までに2,3度行ったことがあります。そこで開催されているが、愛媛大学の学生たちの卒業制作展なのですが、教育学部の学校教育教員養成課程美術教育専修・芸術文化課程造形芸術コースの生徒たち、つまり将来学校の美術の教諭のたまごたちの作品。 |
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そこで教鞭を執られる福井一真先生とは、木材教材繋がりでいつもお世話になっているのですが、その関係で福井先生が指導されている学生・関家美絋さんの卒業制作の材料を納めさせていただいたご縁で、今回卒業制作展に来させていただきました。木を曲げて作品を作るということで、選ばれたのが北欧産の『ヨーロッパビーチ』。日本で言うところの『ブナ』ですが、世界でもっとも売れた椅子として知られる『Yチェアー』などでも知られるように、弾力性があって「曲げる」ということに適性のある木材のひとつです。 |
| 木材を納めに大学を訪れた際に、その工程は目にしていたものの、果たしてそれがどういう作品に生まれ変わるのか、正直さっぱり見当もつきませんでしたが、実際に完成品を見てビックリ!ビーチを煮沸し軟らかくしてから、鉄の曲型に合わせて曲げてクランプで押さえつけて形を作り上げるのだそうです。理屈としては分かっているのですが、日頃は重たいビーチを担いでいて、その重さは文字通り肩身しみて分かっているので、会社の倉庫にあったビーチがこうして曲げられている姿を見ると不思議な感覚になります。 |
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ビーチの気乾比重は資料によれば0.6~0.72ぐらいまでばらつきがありますが、弊社の倉庫にあるのは全部重たい方ではなかろうかと思うぐらい、自分の中ではビーチは重たい木という印象しかありません。弊社では板材など直線的な加工しかしないので、しなやかな木ということは分かっていても、それを実感する機会はないのですが、こうして今にも踊りだしそうな形に曲げられたビーチの姿を見ると軽い感動すら覚えます。『群生』と名付けられた作品ですが、私的には作りかけの梯子がある日突然に意思を持って動き出したのだが、それを作者が瞬間的に固めてしまった、『梯子の反逆』あるいは『意思を持った梯子』みたいでとっても面白く感じました。 |
| これってちょっとアレンジして手を加えれば家具とかの装飾にも活用できそうな匂いがします。私も昔(中学~高校生頃)絵を描くのが大好きで、将来美術関係の大学に行って、そういう世界で生きていけたらいいのになんて甘い夢を抱いていましたが、それは素敵な美術の先生との出会いがあったから。私の場合は絵画のほうで、このような立体造形ではなかったものの、もしもその当時にこういうモノづくりに触れていたら、道を踏み外して(?)材木屋にならずに、そちらの世界に行ったかも?!作品展は今月21日まで。 |
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| 昨日の『のれそれ』の話からスピンオフして、本日は木の話。『のれそれ』の学名である『レプトケファレス(Leptocephalus)』は、『柳の葉』という意味ですが、まさにヤナギの葉のような形をしています。そこで繋がったのが「ヤナギと魚の話」。いずれヤナギの話の際に使おうと思っていたエピソードでしたが、『のれそれ』から繋がろうとは考えてもいませんでした。折角の機会なので予定外でしたが本日は魚の話から木の事を考えてみます。俎上にあがるのはヤナギ科の広葉樹『バッコウヤナギ』。 |
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この変わった名前のバッコウヤナギの名前の由来は、この葉を牛(東北の方言でベコ)が好んで食すことから、「べコが好むヤナギの葉」が縮まって「べコヤナギ」、それが転じて「バッコウヤナギ」になったという説があります。木の名前を調べていると、北海道ではアイヌ語やアイヌの伝説に由来していたり、含蓄のある神話や伝承が多くあって、アイヌの人々がいかに木と関わった暮らしをしていたかを窺い知ることが事が出来ます。その中のひとつにヤナギと魚にまつわる興味深い話があります。 |
| アイヌ語ではヤナギの事を、chipu‐susu(チプ・スス)と言うのだそうですが、チプは舟の意、ススはヤナギの通称。河畔に生えていたことで、次のような伝説が生まれました・・・その昔、飢えに苦しんでいたアイヌの娘が病気の父のために河畔で祈りを捧げていると、風の神がヤナギの葉を吹き飛ばし、川に落ちた葉がシシャモに変身したというもの。似たようなエピソードは多くて、川上にあるヤナギの葉が川に落ちたものがシシャモに生まれ変わったので、秋になると故郷を懐かしんで川上に遡上するなど。 |
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他にも飢えた人間に食べ物を与えるために、神がヤナギの葉を川に流したところそれがシシャモに変わって人々を救ったという話などもあり、いずれにしてもシシャモはヤナギの生まれ変わりということから、シシャモはアイヌ語のsusam(スサム、語源はヤナギを意味するsusu(スス)+ham(ハム)=葉)が変化したものだと言われています。ヤナギはその材の特徴からまな板としても適性がありますが、もしかしたらそこにもアイヌの伝承が関わっていたりするのかも?木材としての特徴についてはまたいずれ改めて。 |